時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」 (ブルーバックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065184639

感想・レビュー・書評

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  • そんなこと、今まで考えたこともなかったですが…物理学で解けるのですか!?

    ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB2951655X

  • 物理学のみならず脳科学にも触れ、時間が流れるとはどう
    いうことかを解き明かそうという意欲的な著作。数式を
    使わず例えによって直感的に理解できるように書かれている
    ので理解するのはさほど難しくはなかったのだが、その内容
    について納得するかどうかは別問題だと思う。特に脳科学に
    話が及ぶ段になると、その短さで済ませていいのだろうか
    という気になってしまった。

    ビッグバンの瞬間が最もエントロピーが低い秩序立った状態
    だったという点と、人間の情報処理能力は圧倒的にスロー
    だという点が印象に残る。

  • すごく難しいことをなるべく簡単に説明しようとしてくれているけど、やはり難しい。
    若干持論ぽいところがあるのだが、定説としてとらえてよいのだろうか。

  • そもそも、時間とはどういうもので、なぜ一方向に流れているのだろうか?本書は、物理学において時間の概念がどのように取り扱われ、また、それが意識の構造とも関連していることを論じている。相対論・量子論に興味がある人にもお勧め。

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000931339

  • 耳学ではついて行けなかった。とても難解。ただ、量子論や相対論など、私の時代の高校物理では触れられもしなかったテーマに興味を持てたので、また後日、今度は紙の本で読んでみたい。

    以下は、読書メモ。

    ニュートンは「宇宙全域に一様に時が流れる」と考えていたが、
    アインシュタインは「場所が変われば、時間の進み方も変わる」と考えた。
    私たちは、「未来は想像、過去は記憶、現在のみがリアル」と考えがちだが、物理学的にはその根拠はない。時間も空間と同じものであり、「ここ」が「あそこ」や「そこ」と同様に存在するのと同じく、「今」と等価に「今」以外が存在する。

    時間は場所によって異なるので、物体が運動しているか、静止しているか、は、実は実験ではわからない。

    ウラシマ効果(観測者によって時間の流れが異なる)の説明。

    時間に向きがあるのは、実は『ビッグバンが極めて整然とした状態であり、そこからエントロピー増大の法則に従って、完璧な状態が崩れていくという不可逆的な反応が起きている』から。ビッグバン以降に星が生まれる(乱雑からまとまりへ)のも、ヒートポンプにおける熱の原理と同じやり方で説明できる。

    未来は、初期条件で決定されているのではなく、ある確率で生起する不確定性原理によるもの。タイムパラドクスは、生じ得ない。

    時間が流れるように感じるのは、人間の錯覚。脳は必ずしも時間軸にそって物事を認識背背宇、理解しやすいように処理している。物理的現象の生起するタイムスケール(ミリ秒以下)を認識できない(神経伝達は、イオン反応などの「ゆっくりした」物理現象によるものだから)から。

  • ニュートン力学では時間も空間も研究対象ではなく(と言い切ると語弊があるか)、天与の目盛りとして背景にある。
    ローレンツ対称性がマクスウェル方程式に見出されて相対論から時空の相対性が確立されると、時間も空間も観測系の運動状態に応じて相対的なものとなり、本書のテーマで言えば時間など物理的には存在しないこととなった。
    時間が流れるように感じられるのは人間の知覚と脳内情報整理の結果でしかない。
    というようなことを飄々と解説しているわけだが、類書よりも面白かった。学者としての防御姿勢を過剰には取らずに言い切る書き方のためだと思うが、これが本書の真骨頂。
    また、ニュートン力学では過去も未来も計算できるが、量子論で粒子が揺らぐ結果として決定論的には計算できないとの指摘もあり、言われてみればなるほどその通りだが改めて蒙を啓いて頂いた。
    類書にない踏み込みのある名著だと思う。

  • 物理学的には時間の流れは存在しない。
    前著の「宇宙に終わりはあるのか」がとても面白かったので読んでみたが、こちらも刺激的で好奇心をくすぐる一冊でした。
    第Ⅰ部の相対論、ウラシマ効果などはある程度理解できたが、第Ⅱ部初めの「時間はなぜ向きを持つのか」については難しかった。秩序あるビッグバンとエントロピー増大の法則を元に説明されているがなんとなく腑に落ちず。
    最終章も脳は無意識の行動を後から整理しているに過ぎないという話は聞いたことがあったが、構造的な処理速度の問題から時間が流れているように感じられているというのは興味深い。感じられない過去未来も現に存在していることを意識して生きてみるのも面白いかも。

  • 時間は過去から未來へ流れない。
    時間と空間の関係。
    脳が人間の記憶を捏造している。
    親殺しのタイムパラドックス

    時間という目に見えない世界。ひとの⏱️の感覚が秒に対して時間は無限に広がる。正直、本の内容を最後まで理解しきれなかったですが、宇宙から見たら、ひとの悩みや些事なんてないようなものだと実感。アインシュタインの相対性理論は何も分かりませんが、物理の原則を越えた時間の流れの尻尾を人類はいつかつかめるのかな。

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著者プロフィール

1956年三重県生まれ。大阪大学理学部物理学科卒業、同大学院博士課程修了。理学博士。専攻は、素粒子論(量子色力学)。東海大学と明海大学での勤務を経て、現在、サイエンスライター。 著書に、『時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」』(講談社ブルーバックス、2020)、『量子論はなぜわかりにくいのか 「粒子と波動の二重性」の謎を解く』(技術評論社、2017)他。

「2020年 『談 no.117』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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