「独裁者」との交渉術 (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087205251

感想・レビュー・書評

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  • 表題から受ける印象とはちょっと違い、
    国連裏話、PKO裏話といった感じでした。
    どちらの側にも偏らず、常に心を開いて相手の心を開かせる。
    なにも独裁者相手に限ったことではないですね。

  • [ 内容 ]
    冷戦後、世界の安全保障の枠組みが激変するただ中で、カンボジアPKOやボスニア紛争の調停をはじめ、国連が主導した一九九〇年代の平和活動を指揮した日本人がいた。
    もっとも困難な立場に立たされた交渉人―明石康は、シアヌーク、ミロシェヴィッチ、カラジッチといった現代史に名を残す政治家・ナショナリストたちと、どのように対話し続けてきたのか?
    バルカン半島の現場を熟知するジャーナリスト木村元彦が、一年間にわたって連続インタビューを敢行。
    誰よりも苛烈な現場を潜り抜けてきたミスター・アカシの交渉テクニックに迫る。

    [ 目次 ]
    反抗児
    初の日本人国連職員
    国連的アプローチ
    文民統制
    カンボシアPKO
    ボスニア
    人を見る目
    食事術
    スリランカ問題
    スリランカ和平調停の裏側
    職業としての交渉者

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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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    [ 参考となる書評 ]

  • ゼミで使用。

  • 何事についても、感じたことを率直に言うこと、ただし言い方には気をつけるべきでしょう。
    ニュートラル(中立)よりもインパーシャル(不変性)という表現が好きです。フェアに、客観的、公正に見ればどういう行動をとるべきか、ということが重要です。それは何を地点Aと地点Bの真ん中とは限らないわけです。
    我々は、同時に、犠牲者でもあり加害者でもある。

  • * 私は敵を想定しない
    紛争調停や平和維持のために行動しているからこそ、敵を想定しない交渉が生まれる。当事者同士は複雑な利害関係で動いており、譲れない点も多く一見欧米のメディアのように善悪二元論を持ち出す方がわかりやすいのだろうが、それでは力関係で物事が動いてしまう。平和を一時的にもたらすのではなく、長持ちさせるためには、当事者たちの納得が必要。信頼の構築には一般的に長い時間が必要だと思うが、それを一年半程度で成し遂げる明石さんはすごいと思う。

    * 明石さんがなぜ信頼を獲得できたのか
     * 相手を悪者として扱ったりせず、常に中立の立場にたって対話した
     * 時間があるときは個人的にあったり、食事をしたり、いろんなチャネルを使う
     * 時間がないときはなりふりかまわず必死に(声涙ともに下る)訴える
     * 利害関係の外にいる人間のそんな姿が当事者たちの心を売ったのではないだろうか

    しかし、明石さん自身がモチベーションをよく高いレベルに保ってこれたものだ。

  • ボスニア、カンボジアでの内戦調停の経験のインタビュー。タイトルのようなハウツー本ではないが、明石さんの信念が伝わってくる。

  • 交渉は芸術だ

  • 「いかにも日本人っぽいふにゃふにゃした暖簾に腕押しみたいな奴だなぁ。」

    明石さんをそんな風に思っていた時期が私にもありました。
    私は海外のメディアに叩かれまくる彼しか知りませんでした。
    しかし彼は、骨も筋もあるとんでもない調停者だったのです。

    他者の間に入って「調停」を行うのに
    変な先入観や正義感などがあってはいけない。
    彼は意志と知恵と成し遂げている。
    そして自分の行ってきたことを「常に最善だった」と胸を張っていえる。
    間違い無くかっこいい。
    生きた人間の姿がそこにあった。
    弱腰でもなんでもない。信念と責務を全うする男の姿だ。

    ただ、惜しむらくはこのタイトル。
    内容が全然「独裁者」との交渉とは関係ないのだ。
    明石さんは誰も「独裁者」として見ていないのだから。
    こればかりは編集者の勇み足、ちょっとやり過ぎだ。

    国連で要職を務めあげた男の生の言葉です。
    国際社会に関係がある人も無い人も、一度は読んでほしいもの。

    末尾の言葉
    「このごろ、日本を覆っている活力のなさと内向きの志向を私も心配している。突破口はあるはずなのに、生ぬるい心地よい悲観の中にひたっているように見える。もっとアジアと地球全体を見すえた積極的な思考が生まれてよいのにと思う。」
    まさしく、まさしくその通りだと思うのです。

  • 2010.02.14 朝日新聞に掲載されました。

  • 2010年2月5日購入

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