旅屋おかえり (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452259

感想・レビュー・書評

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  • 原田マハさんの何とも優しい一冊。

    普段、旅行なんてほとんどしない私だけど、
    綺麗な景色を見て、美味しい名物を存分に味わう…
    そんな旅行に行きたい〜と思わせてくれました!

    帰りを待っててくれる人がいて、
    旅の思い出を聞かせたい人がいる。
    おかえりの幸せな旅屋人生、お裾分けを少しもらってほっこり温かくなりました。。

  • タレントとしてがけっぷちの主人公「おかえり」こと丘えりか。
    唯一のレギュラー番組のロケから話は始まるのだが、
    30代前半、この軽さ、
    想像してみると私はこの番組は見ないかな(笑)
    なので「おかえり」の魅力がわからず読み始めたのだが…

    自ら行くことができない旅を「おかえり」が代行し、
    直接伝えることのできないそれぞれの思いをつないでいく。
    なかなかのハートウォーミング具合で
    思わずうるうる。
    「おかえり」は率直で、他人に心を開かせるものを持っているのだろう。
    だから人に恵まれる。
    旅屋をするうちに自信もついてきて、
    魅力的な女性に見えてきた。
    「おかえり」含めて周りの人も
    欠点はあるけどもにくめず、どこかチャーミングな人ばかり。
    久々に原田マハさんの、こういうテイストのお話を読めて幸せな気持ちだ。

  • 発売は少し前だが、先日の一般参賀で、参加出来ない方の想いを込めたぬいぐるみなどを預かって、代わりに参加されている方をニュースで観た後、まさしく、そんな代理の旅を扱った今作を本屋で発見し、迷わず手に取った一冊。
    旅番組のリポーターが唯一の仕事だった、タレントの「おかえり」こと「丘えりか」。その唯一の番組も自身の失言により、打ち切り。
    所属事務所の社長・萬と試行錯誤するが、なかなか新しい仕事は見つからない。
    そんなある日、電車にカバンを忘れたことにより、ALSの娘の代わりに東北の桜を見て来て欲しい、との依頼が舞い込む。
    その件をきっかけに「旅屋」なる商売を始めるおかえり達だったが…
    正直、様々な代理の旅を描いた連作短編集のようなものを期待していたが、実際に旅の模様が描かれるのは、2つのみなのが、とても残念。
    そして、原田作品には珍しく、始終軽いノリなのも、何となく受け入れがたい。
    それでも、おかえりの底抜けの率直さと、おかえりを取り巻く人々の優しさに、ラストは温かい気持ちになる。
    何より、GWに旅を演出する側の仕事に対して、後ろ向きな気持ちになっていた自分には、今一度、自分の仕事を見直すいい機会を与えてくれた一冊だった。

  • アイドルとしてデビューして、パッとしないまま三十路へ。今のレギュラー番組は旅番組ひとつだけ。そんな主人公「おかえり」がひょんなことから「旅代理屋」になり、依頼人に代わって旅する物語。
    依頼人には様々な事情があって、でも、おかえりの旅を愛する気持ちと一生懸命さに心ほぐされていく。成果物もさまざま。
    読み終わった後は優しい気持ちになれる。少しホッとしたい時におすすめの本。

  • みんな優しい。
    優しい世界にすっかり魅了される。
    旅を通じて関わるすべての人の心が洗われ生まれ変わっていくような感覚。
    後半からの意外な展開、涙無くしては読めない。
    清々しい読後感がたまらない。
    良い出会いに感謝。

  • 本は勿論、テレビでも面白かったです。

  • 本当に旅が好きなことが伝わってくる。
    自分自身もまた旅に出たくなる。
    前日の胸の高鳴りを楽しむためにも
    頑張ろうという気持ちになる。

    無意味な旅なんてない。
    なにかみつかるのだから。

  • 原田マハさんの小説の言葉選びの
    素晴らしさよ……‼︎

    依頼人の代わりに旅をした「おかえり」こと
    「丘えりか」が、旅の「成果物」を見せ、
    説明をする場面の「おかえり」のセリフ…。
    もの凄く素敵で愛に溢れていて、
    涙無しには読めませんでした。

    旅の途中で出会った人々も
    本当にすてきな人たちばかりで、
    彼らからのメッセージにも感動しました。

    ドラマで実写化されているんですね、
    主演は安藤サクラさん。
    イメージぴったりです♪
    是非、機会があったらそちらも
    観てみたいです。

  • あなたの旅、代行します!売れないアラサータレントおかえりが旅代理業を始めます。

    最初、旅屋という商売が果たして成り立つのか?と疑問を持ちましたが、病気や高齢など様々な事情で旅に出れない人がいて、それでも見たい景色があって、それを叶えるなんて素敵な仕事だなと感じました。
    でも、それは主人公のおかえりさんが旅をするから成り立つんだろうなと思わせる魅力があります。周りの人々もクセがありながらも優しさを感じます。
    良い人ばかりしか登場しないからか、話としてちょっとの物足りなさと、展開に無理矢理感が若干ありますが、キレイな景色が目に浮かんで、終始ほのぼのと温かい気持ちになりました。旅したいな。

  • 「いってらっしゃい」「おかえり」

    旅先の風景が目の前にあるかと錯覚してしまいそうになるほど、情景が美しく描かれています。コロナ禍で旅行に行けていませんが、何だかワクワクする気持ちになりました。

    何気なく普段言ってもらったり、言っている言葉ですが、「おかえり」って言ってもらえるから、外に行けるんだなぁとしみじみ感じました...

    通学時に読んでいましたが、まよさんのお話で思わず涙が零れてしまいました。。。涙が目から零れるように出てくる本は、久しぶりでした

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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