- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062922005
作品紹介・あらすじ
19世紀を代表するイギリス人旅行家の生涯とは。体調不良に悩まされた41歳のイザベラが静養の目的で南洋にでかけたのがすべての始まり。以後アメリカ、マレー半島、日本、チベットなど、当時は外国人が足を運ばなかったような奥地にまで臆せず赴く。その記録はベストセラーになると同時に、民俗学的にも生物学的にも貴重な資料となる。知られざる幼少期から、旅先での苦闘、晩婚後の報われぬ日々まで、激動の72年間を描く。
感想・レビュー・書評
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(2020/6/24読了)
19世紀後半に地球を2周か3周した女性旅行家・紀行作家の伝記。
この時代に女性が一人で世界旅行ができたというのがそもそもの驚きだけど、そういう人はほかにも結構いたみたいだ(当然、各地の領事とコネがあるとか特定の身分があってこそ)。
梅雨や蚊などに悩まされていい印象はないみたいだけど、日本にも来訪している。
印象的だったくだり:
「秋田の日雇い人夫は粗野ではあるが、東京の人夫と同様に沈着で礼儀正しく、白沢の少女は日光の少女と同じく落ちついて、子供たちは皆同じ玩具で同じ遊びをし、同一年齢なら年相応の段階を経て成長していくのです。
これはことごとく社会秩序の厳しい足枷に縛りつけられているということであり・・・それ以上に良いところがあると私は思っているので、西洋の慣習やマナーを真似ることによって日本の公序良俗が破られていくのを見ると心から悲しくなってきます。」
北海道に渡ってアイヌとも知遇を得ており、
「彼らは体型がほとんど似ていない日本人から、原始的であまねく広まっている侮りを受けているが、見知らぬ人に親切で愛想がよく・・・一切質問されることなく、まるで“家族の一員のように”歓待された。」
と、バイアスのない率直な感想を残している。
内容は面白かったけど、構成のためか翻訳のためか読みにくくて時間がかかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ところどころ主語がわかりにくかったりしたが、興味深く読むことができた。
「日本紀行」などを読んで、彼女の考え方について気になったところがわかってよかった。 -
19世紀に日本にやって来た女性冒険家に興味を持った。当時の日本は外国人女性の目にはどう映ったのだろうと…。(イザベラが高い知性と無私の才能に恵まれていなかったのは事実である)と見ていた女性評論家もいたようだ。だからこそ為し得た偉業かもしれない。
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読み応えはありました!こんな女性が明治の時代にいたとは…。ただ、日本に居たのは人生のうちのしばしの間だったのですね。そして内容が多くて読むの大変。文章が英国人の独特の言いまわしというか、何が何をして、そうなってるのか途中で???となって睡魔が…。頑張って読破。スケールが大きくて素晴らしかった。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/741030 -
19世紀イギリスの女性作家であり旅行家、イザベラ・バードの伝記。
彼女が世界中を旅し、その体験を出版したのは40歳を過ぎた頃からだったそうだ、それまでは内向的で病弱だったというのだから信じられない。本作ではサンドイッチ(ハワイ)諸島、ロッキー山脈、開国直後の日本、マレー半島、チベット、ペルシアの旅の様子が紹介されている。
『日本奥地紀行』を読んだ時にも感じたが、ズル賢くデリカシーの無い日本人に比べ、大らかでやさしいアイヌの人々の姿が非常に印象的だった。もしイザベラの旅が青森で終っていたら、イギリス人の日本に対するイメージは少し違うものになっていたのかも知れない。
旅する生活を始めてからも、背中の持病には悩まされ続けていたが、イギリス国内で療養している時よりも、海外の僻地で馬に揺られている時の方が活き活きと描かれているのが印象的だった。
最愛の妹ヘンリエッタや夫ビショップとの死別という絶望を乗り越えられたのも、きっと旅という天職のおかげだったのだと思う。 -
力作評伝。バードの著作からの大量な引用に埋れて、作者の意図がいまいち読み取りづらい。重要なポイントが、さらっと書いてあって見落としそうになる。(すでに読んでる本からの引用部分は、かなり飛ばし読みした)
でも、ユニークな視点でイザベラ・バードの人生と、家族関係、人格の本質が描き出されている。その時代の英国社会の特性や国際関係なども解説してあり、読み応え十分。面白い箇所もたくさんあった。 -
日本では日本に来た人として有名な19世紀の旅行家、イザベラ・バードの伝記。
ちらっと読んでやめた。
大英帝国人だから仕方ないとはいえ、冒険家の考え方は野蛮すぎてついていけない。
本人の書いたものを読みたいと思っていたのだけれど、一気に読む気が失せてしまった。
翻訳だから当然だけどものすっごい翻訳調。