- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087200843
作品紹介・あらすじ
現代人の生活は様々なリスクと隣り合わせだ。環境汚染、事故、病気や災害はもちろん、ごく日常的な行動にも、常に何らかのリスクはついてまわる。社会が複雑化する今日、リスクの態様も複雑化し、それに対応する必要性も増してきている。しかし、その一方で、現実には身の回りのリスクに関して、驚くほど無意識に行動していたり、誤った判断をしている人が多い。本当はリスクというレンズを通して見ると、常にリスク判断にさらされている自分に気づき、自らの日常が変わって見えてくるのだ。本書は、リスクに関する基礎的な知識やその歴史からスタートとして、毎日の生活の中でリスク感覚を身につけていくことについて、わかりやすく論じていく。
感想・レビュー・書評
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身の回りのリスクの数値もそうだが、なぜ昔のリスクの考え方と今のリスクが違うのか?それを私たちはどう捉えるべきか?について大きく解説されており興味深かった。
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【ノート】
・「人はなぜ逃げおくれるのか」のカバーの「関連本」の中にあり興味を持ったが、ちょっと外したかなというのが正直な読後感。リスクに関する科学的アプローチなり実践的な手法を期待したんだが、本書ではリスクの概念を様々な事象に適用し、それらの現象にまつわる科学的知見について調べたことを開陳しているにとどまってる印象。
・リスクという概念がどのように発展してきたという歴史的な部分については少し面白く読めた。しかし、遺伝子から原発事故まで、様々な事象におけるリスク的観点からの解説については冗長な印象があり、自分にとっては退屈で頭に入ってこなかった。更に言えば、それらについてのまとめがあまりにも平凡かつ漠然としている。これなら「アダプト思考」の方が、簡潔にバランスよくまとめられていたと思った。 -
2001年発行
確率、情報、医学、個人差、DNA、有害物質、複雑系、リスク管理
正確なリスク情報を理解するための三大要素。
①絶対値と相対的比率との違い
②統計を自分の生活にあてはめる場合に期間を限定する必要性
③リスク情報の対象となる母集団が何か
第八章 どこで線を引くか
食事に含まれる有害物質、植物と化学物質など、程度によって毒にもなれば薬にもなるし、自然だから安全というわけではないという事が、極端なものだとトリカブト、アヘン、セロリなどが持つ防カビの物質は肌に触れれば水膨れや発心、かゆみの原因になるし、菊には市販の殺虫剤に使われる物質を持つ。食用のキノコも動物実験では発がん性が確認されていたりして、毒素を含む植物を排除していくと食べるものがなくなる。。。
検査技術が発達したものの、動物実験は人間とはやっぱり違うとか、集団ヒステリーの問題とか、いろいろな情報源で論じられていたりするものを紹介しているけど、これらのバランスを意識しながら生活するのは、結構大変なことだなと思う。
結局、外から得られる大量の情報について、どう判断してどういう行動をとるかは、あなた次第!ってことで、ここらへんと最近のビッグデータと統計的解析をベースにした人工知能によるサポートが役に立ちそうっていうのが今の時代なのかなと。 -
[ 内容 ]
現代人の生活は様々なリスクと隣り合わせだ。
環境汚染、事故、病気や災害はもちろん、ごく日常的な行動にも、常に何らかのリスクはついてまわる。
社会が複雑化する今日、リスクの態様も複雑化し、それに対応する必要性も増してきている。
しかし、その一方で、現実には身の回りのリスクに関して、驚くほど無意識に行動していたり、誤った判断をしている人が多い。
本当はリスクというレンズを通して見ると、常にリスク判断にさらされている自分に気づき、自らの日常が変わって見えてくるのだ。
本書は、リスクに関する基礎的な知識やその歴史からスタートとして、毎日の生活の中でリスク感覚を身につけていくことについて、わかりやすく論じていく。
[ 目次 ]
序章 白熊対処法
第1章 「リスク」の達人ではないからこそ
第2章 革命の幕を開けた変わり者の修道士
第3章ベッドの中さえ危ない世の中
第4章 リスク管理の全体主義的な一面
第5章 白熊を巡る愚行もしくは危険に対する無意識のルールがどう災いを引き起こすか
第6章 リスクは好き?嫌い?
第7章 細胞撲滅闘争
第8章 どこで線を引くか
第9章 「リスク・ゼロ」神話
第10章 リスク・マネージャーとしての新しい役割
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
情報で武装する。
誰もがリスク管理の達人になること。
判断ができるようになること。そうしないと荒涼とした未来しか待っていない。 -
東大教授おすすめ
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資料ID:92111557
請求記号: -
2011/8/9読了。
これからは、教養としてリスクセンスが必要不可欠になるだろう。そのための入門書としてぜひ。 -
リスクは取り除けばいいという考え方が今やそぐわないことが多いという考えは面白かった。あとリスクにまつわるいろんな分野の話を聞けたのはよかった。ただ本当に真新しい話しが聞けた感はそんなになかった気も。
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何か日々社会に対して抱くモヤモヤ(の一つ)を見事に説明されたような気がして、難しいけどすっきりとする本。
リスクヘッジの施策をすると却って責任を追及されるとか
リスクを計算しやすくなっているのにリスクを把握できないとか
いくつかの社会の病理を分析的に書いてある。
しかも怖いのは具体例が欧米のネタなのに
それに対応する日本の事例が思い当ってしまう内容の普遍性。
茂木氏の「ひらめき脳」と比較して読むと思うところも多いです。