黒い結婚 白い結婚 (講談社文庫)

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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065200360

作品紹介・あらすじ

結婚――それは人生の墓場か、パラダイスか? 古今東西の解けない謎ともいえる「結婚」に、人気作家7名が迫ります。ダークサイドから見た〈黒い結婚〉と、ハッピーサイドから見た〈白い結婚〉。白黒両面から見た結婚の裏と表、たっぷりお届けします。

黒い結婚
窪美澄 「水際の金魚」
深沢潮 「かっぱーん」
木原音瀬 「愛の結晶」
中島京子 「家猫」

白い結婚
森美樹 「ダーリンは女装家」
瀧羽麻子 「シュークリーム」
成田名璃子 「いつか、二人で。」

感想・レビュー・書評

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  • 墓場か楽園か。楽園か、墓場か。
    をテーマに7人の女流作家アンソロジー。
    個人的、図書館にある木原音瀬ぜんぶ読みますキャンペーンの一冊。
    上質な短編集でした。

    黒い結婚
    ⚫︎水際の金魚 窪美澄
      適齢期を過ぎつつある女性。自分が上位と思     
     っていたのに好きな男と結婚した男に裏切られ 
     ていた。
    ⚫︎かっぱーん 深沢 潮
      韓日結婚詐欺。騙されたことに気がつかない   
     女。なんだかんだで結婚にポジティブ。
    ⚫︎愛の結晶 木原音瀬
      パートナー平等出産推進法。妊娠出産で揺れ    
     る男たち。
    ⚫︎家猫 中島 京子
      昭和風実家化猫VSマンション居候猫。女は、
     家に蔓延る。

    白い結婚
    ⚪︎いつか、二人で。 成田名璃子
      妻の魂を迎えに来る夫。
    ⚪︎ダーリンは女装家 森 美樹
      女装家となった元推しのバンドマンとの再会。
     信頼できる女装家。
    ⚪︎シュークリーム 瀧羽 麻子
      シュークリームのクリームだけ食べる男との
     結婚。仕事はできるし、人付き合いも良い。許  
     せそうだね。

    黒い白いとお題をもらってからの創作だと思うけど、真っ白にも真っ黒にもなりきらず。灰色くらいが結婚なのかな。

    • みんみんさん
      微かに灰色…ちょっと銀より…
      くらいでラストまで生きたいわね(´ー`*) フッ
      微かに灰色…ちょっと銀より…
      くらいでラストまで生きたいわね(´ー`*) フッ
      2023/08/24
    • おびのりさん
      そうそう。銀色。鈍色じゃないのよ。
      それにしても、離婚は多い。
      そうそう。銀色。鈍色じゃないのよ。
      それにしても、離婚は多い。
      2023/08/25
    • みんみんさん
      うちの姉は離婚してます笑
      あの人は結婚しちゃダメな人です(。>ω<)ノ
      うちの姉は離婚してます笑
      あの人は結婚しちゃダメな人です(。>ω<)ノ
      2023/08/25
  • 結婚生活は甘いのか、辛いのか。

    私は黒の話の方が好きだったな。
    窪美澄さんの『水際の金魚』が特に。
    『かっぱーん』も、実際にありそうだなと。
    『愛の結晶』は少し不気味に思えたけど、面白い。
    一人目を妻が出産したら二人目は夫の番!
    いいじゃない!
    男性は妊娠出産育児を自分のこととして体験したほうがいい!つわりはものすごく辛いんだ!体調不良で仕事を休むのも、まわりに配慮しながらやってるんだー!

    白の方の『シュークリーム』は、白でいいのか?!
    私は黒じゃないかと思ってしまったよ。

  • 結婚にまつわるアンソロジーですが、黒と白でわけたのは面白いです。
    黒の方が他人事と割り切って楽しむには良いかもしれません。
    まあ、結婚がゴールではないので白でも黒でもお好きな話を楽しめば良いのではと思います。
    木原さんの「愛の結晶」はぜひ読むことをお勧めします。これが黒なのかは私にはわからないです。

  • 若い頃は恋愛の先のゴールが結婚で
    とても幸せなことだと思っていた

    時間をかけながら夫婦や家族の形が変わっていく
    夫婦の数だけ形もあって
    結婚の意味がある
    それはまさにこの短編集の最後の
    「いつか、二人で。」の一節にあったように
    夫婦の最後にならないと結婚の意味は分からない

    この本は黒い結婚と白い結婚に分かれている
    黒はダークで少し現実離れをした設定
    白は現実的な設定
    バラエティーの富んでいてどの話も面白かった
    窪美澄さん
    滝羽麻子さん
    中島京子さん
    の作品は読んだことがあるけれど
    殆どの作家さんの作品を初めて読んだ

  • 結婚をテーマにした短編。黒と白、結婚のダークな部分と前向きになれる部分と。。。ターゲットは若い人かなと思いながら読み進めたけれど最後の『いつか、二人で。』を読んでほっとした。生涯未婚という人が珍しくなくなっている中で結婚の意味をみいだしたい人が読むとよりひびくだろうな。

  • 可愛らしいジャケットデザインに惹かれて読みました。

    黒い結婚と白い結婚、
    それぞれ上下逆になっていて
    どちらからでも読めるのが斬新で面白い。

    『結婚』をテーマに
    様々なテイストの作品を読むことができる。

    特に印象に残っているのは
    白い結婚『いつか、二人で。』。
    ちょっと世にも奇妙な物語っぽさがありつつ
    あたたかい気持ちになる作品。

    これで終わり〜!?と思わず
    突っ込みたくなる作品もあり
    登場人物のこれからを
    勝手にイメージせずにはいられなくなる。 

  • 黒い結婚編と白い結婚編が上下逆になっており 前後どちらからでも読める様になっています。

    私は白い結婚編から読み始めましたがお気に入りは瀧羽麻子さんの「シュークリーム」

    黒い結婚編では窪美澄さんの「水際の金魚」

    7編の中にはシンミリ来る物、ぶっとんだ物、リアリティー溢れる物、イヤミス要素のある物と様々で、結婚と言う共通したテーマの中にも色々な形が存在し、そのふり幅も広く飽きずに読む事が出来ました。

    結婚は墓場なのか、はたまた楽園なのか、自分自身を顧みながら興味深く読めた1冊です。

  • 最悪な結婚について書かれた短編が4つと、最高な結婚について書かれた短編3つ。
    黒い結婚の方は、「かっぱーん」と「愛の結晶」はイマイチ。あとは黒も白もとても良かった。黒い結婚の「水際の金魚」と「家猫」は、わかりやすく結婚に向かない人を描いている。自分が一番可愛い、みたいな。
    白い結婚の方は、「シュークリーム」は婚約者の彼に不信感を抱き始めるけど、大どんでん返しで安心する素敵な話。こういう人いるよね、と思った。周りからは「要領のいい奴」とちょと誤解されるんだけど、実は見えないところでけっこう努力している。けな気というか。「あいつは要領がいい、ずるい」などと妬む人は、そういうことに想像が及ばず、自分では何の努力もしない人だ。
    「ダーリンは女装家」は、15歳の頃の純粋な初恋もうまく描かれているし、40歳の大人の愛も素敵だ。女装が趣味の彼を愛し、理解し、お互いに理解しあい、ボーダーを超えて行く。
    「いつか、二人で。」も、愛しあい、支えあって生きた老夫婦の物語で涙が出ます。
    結婚って、いいよね、と黒から読んで白で終わったから思えた。逆に読んだらそうは思わなかったのかも!?

  • 結婚にまつわるアンソロジー。
    黒い方が私は好みだな(笑)

    でも、最後の話はちょっとグッと来た。

  • 様々な作家による「結婚」についてのお話。
    白い結婚側は素敵な結婚で、黒い結婚は不幸な結婚だった。
    特に黒い結婚の方で、似た話があってゾッとした。入り口は気づかないところにあるもんだ。
    白い結婚の方の初恋のバンドマンの話はこんなカップルもありだよなと思わせてくれる、幸せなお話だった、

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著者プロフィール

1964 年東京都杉並生まれ。小説家、エッセイスト。出版社勤務、フリーライターを経て、2003 年『FUTON』でデビュー。2010 年『小さいおうち』で第143 回直木三十五賞受賞。同作品は山田洋次監督により映画化。『かたづの!』で第3 回河合隼雄物語賞・第4 回歴史時代作家クラブ作品賞・第28 回柴田錬三郎賞を、『長いお別れ』で第10 回中央公論文芸賞・第5 回日本医療小説大賞を、『夢見る帝国図書館』で第30 回紫式部文学賞を受賞。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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