はじめての言語ゲーム (講談社現代新書)

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  • 講談社
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感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880046

感想・レビュー・書評

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  • 蔵書整理で手放すので、再び出会い読む日もあるか

  • 大阪から小田原に帰る電車の中で加賀鳶の友になった. しかし...

    おもに基礎論に関して気になる細かい点がいくつかあった他に, 大きく次の点に違和感を覚えた.

    まず「論哲論考」の例の「語りえぬことについては, 沈黙しなければならない」について. これを本書では禁止事項と理解するから, 論考全体が命令事項になってしまう (そしてそれが後述する本書の「哲学探求」理解にもつながる). これは単純に「語りえぬことが存在している」ことを述べている命題であるのに.

    そして 「哲学探究」の言語ゲームに関して. 本書では言語ゲームを殆ど所与のルールの問題として語っている. ゲームのプレーではなく. 著者の社会学者としての視点にとってはそれが便利なのであろう (実際本書の後半はそれに費やされている). 言語ゲームは所与のルールなく, プレーによって成立するゲーム (ルール) が本質であるのに.

    だから本書では「論哲論考」がルール集と解釈されてしまい, 言語ゲームはルールによる社会分析となる. というわけで, 本書は「もっともわかりやすい橋爪大三郎入門書!」という帯を着けると良いのではないだろうか?

著者プロフィール

橋爪大三郎(はしづめ・だいさぶろう):1948年生まれ。社会学者。大学院大学至善館教授。東京大学大学院社会学部究科博士課程単位取得退学。1989-2013年、東京工業大学で勤務。著書に『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『教養としての聖書』(光文社新書)、『死の講義』(ダイヤモンド社)、『中国 vs アメリカ』(河出新書)、『人間にとって教養とはなにか』(SB新書)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)など、共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』『おどろきのウクライナ』(以上、講談社現代新書)、『中国共産党帝国とウイグル』(集英社新書)などがある。

「2023年 『核戦争、どうする日本?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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