昭和元禄落語心中(5) (KCx)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063806700

感想・レビュー・書評

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  • 八雲師匠のシニアの色香…

  • 「落語は人間の業の肯定」といったのは、立川談志でしたかねぇ。

    最新の5巻では、劇中の落語家、八代目有楽亭八雲の昔話が終わり、再び現代の与太郎の話に。

    一人の女性に絡めとられた菊比古(八代目有楽亭八雲の昔の高座名)と助六、東海テレビの昼ドラのような温泉宿での結末もそうだし、助六の娘小夏が一人で出産というくだりもそう。この話自体が、業に次ぐ業。すなわち、落語的な仕上がり。

    そうして、情にひっぱられているうちに、八雲の江戸前のしゃべり方にとどめを刺され、落語を見にいきたくて仕方がなくなるという。

    落語心中のタイトルの意味は、この巻でわかった気がしますわぁ。

    そうそう、業の深い先輩が私にはおりまして。
    その話も、振り返れば一つひとつが落語のよう。
    まさに、「もののあはれ」でございます……。

  • 八雲と助六編完結…やっと与太郎編に。
    10年もたってるとはビックリ、これからが本番?
    次の巻楽しみです!

  • 八雲と助六編が終了、舞台は再び与太郎編へ。

    八雲助六編、ずいぶん長いなあと思っていたけれど、最後の最後で思いもかけない結末が待っていて…苦しくなった。

    与太郎編は待ってました!という気分に。八雲助六編が長かった分、明るい気持ちで読める与太郎パートは本当に救い。与太は師匠と小夏の光になれるのかな…もうなってる気もするけど。

  • 八雲と助六編、完結。 落語を愛してやまない二人の明るい未来を魅せてくれたその一寸先に、なんて結末を用意していなさるのか雲田さん(泣)

    この巻は、ページを捲っては泣き、読み進んでは止まり、涙を流しては過去に想いを馳せる…。 そんな展開だった。
    でも全てが哀しみのためではない。 切なさと苦しさと愛しさと、与太郎編に戻ってからは嬉しさと誇らしさと、やっぱり愛しさと。
    人は歳をとる。 その自然の摂理は、ある年齢までは成長と、それ以降は老いと呼ばれる。 老いた八雲師匠は更に美しく、それは「落語と心中する」と心に決めた強さがにじみ出ているようで。 真打ちに昇進した与太郎は、生来のおおらかさと素直さにしなやかな柔らかい強さが備わって。 あぁ、いい男に、いい噺家になったんだなぁ…とシミジミさせられてしまった。

    「落語のために落語をやっている」と言い切った与太郎。 助六を襲名し真打ちになり、寂しくなってしまった落語界を明るい目で見つめ、彼は新しい時代を生きていこうとしている。 どうかどうか、大変でも幸せな姿を見せてほしい。 師匠と小夏の「助六」を変えるためにも。
    私に落語の世界を身近だと教えてくれた、巻をおうごとに愛しさが増す大切な作品。 次巻も待ち遠しい。

  • 八雲と助六とみよ吉のお話も終わり、それが現代の与太郎と小夏に引き継がれていく……。でもきっと大丈夫な気がする。ふたりとも強いから。これからの大きな転換を感じさせる良い巻でした。

  • 待ちに待った新刊! 八雲と助六編が完結し、与太郎にようやく話が戻ってくる。あれから10年経っていて、現代はめまぐるしく変わっている。落語は以前の巻より明らかに廃れてる感があるけれど、地元から愛され続けている。このまま落語と心中するのか、それとも光を見出すのか――次巻ではようやく本題が動き出しそう。

  • 表情豊かで伝わる物があります

    福笑の落語聞きたいなぁ(゚ω ゚ )

  • お見事!

  • 待ちきれなくて電車の中で読み始めたら泣きそうになって焦った。この作品の中では落語家が本当に生きて演じている。あえて、このストーリーの鍵となる助六と妻の死亡事故には触れまい。菊さんの『明烏』、助六さんの『芝浜』、本当に寄席で見聞きしているようだ。伝統を次の世代に継ぐことの難しさ、庶民の生活に根付く大衆芸はどうやって生き残れるのかという課題、血がつながった家族のややこしさと血のつながってない疑似家族のあったかさ。八雲師匠は先代文楽のスタイリッシュさと先代圓生のレパートリーの広さを足して、雲田せんせい的な「美おっさん」に仕上げた感じでしたが、「美じじい」も見られて眼福です。

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著者プロフィール

漫画家。2008年、短編『窓辺の君』でデビュー。2010年より初の長期連載『昭和元禄落語心中』を「ITAN」(講談社)にて執筆開始。2014年第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第38回講談社漫画賞・一般部門を受賞。2017年手塚治虫文化賞の新生賞を受賞。同作完結後は三浦しをん原作の『舟を編む』をコミカライズ連載中。そのほかBL作品を多数発表。

「2017年 『落語の入り口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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