猫弁と少女探偵 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062930260

感想・レビュー・書評

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  •  天才弁護士・百瀬太郎が主人公のシリーズ第4弾。このシリーズは,シリーズを通して脇役の使い方がうまく,今回は,1作目に登場した野口美里が再登場。隣に住む少女が拾った猫,エリザベス・アイザッハ・メアリーが誘拐されたという事件の依頼をする。
     今作の主たる事件は,この猫の誘拐事件。サブとして描かれるエピソードは,大福亜子のことを好きな,赤坂隼人という好青年が現れるという話,寿春美がナイス結婚相談所をクビになるという話,自分が,百瀬太郎の弟だという,百瀬次郎という男が現れる話など。
     今回は,メインとなる猫の誘拐事件が,ミステリというほどのものでもなく,さらっと描かれている。エリザベスは猫弁にあこがれる小学生,石森完太の飼い猫だったというオチ。サブとなるエピソードも,そもそも今回は,百瀬と大福があまり出会わないので,メインのエピソードの流れを遮らない。中盤は,大福が百瀬より赤坂を選んだかのように見える描写があったり,寿春美がナイス結婚相談所をクビになるエピソードがあったり,百瀬太郎の弟だと称し,偽物が百瀬太郎の家に泊まるなど,やや暗めのエピソードが多い。最後は,赤坂と寿春美がお見合いをし,結婚するなど,読後感のよい終わり方をするが,3作目までとはやや違う印象がある。
     百瀬の弟の伏線は回収されず,シリーズ最終作に引っ張られる。
     キャラクターの魅力は,これまで以上に見事に描かれている。ヒロイン的位置づけの少女,滝之上京子,石森完太,野口美里,赤坂隼人,上安里先生…といずれもいきいきとして描かれている。
     ストーリーは,もはやミステリ的な要素はほとんどないが,すっきりしていて読みやすい。トータルでは★4を挙げたい。1作目から4作目まで,徐々に完成度が上がっている印象。ラストが楽しみだ。

  • 【2016年3冊目】
    最終巻に向けてのこれまでのダイジェストプラスちょっとニューストーリーといった感じです。

    最終巻はどんなハッピーエンドになるのかな?!(^-^)
    楽しみ♫

  • 仕事では、テキパキと処理していくのに、自身の結婚に関してぼんやり過ぎるのは、少々不自然。考えすぎてうまくできないならいいかもしれないが、結婚式や入籍に思い至らない設定は、弁護士という職業と相いれないと思う。ということで星ひとつ減ですが、面白いことは面白いです。

  • 2015.2読了。

  • 猫弁シリーズ第4弾。
    百瀬と亜子さんはどうなってしまうんでしょうねぇ…
    デートよりも依頼人優先ではないですか?

    お馴染の登場人物に再会できるのは楽しいこと。
    みんな幸せになって欲しいなあ。

    エデンのウエイターが、地味にいい味出しています。
    読者側のお仲間でしょうか?見守る立場で。

  • 猫弁シリーズ第4弾。
    身代金を要求された行方不明の三毛猫を探すお話で、内容はシンプルだが、大福さんと猫弁先生の恋の行方や少女と少年の家庭事情、寿さんの婚活といったように、ところどころにスパイスを効かせながら進んでいくので面白い。

  • 失踪した三毛猫を探す少女、婚約者の大福亜子、法律事務所を手伝うイタズラ好きの少年、百瀬次郎と名乗る赤毛の青年。天才弁護士・百瀬太郎のもとには、問題を抱えた人たちが次々にやってきて…。「猫弁」シリーズ第4弾

    シリーズも4作目となるとすっかりキャラクターに馴染んできた。本作は子どもたちなどわき役の存在が特に光り、物語も退屈しない展開だった。猫弁の「弟」まで登場し、それが次作への伏線を感じさせ、今後への期待が高まった。
    (B)

  • 相変わらず人が良い猫弁に心が温かくなる。たくさん遠回りはするけれど、けっしてムダじゃないし、それを時間をかけてもぶつかりあっても理解してくれる人がいる猫弁は幸せ者。
    次が待ち遠しい‼
    H27.4.12~4.15

  • 2015/4/13
    このシリーズがあと1作で終わってしまうなんてイヤだ。
    猫弁先生をもっと見ていたいのにお別れなんてイヤだ。
    なんだろう、この得体の知れない感情。
    思いつく中で一番近い言葉は畏怖かもしれん。
    でも敬遠する感じはないの。
    何?
    言葉が出てこなくてもどかしい。
    猫弁先生は始めての感情のスイッチを押してくるのだよ。
    そこもっと押して欲しいのにあと1作。
    私は卒業したくないのに。

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著者プロフィール

東京都出身。2006年、『三日月夜話』で城戸賞入選。2008年、『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。2011年、『猫弁~死体の身代金~』にて第三回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞しデビュー、TBSでドラマ化もされた。著書に『赤い靴』、『通夜女』などがあり、「猫弁」「あずかりやさん」など発行部数が数十万部を超える人気シリーズを持つ。

「2022年 『犬小屋アットホーム!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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