- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062882439
感想・レビュー・書評
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太平洋戦争中、米軍が日本陸軍をどう評価していたかを通して、日本軍と日本兵の実情を浮かび上がらせる。無論偏見や意図的な貶めという要素は削ぎ落とさねばならないが、敵軍を正確に知る事は自軍の戦果や損害に直結するのでまやかしが無い。その意味で有意義なレポートと思う。面白いのは(面白がってはいけないかもだが)、優勢時は勇猛だが、予想外の事態が起こると混乱する。規律にはよく従うが、自分で判断するのが苦手。といった敵軍による評価。現代のサッカー日本代表とまるで同じ事を言われてるので、それが日本人なのか、もしくはよほど当時と教育システムが変わってないのか、といった興味をそそられる。
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1942~1946年にかけ、アメリカ陸軍情報部が日本軍の組織や、戦術、装備、士気、その他について分析したレポートを元に、当時のアメリカ軍が日本軍をどのように見ていたのかについて書かれた書籍(2014/01/20発行)。
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米軍の報告書に描かれた日本軍。
米軍が、日本軍の装備、戦法、兵の振る舞いなどを客観的に分析し、自軍内に周知させようとしていたことに、まずは驚いた。
そこに描かれたのは、精神主義、白兵主義などのステレオタイプでは決してなかったが、それでも絶望的な戦いを強いられた事実は消えない。
ほとんど埋もれていたと思われるような資料を分析した著者の素晴らしい仕事に感謝。 -
日本兵が捕虜になろうとしなかったのは末期のことで、初期には捕虜になった者も多いこと。投降を躊躇ったのは上官からの指示によってではなく、出身地での自分および家族の立場を恐れてのことというのが、印象的。
捕虜となった時に、助命されたことに恩義を感じ礼が必要だと感じる習性を見抜かれ、それを利用して情報提供させるべく周到に計画されたいた。
都会の出身者は米国映画に接しており親米であって、戦地の娯楽として米国映画も見ていたという。
一方、日本軍の衛生意識の低さには暗澹となる。医療が充実していたらガダルカナルで勝てなかったという評価が、米側にはある。補給と並んで軽視された医療。
そして、戦地が本土に近付くにつれ、補給線が短くなって物資が行き渡るようになったというところが、悲しい。 -
米兵による冷静な日本兵の観察で興味深い。食べ物などの話は面白い。しかし、後半の作戦部分は繰り返しの感がある。
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感想未記入。引用省略。
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20150504
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アメリカの軍広報誌「Information Bulletin」から見た日本兵の実像。ともすると美化されがちな日本兵について、まさに地に足が着いた情報である。
以下のような今まで知らなかった情報が盛りだくさんで興味深かった。
・実際に戦う前はアメリカは日本兵をsupermanとして怖れていた
・日本兵の中にもアメリカに親近感(Pro-American)な兵が多くいた(日本軍に捕虜になった後、解放されたアメリカ兵の証言)
・日本兵は一旦、捕虜になると日本軍の情報を積極的に話していた -
なかなか興味深い本。
第二次大戦時の日本兵の様子が詳細に書かれている。読み書きは出来るが、無知な農民、漁民が多いとある。確かにそうだったんだろう。 -
第二次大戦中の米陸軍情報部が陸軍兵士向けに発行していた情報誌における、敵国・日本陸軍および日本兵の研究記録。一般的にいわれているほどに日本陸軍が玉砕・バンザイ突撃を繰り返していたわけではなく、貧弱な兵站にもかかわらず工夫してジャングルでの戦いをしていた姿が浮かぶ。
日本軍については、
・決められた作戦遂行は得意だが突発事態に対応ができない
・体格差があるとはいえ一対一の白兵戦は苦手
・夜襲・奇襲に頼る
・奇襲時には奇声をあげる
・兵員の健康への配慮が希薄
という総括がされている。
南方、硫黄島、沖縄と戦局が移る中で、米軍は九州と関東への上陸作戦を立案しており、戦車に対して日本軍が作りうる防衛トーチカの構造を米陸軍が研究し、配下の兵隊たちに教宣していた事がわかる。
わずか二世代前に、日本と米国が国をあげての殺し合いを行っていた事実に愕然とする。