百歳の力 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087207439

作品紹介・あらすじ

100歳を過ぎた今も世界的に活動する美術家・篠田桃紅。長生きするにはどうすればいいか、いつまでも“現役"かつ“第一線"で活躍し続けるには何が必要か?など、示唆に富むアドバイスが満載!

感想・レビュー・書評

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  • NHK朝のニュースでも紹介のあった、篠田桃紅さんの著作。103歳でもなお現役の芸術家である篠田さん。女性は伴侶を得て家に入り家庭を守るというのが当たり前の時代にあり、人に依る生き方に疑問を抱き、自分本来の生き方を選んできた。

    書の世界で身を立て、戦前戦後の厳しい時代を生き抜いてきた。墨を用いた抽象画の世界に導かれ、単身ニューヨークまで個展を開催しに飛び込んでいる。

    その自由闊達さ、潔さを羨望するとともに、運命的な出会いも含め、永らえた生き方をとらえる視点は、肩に力が入らず柔らかくそして穏やか。

    「常識の世界に生きなかったから、長生きできた」
    「苦労なんかしてないわね、したいことしてるだけ」
    「人生というものをトシで決めたことはない」
    「人生の予想は立てられない、すべて成り行き任せ」

    篠田さんのコメントに多くの方が共感しているとニュースは告げていました。

    粋でおちゃめなおばあ様という感じですが、一筆の直線に秘める墨の濃淡、一度限りの形との出会い、向き合うまなざしは齢に無関係にキラキラと鋭い。

  • 新聞の広告欄を見て購入。本書を読むまで、正直この方のことは全く存じ上げなかったのだが、103歳にしてなお現役の芸術家として活躍されている姿には只々敬服する。
    文章はいたって読みやすく、語り掛ける口調で気負わない雰囲気が漂っている。しかしながら、芯の強さ、凛とした生き様はしっかりと伝わってくる。帯のお写真も素敵。

  • 大先輩からの大いなるメッセージ。
    この本を読むまでは、どちらかというとあまり長生きはしたくないなぁと思ってきた。
    けれど、百歳になったときに桃紅(とうこう)さんのような気持ちでいられるのなら、そんな人生も悪くないなと元気づけられました。
    わたしもどちらかというと常識からはずれた、本書でいう日本人のうちの2割のほうに含まれた人間で、社会の常識に沿っては生きづらいと感じてきました。桃紅さんのように、自らの魂を貫いて生きていくことも悪くないなと、勇気を与えてもらいました。
    最後の1/3の芸術に対しての考え方はまったく共感できる部分でもあり、いちばんの読みどころです。
    自由な道を選べる人生が与えられている現代ですから、みなさんが幸せで充実した一生をまっとうされるよう、一度は読んでいて損のないと思えるオススメの一冊です
    ⁽˙³˙⁾◟(๑•́ ₃ •̀๑)◞⁽˙³˙⁾

  • 恋してしまいそう。。。

    集英社のPR
    http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0743-c/

  • わたしのような美術好きには本気でオススメします❗
    美術の話が中心にあるのです、美術が好きじゃない方は読んでいてもツマラナイ、理解できない文章も多いと思います。

  • 展覧会がとても良かったので拝読。抽象についての語りがスッと胸に入ってきて心地よかった。そして兎角格好イイ。感性が鋭く時を越えて最先端すぎる(作品がカラーでないのが惜しい。是非生で観た方が良い。「長生きした人」の一面でおさめてしまわず)

  • 2021年3月、訃報を聞き、ずっと積読になっていた新書をひらいてみた。2014年、百歳を超えたところでまとめられた語りおろし。
    自分を客観的に分析しつつ徹底的に自分をだいじにできるのがかっこいいなと思う。口先では自由に憧れながらも、ほんとうにひとりで立って自らを養い自由を満喫する生き方はなかなかまねできない。アメリカにでかけたときに出会った人々や当時のニューヨークのギャラリーの思い出話が興味深い(別の著書で読んだ覚えもうっすらある)。

  • 朝ドラのヒロインみたい。
    https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12123533907.html

  • 篠田さんは103歳でこの自叙伝を書かれた。2016年現在は105歳になられるのか。大変な長寿である。彼女は墨を使った水墨画家で、本書の各章末に白黒の絵がコピーされている。カラーで見ると、墨をメインにアクセントで金が入っていたり、非常にセンスが良いことがわかる。筆をスッと引いた線が特徴的だ。時に四角を描き込まれていたりする。もし展覧会があれば、是非生で拝見したい。彼女の絵からは無限に想像が膨らむなにかが発せられているような気がする。抽象画はそれほど興味のないジャンルであったが、ただの食わず嫌いだったようだ。篠田さんは未婚である。お子さんもいない。43歳から2年の渡米経験をお持ちだ。本書では、両親からしつけられたこと、主に母について書かれている。どうも自由奔放に生きていることが、長生きの秘訣だそう。着物を粋に着こなす、とても素敵な女性である。

  • 墨の線による抽象美術家・百歳を超えた篠田桃紅さんの語り下ろし自伝。文学にも造詣の深い桃紅さん。まだ独り身の私からすると、ずっと独身を通しておられる彼女の言葉には勇気付けられた。「自由とは自分にのみ依っていること」という言葉が印象的だった。人は皆、オリジナルで個性的でユニークかつ孤独な存在。本書からはそんなメッセージを受け取った。「運命だからあんな性格なのではない、性格が運命をつくる」という話も感銘を受けた。一度しかない人生はどう転んでもなるようにしかならない。たとえわずかでも心のままに生きたい。

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著者プロフィール

美術家

「2021年 『朱泥抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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