研修医純情物語―先生と呼ばないで

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  • 主婦の友社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784072337387

感想・レビュー・書評

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  • 医療従事者なら一回は悩むことが書いてあった

  • 大学卒業後、サラリーマンを経て30歳で医学部受験を決意。京大医学部に合格後、37歳で大学病院で研修医を始めた大淵圭一さんの目から見た病院、医師たち、病気、医学とは…のエッセイです。



    医師の常識は社会の非常識・・とまでは言わないけど、ある組織の中にいるとその世界の中のことが当たり前、になってしまうのはよくわかります。
    だから、一回社会人を経験した筆者が、大学病院のあれこれを、なんかおかしいぞ、と私たち一般人に教えてくれるこのエッセイは、そんなことってあるの??うん、あるかもね・・でもなぁ・・なんて感じに読ませられました。

    研修医は大学病院で何を研修するのか。
    大学で学んだ医療を実地でよりきめ細やかに身につけて行き、病気を治せる技術を磨く、のが一番でしょうけど、並行して、赤ひげ先生になれとは言わないけど、常識的な範囲での患者さんへの親身な対応も学んでほしいな、とは誰しも思うことじゃないかな。

    大淵さんの語る大学病院は、

    教授回診のためにいかに研修医が必要以上の労力を使うか、
    ムンテラ(医師が患者に病状を説明すること)の際、インフォームドコンセントに熱心な医師が、これからどんなに辛い検査や治療が待っているか、回復がいかに望めないか、を滔々と述べ、その本当の目的は訴訟問題を避けるため、
    研修医たちの勉強会のために患者の話を聞く時間がない、
    既往症を抱える患者の薬を整理して減らすことは医師にとって面倒な仕事であり、また、決断力がいるためにどんどん増えていってしまうこと、

    など、どうにかしてくれませんかね・・・と言いたくなる問題をたくさん持っていて、でも、これはどこの病院でも多かれ少なかれそうなんだろうな、と悲しくなってしまう。

    また、当直について。
    普通に一日仕事をした後に、一晩勤務をし、そのまま次の日も仕事をする、という常識。
    これって、ホント、なんとかならないのかなぁ。
    医師も気の毒だし、そんな疲れた医師に診てもらわなければいけない患者も迷惑だと思うんだけど。

    この本は、平成14年に出版され、当時のベストセラーになったそうです。
    今、それからかなりの年数は経っていますけど、たぶん、実態は変わってないんでしょうね。

    ただ・・・・
    この大淵圭一さんという人、たぶん、とても頭が切れて、もちろんお勉強も優秀でのお医者さんだと思うのだけど、組織の中で自分を活かすということはあまり得意ではないような気がしました。とてもいいことを考えているのに、同僚としてだったらどうかなぁ・・、かなりやりにくい人なんじゃないかなぁ、なんて、これは余計なことだし、失礼かもしれないんだけど。

  • 37歳で研修医になった著者の体験から書かれた小説。

    医療の現場を著者の経験も交えて書かれていて、読んでてすごくおもしろい。

    何年も前に読んだ本ですが、思い出に残ってる一冊です。
    たしかベストセラーになった本だと思います。

  • 研修医の目線からは、こんな眺めなんだなぁ~と思いました。ただし「社会人経験有り」の研修医なので、一般的な見方ではないでしょうが。
    私も、ちょうど1年くらい前から、近い距離でお医者さん・看護師さん・患者さんたちと関わるようになったのですが、お医者さんにはもっと患者さんとおしゃべりをしてもらいたいと感じていたので、この先生の考えに共感できます。
    そして、製薬会社のお弁当にすら手を付けないなんて……!!
    医者の鑑です。

    研修医1年目なので仕方ないでしょうが、もっと看護師さん以外のコメディカルにも目を向けてもらいたかったです。

    続編もあるようなので、続けて読んでみようと思いました。

  • 図書館で見かけて、タイトルに惹かれて借りる。
    研修医からみた病院での生活なので、業界の裏側を知るような感じでわくわく。たしかに、大変そうな仕事だなとは思っていたけれど、こんなに休む間もなく働いているのね。
    患者を診る医師のほうが病気になりそう。
    心身ともに健康な医師に余裕を持って診察してもらいたいものだ。

  •  脱サラして大学病院の研修医になった著者が、四苦八苦しながら患者に接し、やがて信頼を勝ち取っていくノンフィクション。

     非常にピュアというか、子供っぽいところのある著者の目からみると、あまりにも患者をないがしろにする医師たちは許せない存在であり、もどかしくも赤裸々に、大学病院の内情を暴露しながら、一人で抵抗する様はちょっと新鮮だった。

     お涙頂戴を狙った医療フィクションが多い中で、研修1年目の素人の目とはいえ、その場にいた人にしか語れない話は作り物とは思えず、結構リアル感があった。実際に病院では、テレビのように大きなドラマが起こる訳でもなく、こうして多忙な日々をこなしているのだろうなと。

     著者は、同じ仕事が長続きしない性格のようなので、今後が心配。

  • <内容>パチプロ、サラリーマンを経て37歳で研修医になった「僕」が大学病院で目の当たりにしたものは…。過酷な研修の日々に疲れ、怒り、嘆きながらも、患者に励まされ、「なんとかなるさ」と明るく明日へ向かう、遅れてきた研修医の病棟青春記。

  • 研修医って大変です。
    なかなか面白い経歴の面白いお医者の病院に関する記録書。
    かなり個性的な方なのか、感情が豊かなので読み物としても面白いです。

  • 前にちょろっと売れた、ベテラン研修医のエッセイ

    ・あらすじ
    パチプロ、サラリーマンを経て37で研修医になった筆者。
    大学病院の様々な古い慣習に耐えながら、患者と触れ合う医療を目指し、睡眠時間を削る。

    あんまり読む本もないし、前に流行ったなぁということで読んでみました。大学病院の古い慣習とか、主人公の経歴などが描かれてます。
    異色の経歴を持つ彼が、患者のことを第一に考えて、頑張っていますっていうのは分かるんだけど、それがなんか…な感じがしてしまった。ちょっと斜に構えて読んでしまったのかなぁ。

  •  作者の体験に基づく大学病院のウラ話。
      かなり独りよがりの感は否めないけど医療を考えるには良し。

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