日本語という外国語 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880138

感想・レビュー・書評

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  • 普段さして意識することもなく使っている日本語の「構造」を改めて認識できる本

    日本語ってこういう言語なんやな〜。

  • 日本語は世界の言語の中の一つである。その当たり前のことを改めて考えさせられました。いつも何気なく発している日本語の一片一片が、自分から切り離されて宙に浮かんでいく感覚を覚えました。

    日本語教育に携わる人はもちろん、日本語教育に漠然と興味を持っている人、外国語を学習している人、外国語に漠然と憧れている人、いずれにも気づきが得られる一冊です。

  • 日本語教育文法と国文法の違い。会話として日本語を覚えていく外国人を追体験していくことで教えるときにも役立つ。

  • 単なる「日本語って難しいもの」と考える日本語優位の考え方は日本語文法を知らずに容易に言えるものではない。

  • 「ロマンシュ語」を「ロマンス語」、「古典(あるいは古代)ギリシア語」を限定なしの「ギリシャ語」としたりしている。この本を読んで色々と探求を進めようとする入門者の為にも、正確な用語を使ったほうが親切では。

    energyの発音を日本語では「エネルギー」だが、実際は「エナジー」だとしているが、ドイツ語の発音なら「エネルギー」だ。英語との対比に偏ってないか。

    日本語教育は、日本の英語教育と比べてうまくいっているなんて、「外国語教育」の専門家としての見識を疑うような記述もあり。

    入門書として勧められるが、しかし残念なところも多々あり。佐々木瑞枝 『外国語としての日本語』(講談社現代新書)のほうが興味深いかもしれない。

  • タイトルが本の趣旨をわかりやすく表してて、一瞬で借りてしまった。
    すごく興味深かった。。。

  • 日本語教育の本って日本語の専門家が書いているのにも関わらず非常に読みにくいものが多い。言葉の定義や論理の整合性を重視する為どうしてもそうなりがちなのは理解できるが。さて本作であるが、先ず出だしが非常に読みやすい。ツカミOK!名著『日本語』(金田一春彦)を思い出した。勿論、新書版という量的制約の為、これ一冊読めば日本語が教えられるかと言えば実はそうではない。これから日本語教育の勉強を始めようと思っている方、日本語を教えながらも授業の進め方に悩んでいる方にお勧めの一冊です。『もしも・・・』の方も読んでみたい。

  • 第1週 1/11(水)~1/18(火)
    テーマ「日本・日本人・日本語」

    ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00172971

  • 「日本語を外から眺める」といふ、今までになかつた切り口の本であります。面白い。
    6つの章から成つてゐます。それぞれ見てみませう。

    第1章「日本語はどんな外国語か?」
    『日本人の知らない日本語』のところにも書きましたが、多数の日本人は、日本語を特別難しい言語であると思ひたがる傾向がありますね。本書でも指摘がありました。難解に感じられる理由を単語数の多さ、敬語(待遇表現、といふものださうです)、表記の複雑さの3点を挙げてゐます。日本語は世界で9番目に多い話し手がゐるさうです。驚きですね。

    第2章「日本語の読み書きは難しい?」
    日本語には正書法といふものは定められてゐないのですね。確かに同じ文章を感じ交りで書いても仮名ばかりを駆使しても通用します。この辺が外国人には「はつきりしてくれ!」と言ひたくなるところでせう。
    「コノテーション」といふ概念は今まで知りませんでした。以前スポーツ紙の記事で、同じ「酒を飲んだ」行為が、白鵬の場合は「勝利の美酒の余韻に浸る」と表現されたのに対し、朝青龍には「ヤケ酒の二日酔」と書かれてゐました。これは関係ありませんか。

    第3章「日本語の音はこう聞こえる」
    「ピーナッツせんべい」は何拍か?といふ問題。絶対5拍ですよ、と私は思つたのですが、9拍でも正解なのださうです。七五調の散文や詩に慣れてゐる人は、きつと5拍と答へると思ふのですが。わざわざピーナッツせんべいの写真まで添へてありますが、問題のヒントにはなりませんね。洒落ツ気があります。
    「水」といふだけの台詞でも、イントネーションの相違で全く違ふ意味合ひになる。なるほど、この辺は日本語を外から眺める姿勢がないと気付かないものです。

    第4章「外国語として日本語文法を眺めてみると」
    いよいよ佳境に入つて行きます。
    国文法と日本語教育文法は、優劣はなくそれぞれの目的が違ふと著者は語ります。納得。私も知り合ひの中国人に、生意気にも日本語を教へたりしますが(ほとんど雑談)、テキストの内容は明らかに日本人が学校で習ふ国文法とは違ふのであります(ちなみに凡人社のを駆使してゐます)。最初はですます調で動詞の変化をするのが違和感があつたのですが、すぐに「合理的だ」と思ひました。「形容詞+です」はをかしいのでは?とも考へた時期もありましたが、今は慣れてしまつた。

    第5章「日本語表現のゆたかさを考える」
    更に盛り上がつてまいりました。
    「山田選手はかなり練習させられていたらしいよ」といふ一文を解析します。テンス(時制)・アスペクト(相)・ボイス(態)・ムード(法)と連打でたたみ掛けます。この辺りは快感すら覚えますが、読む速度が遅くなります。先生、少し待つてくださいといふ感じ。普段何気なく使ふ私たちの日本語には、実にさまざまな表現があるのだと思ふと、嬉しくなります。

    そして最終章・第6章「日本語教育の世界へ」
    日本語だけを使つて日本語を教へる「直説法」。コツがいろいろ書かれてゐますが、実際には中中骨でせうね。そもそも私は中国人に日本語を教へる必要性から、中国語を学び始めたのですから。しかし中国の日本語教室の授業風景を見学した時は、中国人の日本語講師がすべて日本語で講義をしてゐました。熱心な中国人学習者に感動したのであります。

    言葉は一種の道具でせう。即ち正しい使ひ方をしないと、効用は期待できません。著者の荒川洋平氏は商売道具の日本語に対し、敬意といふか愛情をもつて接してゐるやうに思はれます。言葉について語るのは楽しいことですが、本書はさういつた暖かさも感じる一冊と申せませう。

    http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-100.html

  • 私達が学校で受けてきた英語教育との違いに驚き。ここで出てくる日本語教育は、英語圏の国の英語学校、いわゆるESLの授業よりもさらに実践的なプログラムのように感じた。難しい専門用語や、文法知識を誰にでも分かるように噛み砕いた説明は、さすが日本語教師。日本語を客観視するきっかけから、日本語教師の待遇まで、一貫して読者の立場で書かれていてとても読みやすかった。

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