7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー (講談社ノベルス)

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感想 : 99
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062991056

感想・レビュー・書評

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  • 新本格第一世代の競作。基本的に大好きなので甘め。

    摩耶さん、、、再読。ロジカルな犯人当てでとあり、摩耶さんらしいトンチキな真相のミステリ。傑作ではないかな、、、
    山口さん、、、落語に傾倒しているとは知りませんでした。論理パズル➕ダジャレの変な小説。
    我孫子さん、、、探偵AIの話。面白いですけど、この人はもう本格じゃないすね。
    有栖川さん、、、ロジカルなフーダニット。なんか初期っぽいぞ。
    法月さん、、、これも二人の死体とあべこべの遺書という複雑怪奇なホワイダニット。いいぞいいぞ面白いぞ。
    歌野さん、、、ディストピアのシェルターのなかのクローズドサークルミステリ。これもらしくて好き。
    綾辻さん、、、京大ミステリ研フリークの楽屋落ち。ミステリじゃないけど、この本を手にとるような人は好きですよきっと。

  • 古書店にて半額で。麻耶雄嵩と山口雅也目当てで購入。30周年もどこ吹く風、下の名前に口あんぐりな安定の銘探偵に、現実には無理がある嘘つき設定を見事に落とし込んだ江戸前落語ものと、どちらもさすがの貫禄。他の諸作家は数篇しか読んだことがないのだが(有栖川有栖はなんとこれが初読!)、それぞれが持ち味を活かした仕上がりで満足度高し。特筆すべきはやはり歌野晶午か。我孫子武丸同様、近年隆盛を極めているとある事象に焦点を合わせた「天才少年の見た夢は」だが、SF的設定にこの著者ならではのトリックは出色の出来。

  • 新本格の誕生から30周年になった記念の書き下ろしアンソロジー。執筆陣は新本格ブームの根底となった7人であり、これ以上無い人選だろう。
    対抗意識という事でも無いだろうが、やはり記念の一冊に相応しい力作ばかり。御自分の創造した名探偵を出してきた麻耶さん、山口さん、有栖川さん、法月さん。想像を超えた意外な名探偵を出してきた我孫子さんと歌野さん。そして巧く逃げた綾辻さん(笑)。綾辻さんは本文に書いてある様に本当にネタに困ったんだろうなあ。それでもこういう作品にしてしまうのが流石。有栖川さんと法月さんのフーダニットは傑作だった。とにかくかなり高水準の一冊。堪能した。

  • 大きなハズレがなく、結構満足なアンソロジー。
    「プロジェクト:シャーロック」と「天才少年の見た夢は」が個人的には好き。(テーマが被ってる気がするけど)
    「仮題・ぬえの密室」もミステリ…?となったがボーナストラック的な感じで面白かった。

  • 私にしては珍しく短編・アンソロジー。
    愛読している有栖さんや法月さんはもちろん面白かったのだけど、初読だった麻耶さんにすっかりノックアウト。早速長編を図書館から借りてきました。
    こうやって読書の幅が広がるのは楽しいなぁ。

    しかし最後の綾辻さんのお話、格別によかったです。
    ほっこりします。この界隈の作品をたくさん読んでる方は、絶対に。

  • 好きな作家さんばかりだったので、どれも面白かった。
    やっぱり有栖川さんのが好きだけど、歌野さんの設定も好き。

  • 7人による短編集。さらには名探偵という縛りがある。火村先生や法月倫太郎などのシリーズを持っていれば良いが持っていない作者はキャラクターから作ることになる。綾辻行人先生は苦労したようでエッセイのような形になっている。山口雅也先生は落語と作風が全く異なる短編集で楽しめた。

  • 久しぶりに新本格の大御所を読んだが、
    さすがの安定感。
    記念アンソロジーならではの趣向も楽しい。

  • とんでもなく豪華なメンバーが揃ったミステリアンソロジー。

    実は著作を読んだことがない方もいたのですが、これを読んで他の今までの作品も読んでみたいなぁと思いました。

    メルカトル鮎が好きなので『水曜日と金曜日が嫌い』は嬉しかったしメルらしくて楽しめました。

    『船長の死んだ夜』の火村とアリスのコンビも安定してて面白く、オチの切ないような感じも好きです。

    『仮題・ぬえの密室』は締めに相応しいなぁと。
    実名作家がでてくるエッセイ風なのでまさかほんとにこんなことが!??と相当びっくりしましたがフィクションのようです。

  • 新本格スキーには堪らない豪華執筆陣が名前を連ねるアンソロジーです。テーマはそのものズバリ、名探偵!\( 'ω')/ステキやん

    一口に名探偵とは言っても、お馴染みの名探偵もいれば、人工知能な名探偵、はたまた先生ご自身が名探偵、などなど、その内容は多岐に渡ります。

    執筆陣もテーマもなかなかのド直球ストレートだから、わりかしマジメな王道が並ぶのかしら…と思ったら、意外と変化球多目なのがおかしい(笑)。っていうか、初っ端に麻耶先生持ってくるっていうのがそれだけで面白い(笑)。有栖川先生と法月先生の王道っぷりに嬉しくなっちゃう感じも楽しい(笑)。
    某二作品のネタかぶりも、あらら〜って微笑ましくなるこの感じ、何なんでしょうね(笑)。

    締めの綾辻先生に関しては、ミステリとホラーのミクスチャという綾辻節炸裂だな〜としみじみしてたら、まさかのお馴染みのあの方との馴れ初め話だった(笑)←違

    とりあえず、各作品の内容を評価すると言うよりは、これだけのメンバーでアンソロジーを組むというグッジョブな講談社さんに敬意を評して星四つです。

    表紙の先生達のイラストの配置もね、いろいろ妄想できて楽しいんですよね〜。
    個人的には、山口先生は右下で、有栖川先生は右上がいいなーって思いました!(どうでもいい感想)。あ、麻耶先生が左下っていうのはすごく合ってると思います!!(どうでもいい感想2)。


    【以下、もしかしたら間違ってるかもしれない内容まとめ\( 'ω')/】

    ◎水曜日と金曜日が嫌いー大鏡家殺人事件ー(麻耶雄嵩)…山中で遭難しかかった私が辿り着いたのは、高名な脳外科医大鏡博士の館だった。一息つく暇もなく、私は不審人物が出入りした小部屋の中に大量の血痕を発見し、その直後、博士の養子達が結成する四重奏団のうちの一人が露天風呂で刺殺体となって発見された。ところが、死体と血痕は同一人物のものではないことが判明し、事態は混迷を深めていく。果たして、被害者以外の登場人物が全員そろっているはずの現場で、誰が第二の被害者足り得るのか?(なんか長くなったな…)

    ◎毒饅頭怖い(山口雅也)…不甲斐ない後継者達の家督相続争い。果たして嘘をついているのは誰なのか?

    ◎プロジェクト:シャーロック(我孫子武丸)…一人の警察官が作り出した名探偵の人工知能ーーシャーロックプログラムが世界中に拡散し、改良され、実際の犯罪捜査に功を奏し始めた頃、シャーロックの生みの親が殺害された。果たしてその意図とは?

    ◎船長が死んだ夜(有栖川有栖)…センチョウと呼ばれる男が刺殺体となって発見された。当初は痴情のもつれの犯行と思われたが、火村は現場から無くなっている二つの物を糸口に推理を展開する。

    ◎あべこべの遺書(法月綸太郎)…二人の人間が不審死を遂げた。現場に残されていた双方の遺書は何故か入れ違っており、死んだ場所も相手の自宅というあべこべな様相を呈する奇妙な事件の真相とは?

    ◎天才少年の見た夢は(歌野晶午)…新型爆弾が投下され、壊滅状態にある地上と隔離されたシェルターの中に逃げ込んだ少年達。ところが、一人、また一人と友人達が自殺とも他殺とも取れる死体となって発見され…,

    ◎仮題・鵺の密室(綾辻行人)…京大ミステリ研の面々が集った夜、かつて彼らが頭を悩ませた「ような気がする」幻の犯人当てのことが話題に上る。果たして、そんな犯人当ては本当に存在したのか?そして、存在したとしたら彼らは何故その内容やトリックを思い出せないのか?ら

著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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