下鴨アンティーク 神無月のマイ・フェア・レディ (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800914

感想・レビュー・書評

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  • 人間関係が動き始めた感じかな?鹿乃と慧。慧と父親。鹿乃と春野。続きが気になる。そして何だかんだと鹿乃に甘い良鷹が好き(笑)曾祖父と曾祖母のお話も良かった。

  • シリーズ第4弾。
    女性が強くて芯があり、男性がおおらかに受け止める、という組み合わせは、血筋?
    祖父母だけでなく、曾祖父母と両親の恋もほほえましく、ほっこり。
    野々宮一族や、慧の関係者など、今回はほとんどが身内にまつわる話。
    それぞれの過去や、なれそめなど、バックボーンが描かれることで、より世界が深くなった。
    慧と鹿乃の関係も、やっとほんの一歩進んだ感じ。
    どんどんざらつく存在になっていく春野が、さらなる波乱を巻き起こしてくれるのか、楽しみ。

  • シリーズ4
    桔梗柄の着物のはなし
    春野に鹿乃の好きな人は誰ですか?と聞かれる慧

    雷の帯のはなし
    鹿乃の母と父の馴れ初めのはなし

    菊の着物のはなし
    慧の父と母のはなし
    最後に春野が鹿乃に告白キュンキュンする

    兎柄のクシ
    芙二子の母汐子と父信篤の出会いのはなし
    この話もキュンキュンした

  • 2016年7月集英社オレンジ文庫刊。シリーズ4作目。4つの連作短編。最終話「兎のおつかい」が、鹿乃の祖父と祖母の婚約時の明治か大正のお話で、とても良くできていて楽しめました。兎紋様の付いた櫛にまつわる謎解きで、人々のかかわりを明らかにする様は見事です。

  • 今回の巻は、鹿乃の両親や曾祖父母の若い頃のお話が入っていて、野々宮家のルーツのようなものを知れたようだった。
    また慧の両親の話もあって、心苦しい場面もあったが、鹿乃は知れてよかったんではないかと思った。
    これを読んでいると京都に行きたくなる。
    この本を片手に、街歩きをしてみたい。

  • 両親、系の核心に触れる

  • 過去を解き放ち、今に繋いで。

    両親の過去、慧の父親など、核心に迫ってくる。この何ともいえない鹿乃と慧のやり取りが実にコバルトの系統だなと。あと、今更ですがこのシリーズは着物とその小物もおしゃれだけど、食べものも美味しそう。

    「星の花をあなたに」鹿乃が謎を解こうとする横で、慧と春野の攻防。叶わなかった想いも、知らなかった方が幸せだったと言わないで。

    「稲妻と金平糖」母・千鶴と父・慶介の話を、喫茶店のマスター・満寿から聴く鹿乃。記憶にない両親のこと、記憶のある良鷹への遠慮。覚えていなくても、覚えていることもある。千鶴と慶介のデコボコ感もかわいい。

    「神無月のマイ・フェア・レディ」文化祭の様子もそこそこに、今回の謎は慧の父親に関わることらしく。祇王の話とピグマリオンの話。田村先生と慧の事情。自覚する鹿乃の戸惑いと不安。そこに春野がとうとう宣言。春野はずるいなあ(褒めている)

    「兎のおつかい」芙二子の母、つまり鹿乃の曽祖母にあたる汐子と、曾祖父の信篤のエピソード。独立したお話かな。

  • 鹿乃の父母や曾祖母の恋の話が、短いながらも可愛らしくて良かったです。

  • 京都は下鴨にある屋敷で、祖母が遺した「いわくつき」の着物の謎を解き明かしながら高校生活を楽しんでいる鹿乃の物語、4作目にあたる。
    鹿乃の今は亡き両親や、曾祖父母のなれそめめいた物語も収録されていて、ちょっとしたスピンオフのような印象の短編が目についた。
    本編の現代の話では、居候の慧の過去が明らかになり、鹿乃と慧の関係も少しずつ変わっていくような示唆がある。
    読んでいて、うーん、少女小説、と照れくさくなってしまった。

  • アンティーク着物にまつわる謎を解く・・・ちゅうでも、四冊目になったらええ加減ネタも尽きてきはるんちゃうん・・・。
    とか、余計なことを思ってすいません!

    (ほんまにな)

    今回も、めっちゃ面白かった・・・。
    このシリーズも「いつか買いたい本」リストに入れたい。

    鹿乃と慧ちゃんにもちょっとだけ進展があったり(まさかここにこっち方面の進展があるとは・・・)、慧ちゃんと田村先生の関係がちょっとだけ終着を見せたりと、こちらも大変面白かった。
    特に田村先生と慧ちゃんに関しては、もっとおどろおどろしい展開が待ってるのかと(前作を読んだときに)ヒヤッとしたけど、私が心配していたようなことはなさそうなのでよかった。

    (野々宮家を裏切る、とか、そういう方面でのおどろおどろしさ・・・)

    鹿乃もあと半年で高校を卒業するのか・・・。こういう世界観は、女学生(女子高生にあらず)ならではなんやろうなあ。
    卒業しちゃったらシリーズ終了かなあ、と、思ってたけど、今回の慶介、信篤の話がめちゃくちゃよかってん・・・!


    小説を読むときは基本シンクロして楽しみたい私としては、正直、鹿乃とその周囲に関してはまったくシンクロできる要素がない。
    ないよ。ないやろそりゃあ。
    でも、ぶっちゃけ憧れるところはなくもない・・・(笑)。

    イヤー、十代ならともかく、四十も超えてこの世界観を「憧れる」とかって、もう恥ずかしいですやんね!?
    夢見すぎですやんね(笑)! わかってる!! わかってるけども!!

    でも、慶介や信篤の世界を
    「素敵やなあ・・・」
    と、思ってみるのは、許される気がする・・・。

    何やの、舞台が平成やったらコッ恥ずかしいのに、大正やらギリギリ昭和中期なら「ロマン」で許されるのか! なんだそれは(笑)!!

    それにしても、野々宮さんちって、陰陽道を家職にしてはる家系やっけ・・・。
    下鴨で陰陽道を家職にしてる家系のお孫さんの話、あったよね、ほかにも・・・(笑)。@我が家は祇園の拝み屋さん

    どちらも面白くて好きです。

    ちょうど、伏見へ行った翌週に読んだから
    「ああー、あのへんなのね!!」
    と、珍しく雰囲気を想像しながら読んだよ。

    そもそも、真如堂もめっちゃ目に浮かぶ。
    鹿乃と良鷹、慧ちゃんが座って話したお堂の階段も
    「ああ、あそこか・・・」
    と、ちょっとニヤニヤしちゃう。

    あとは、文字で書かれている着物がどんな感じなのかが想像できればいうことないんやけど、こちらは知識もないので、無理だ(笑)。
    さぞきれいな着物なんやろうなあ、と、ざっくりとしたイメージで読んでおります。
    でも、このシリーズを読んで着物の想像ができひんって面白さが半減してへんかな。大丈夫かな。(;^ω^)

    だって、枯れた菊の柄ってどんなんよ? 最初に鹿乃が蔵から出したとおり、咲き誇ってる菊柄のほうがよほど想像しやすいわ・・・。
    わびさびはほんま難しい。それをわびさびに入れていいんかどうかもわからんけど・・・。


    かけちがえた釦ってこの世にはたくさんあって、うまくいかない相手のほとんどが、かけちがえてしまったことが原因ちゃうかなと思っている。
    (おめでたいか)

    生理的に受け付けないとか、決定的に無理とか、そういう相手はなかなか存在しないと思うのよね。
    どこかで釦をかけちがえた結果、二度と修復できないようになってしまっている関係なら、ごまんといる。

    そうはなりたくないから、口に出しておこうと思いました、と、いう汐子さんすてき。
    と、いうか、著者って、芯のしっかりした、けれど押しが強いばっかりでない女性を書くよなあ。
    女性が憧れるような女性像じゃないかしら。それとも、私が憧れてるだけか。笑

    作中でも語られていた、「どう振る舞うかではなく、どう扱われるか」で、その人となりが決まるそうだ。
    あー、そうなのかも。
    そうかもしれん。そういうことを聞くと私は自分と子どもたちの関係性をすぐに想像するのだけど、子どもたちを大事に、大切に扱えば、自然と子どもたちを彼らをとりまく誰かをそのように扱えるのではないかな。

    そうなってほしいな。
    ますます、普段からの自分の行い、言動に気を配らなきゃな・・・。

    作中ではもちろん、男性が女性をどう扱うか、ちゅうところから語られた話です。
    女性をレディのように扱える男性というのは、私は生まれてこの方ほぼ見たことがないので(笑)、まったく想像できひん。

    そしてこういう世界観に憧れるというのは、紳士な男性に巡り合いたいという憧れなのかしらね・・・。
    そりゃあ、確かに、四十もすぎてそんなことを考えてたら痛いかもしれへんな・・・(笑)。

    いやいや、私が憧れるのは、紳士が存在しているという世界観で御座いますよ・・・(笑)。
    紳士という存在がすでに二次元。笑


    今、ブックカバーをとって裏表紙を見たら、「それぞれの過去が明かされるシリーズ第四弾」と、あった。
    なるほどー、確かに、そうやったな(読了後に納得)。

    相変わらず表紙も装丁もほんまにすてき。
    絵も文章もたっぷり楽しめました。


    ■■■■


    ■人品

    人としての品格。特に、身なり・顔だち・態度などを通して感じられる、その人の品位。


    ■虫籠窓 (むしこまど)

    虫籠窓というのは主に漆喰の塗屋造りと呼ばれる町家建築の二階部分に、縦に格子状に開口部を設けた固定窓のことを指す。


    ■あみだにかぶる

    麦藁帽のような全方向につばのある帽子を、後下がりの格好でかぶること。阿弥陀の後光に喩えた表現。阿弥陀被りにする。


    ■売立

    (2017.03.28)

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著者プロフィール

三重県出身。同志社大学文学部卒。雑誌「Cobalt」短編新人賞に入選の後、2012年度ロマン大賞受賞。主な著書に『下鴨アンティーク』『契約結婚始めました』「後宮の烏」シリーズ(集英社オレンジ文庫)『三日月邸花図鑑』『九重家献立暦』(講談社タイガ)などがある。

「2023年 『海神の娘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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