- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087455496
感想・レビュー・書評
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沖縄県警シリーズ 第2作目。ブルードラゴン。沖縄をベースにした危険ドラッグをめぐる物語。読み終わって感じたのは、勇気あるラブストーリーだ。サーファー刑事 反町の素直な性格が実にうまく描写されている。芯の強さがよく出ている。ノエルの父親は失踪することで、ノエルは父親探しをするために警官となる。ところが、その父親は、香港マフィア ブルードラゴンの頭ジェムソウだった。生きていてほしいと願いながら、悪への道に入り込んでいる父親に対して、敢然とたち向かう。父と娘の対決。そして、ノエルの友人だった安里愛海もハーフだったことで、ノエルが幼い頃から、友達として支えてくれた。その愛海に、反町は恋をするのである。しかし、愛海には隠された過去があった。
ブルードラゴンは、危険ドラックを吸引から錠剤に変え、そしてその錠剤は、凶暴性がまし、セックスに快楽を与える。安く裁くことで、その錠剤を使用したものは凶暴化し、人を殺す事件が多発する。その事件が、沖縄だけでなく、東京にも広がって行く。
沖縄の米軍基地の犯罪が、治外法権であり、軍人の犯罪も日本で裁くことができない。そ言う中で、危険ドラッグが、沖縄の米軍基地でも広がっている。ブルードラゴンのXデイとはいつか?そして、何を狙いとしているのか?
反町の愛海に対する想いが切ない。「女は魔物だ。何を考えているのかわからない。」と言うことだ。さらに、ノエルの父親への心情。
沖縄と犯罪を絡めてのラブストーリー。ふーむ。切り口が面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高嶋哲夫『沖縄コンフィデンシャル ブルードラゴン』集英社文庫。
沖縄を舞台にした本格警察小説シリーズの第2弾。沖縄の特殊性を上手くストーリーに織り込みながら、若手刑事の反町とベテラン刑事の具志堅、赤堀、ノエルの活躍を描く。文庫書き下ろし。
那覇市内で相次ぐ新種の危険ドラッグ事件は、ついには東京へと飛び火し、ドラッグ・パンデミックのXデイを迎える…
危険ドラッグ事件と20年前に失踪した元海兵隊員のノエルの父親の謎とが巧く絡み合い、なかなかミステリアスな物語に仕上がっている。