図書館の魔女 第四巻 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1469
感想 : 151
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  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933889

感想・レビュー・書評

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  • 言葉に興味を持って生きてきたことを全肯定されるような本だった。
    これまで読んだ本全てのうち、控えめに言っても5本の指に間違いなく入る名作!と、読書家でもない自分の尺度を持ち出すことすら、おこがましいけれど。

    これをプレゼントしてくれる親友がいて幸せだと思った。

  • 政治的な調略あり、呪術をからめた戦闘あり、海上での感動的な会話あり、まだまだ広がる未来を予感させるいくつかの別れありと、盛りだくさんな最終巻。長い物語を読む喜びがつまった作品だと思う。またぜひ、成長した彼らに再会したい。

  • 今年一の当たり本でした。読書に集中して、読み終わった後に現実に戻りきれない感覚は久し振りです。
    怒涛の最終巻。マツリカの語る、言葉の話に胸を打たれました。別れの手紙にも。
    一つの世界を作り上げてしまうなんて、本当にあった話みたいで、読み終わった後も、話がまだ続いているような気がしてます。

  • 第四巻。とりあえずの完結編。

    三国和睦会議困惑するアルデシュ。
    人をモノとしか見ないミツクビの行動。
    緊迫した場面で間諜の考え方を面白がるマツリカ。
    「見逃した」とか「気付いていれば」という予告が
    入るので、ハラハラしながら読み進めないといけない。
    双子座(ミトゥナ)の館を目指す一行に向けられた刺客。
    人形遣いの本当の意味。そして双子座を指し示す意味
    これは、やられましたぁ~
    全くもって、落ち着く暇もありゃしない。

    本を愛し、言葉の力を信じるすべての人に!っていう
    最初のキャッチコピーを最後まで貫きました(^◇^;)

    あぁ・・・図書館の地縛霊になりたいと思っていたけど
    ますます思いが強まったわぁ~

  • ニザマ帝による宦官中常侍との決別宣言の影響
    アルデシュの説得プレゼン
    戦争の過程と維持で必要になる物資と費用
    領土を得た仮定の展望
    新たな農地と農法の提案
    揚水技術の説明
    双子座の追跡
    帰路のあれこれ
    エピローグ


    前半の交渉はキリン無双すぎ(笑)
    いや、まぁこうなることはわかってたけどね

    そして、間諜がいる事を前提に行動している人たちの凄さ
    ニザマ帝とマツリカの頭の中はどうなってるのかね?

    マツリカの交渉術というか、ピンチも全て利用して、それをさも最初から考えていたことかのような振る舞い
    ほぼまとまった交渉の弱点を利用して、技術の価値を操作して情報を得るとかって、詐欺師のやり口ですよ?(笑)


    双子座の追跡に関しては、描写が微に入り細に入り込んでいる
    でも、何故かその場面が脳内に再生されない不思議
    表現が冗長な気がするんだが、私の想像力や知識のなさが原因なのですかね

    それにしても、ヴァーシャールヘイ……
    ってか、あんな生物兵器のような疫神をどうやって管理運用してるんですかね?
    あの人数をちゃんと適切な使い方をできるように管理するって、かなりコストがかかると思うんですが……
    ま、そこはフィクションってことで


    帰途のマツリカの強欲っぷり
    ま、それが人を救う形になってるのが面白いところ

    証文のやりとりの伏線がここで生きてくるとはねぇ
    物語の構成というかキャラクターの配置の妙ですね


    エピローグはマツリカらしいし、キリヒトらしい


    全体を通じて
    壮大なボーイミーツガール物語という理解がしっくりくる
    そして、自分の存在意義を自分で選ぶという、自己実現の話なんだな

    それでいて、知識エンターテイメントの要素や国家レベルの謀略など、知識と洞察力が必要だったりと懐が深い


    あと、タイトルからはファンタジーな印象を抱くのに、作中では結果的に非現実的要素を全否定する超リアリズムな物語になっている不思議
    架空の国のはずが、まるで世界史のどこか一部を切り取ったかのような、地理・歴史、キャラクターの設定が凄い


    総じて冗長な表現が多いと思われるのは、著者が言語学者であるのが理由なのだろうか?
    そのせいで頭の中でイメージ化するスピードと物語の内容の進行が大幅にズレている気がする
    もっと簡潔な表現と描写で文量が半分くらいだと私に丁度いい感じだろうか?

  • とうとう読み終わってしまった、というのが最初の感想です。
    最終巻にして物語は一気に飛躍を見せ、これまでマツリカとキリヒトが体験した全ての出来事が意味を持つ。面白さのあまりこのボリュームを1日で読破してしまった。
    全4巻で終わりだと思っていたのに新シリーズがあると知ったときの喜びは、読んだ人には分かると思います。

  • 最高のファンタジー小説の一つです
    最初はセリフも殆どなく、地の文章だらけできついですが、キリヒトとマツリカが出会ってからは一気に面白くなりました

  • 三つの国を又にかけた大冒険の回でした。意外な人物の裏切りが明らかになります。
    マツリカにかけられた呪いを解く為に敵と対峙する場面では細かい描写で描かれていて、最初から最後までハラハラしました。
    マツリカとキリヒトのやりとりも神秘的でした。

  • うならされるような快作。
    タイトルからして魔法の飛び交う話かと思いがちだがそうではない。
    言葉を自在に操り、読み解き、あらゆる事物を動かす力を持つ少女について、畏怖を込めて「魔女」と呼んでいるだけのこと。
    しかしどれだけの本を読めば少女のうちにこれほどの知識を身の内に秘めることができるだろう。
    私も小さいころは多読派だったけど単に童話ばかり読んでたからなあ……って自分と比べても仕方がないが、非現実的ではある。まあそこはさておき。

    人々の口の端にのぼる噂話やら些細な手がかりから、一国の政情までも動かしてゆく「魔女」の快進撃が面白く、ぐいぐい読める。
    ボーイミーツガール的な青春物としての楽しさもある。
    描写が緻密すぎて文体のリズムを悪くしており、冗長な印象を受けるのが玉に瑕だが、全体としては静と動をうまく使い分けているので読みづらいというほどではない。
    普段何気なく使っている「言葉」の広がりや可能性についてしみじみと考えさせられた。

    おそらくまだまだ続きがあると思うので楽しみ。

  • すげー!最後の最後まで、全く隙が無く面白かった~!言葉に対する真摯な態度とかも一切ブレず。多少難解に感じるところがないこともないけど、それは作品の崇高性を高めこそすれ、マイナス点にはなり得ない。文学論や政治論、土木工学から男女関係にまで筆が及び、守備範囲も多岐に渡るけど、それぞれが十分に咀嚼された上で提示されていて、とってつけた感も皆無。ちょっとしたどんでん返し的サプライズも用意されていて、ミステリ風の楽しみも味わえる。シリーズ第二作も既に発表されていて、まだこの世界感を楽しめるんだっていうのもとても有難い。いやいや素晴らしかった。絶品です。

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著者プロフィール

2013年『図書館の魔女』(第一巻~第四巻)でデビュー。デビュー作が和製ファンタジーの傑作として話題となり、「図書館の魔女シリーズ」は累計32万部を記録。著書に『図書館の魔女 鳥の伝言』(上下)がある。『まほり』は著者初の民俗学ミステリ。

「2022年 『まほり 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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