聖者の凶数 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062932943

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ5作目。顔が消され、腹部に数字が書かれるという連続殺人事件という、猟奇性が高く、また創造力がいろいろ刺激される事件は(不謹慎な表現ですが)魅力的で惹き込まれます。

    事件の真相も複数の思惑が交錯する複雑な内容でしたが、難しすぎず、かつ意表をつかれたもので結構楽しめました。特に「63」の事件で残された人たちの気持ちを考え出すと、複雑な心境にさせられてしまいました。

    こういう手放しで喜べない系(?)の結末は印象に残りやすく、個人的には好みのタイプなので、本作は1作目に次いで楽しめる内容となりました。

  • シリーズとして安定感している。

    猟奇的な事件から始まり、
    今回はどうなるのか・・・と思ったものの
    そこまで劇的な展開とまではいかず。

    ただ、読ませる面白さは健在。

    貧困や社会の不条理、家族愛など
    いろんな要素が盛り込まれていて
    悩みながら事件にあたる難しさというのが
    印象に残った。

  • 序盤に、父親が道路に飛び出した子どもをかばうシーンが最後に効いてきました。
    少しずつ、塔子の持ち味みたいなものと、鷹野主任の指導係としての采配、刑事としての洞察力がうまく反応していることが分かってきました(笑)

    末次さんが怪しいとか思ってしまった中盤(笑)
    このシリーズは意外な存在感の薄さの人物が犯人な印象です。あと火災保険などなども含めると結構色々な事情がからみあってちょっと複雑な感触。
    あの事件で恨んでるのがだれで、
    今回塔子たちが追ってる事件はこれで、、と
    整理しながら読む感じでした。
    井之上慶太の舞台はあれだけでよかったやら、もうちょっと欲しいやら…。

    リンゴを断られた時のシーン、最後まで読んでから思い返すと、なかなかにこみ上げるものがありました。
    でも色々好き勝手やって戸籍まで奪うような男が、最後に娘に捧げる描写にちょっと違和感。。
    あまりに清らかな『頼み事』だったもので。。。
    これが資産家の娘とも上手くいかず、何者にもなれず、の絶望の時に、せめて赤城として暮らしている男に育てられた我が娘に、『自分の証』を刻みたい。そして赤城は娘を思うあまりに受け入れる、、とかならまだ橘の人物像が簡単にイメージできたかもです。個人的にはですが。

  • 単純な猟奇殺人事件ではないだろうと読み始めたが、予想のはるか上をゆく展開。伏線もあり、ドラマ化も想像される。面白かった。

  • やっぱり塔子さんがどんどん頼もしくなっている。気付く所は気付けるし、落ち込むべき所は落ち込んでいる。とても難しい問題だと思う、私も、どうぞ、と差し出されたら素直に受けられるのかなって思う。自分の器の小ささを自覚できる人でありたい。どちらの父親も相当自分勝手で、生きることを強要されたような娘には地獄の真相だったのではないかと思う。それでも生きていて良かったと思える人生であることを祈りたい。逆恨み的な所もある犯人で、それ故にここまで残酷になれる事が怖かった。

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    顔と両腕を損壊された遺体が見つかった。手がかりは、遺体の腹に記された謎の数字と、狩りの守護聖人のカードだけ。連続殺人を予測した如月塔子ら警察の捜査もむなしく、第二の事件が発生。またも記された数字は、犯人からの挑発なのか。謎と推理の応酬の果てに彼女らが辿りついた、残酷で哀しい真相とは。

    偶然が偶然をうみだし事件解決!後味スッキリのシリーズ物である。
    相変わらず犯人の予想が付かず最後までドキドキしたわ。しかし、戸籍取り替えなんて実際有るんかいな?など若干違和感を感じながらもあっという間に読了。

  • 今までのシリーズを通して1番最後が読めない展開でした。そして、偽善でもなんでも、、、というところにはたいへんぐっときました。職場が浅草界隈なこともあり、かなり塔子に共感してしまった作品。次回作も楽しみです

  •  シリーズ読破中。

     作品にぶれなし。いつも通りです。

  • 顔と両腕を損壊された遺体が見つかった。手がかりは、遺体の腹に記された謎の数字と、狩りの守護聖人のカードだけ。連続殺人を予測した如月塔子ら警察の捜査もむなしく、第二の事件が発生。またも記された数字は、犯人からの挑発なのか。謎と推理の応酬の果てに彼女らが辿りついた、残酷で哀しい真相とは。

  • 人が殺人を犯すとき、そこにはそれぞれの事情がある。
    まったく身勝手な動機もあれば、やむにやまれぬ動機もある。
    欲にかられた動機もあれば、緊急避難的な動機もある。
    この物語で起きる事件には、そのどれにも属さない動機が隠されている。

    このシリーズにしては珍しく、結末ありきのような展開になっていたことが残念だった。
    犯人に迫る緊迫感のようなものも少なく、分析班が活躍する場面もほとんどない。
    面白くないわけではない。
    それでも、塔子と鷹野のコンビ。
    分析班のそれぞれのメンバーの活躍。
    このシリーズのファンとしては、萌どころが少なく感じてしまった。

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著者プロフィール

1965年千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。『石の繭』から始まる「警視庁殺人分析班」シリーズで人気を集める。その他著書に「警視庁文書捜査官」シリーズ、「特捜7」シリーズ、「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ、『深紅の断片 警防課救命チーム』『共犯レクイエム 公安外事五課』『骸の鍵』『擬態の殻 刑事・一條聡士』などがある。

「2023年 『琥珀の闇 警視庁文書捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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