短編少年 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087455892

感想・レビュー・書評

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  • 【正直な子ども】
    嘘をついちゃいけないよ
    子供の時その言葉の真意がわからなかった。

    大人こそ嘘をつくじゃないか。都合が悪くなれば「冗談だよ」て言葉を盾にできる。思ってもない言葉を述べて「お世辞」なんて違った言葉にも変えられる。
    それなのに自分に向けられた「嘘をついちゃいけない」は、なんだか損をした気分ですんなり受け止められなかった。

    ある言葉を知った
    「別に嘘をついたっていいんだよ」
    「傷つける嘘、自分を守る嘘、誰かのための嘘、救われる嘘 いろんな嘘がある。だから大人になるほど嘘が必要になる。」目から鱗だった。ほれ見ろと言ってやりたかった。
    言葉は続いた「けど、嘘をつき続けられると何が本当なのかわからなくなる」
    「自分を救うための少しの嘘で誰かが被害をうける事もある。嘘をつかれた事でその人を信じていいのか悪いのかわからなくなる。場合によっては友達を失うことになるかもしれない」
    「子どもたちにそうはなってほしくないから「嘘はついちゃいけないよ」て伝えるんだよ」と。


    今回 正直な子どもを読み、上のことを思い出した。

    自分が壊した時計を元々落ちてたことにする事も、普段作っていたキャラと違うキャラで母親と接することも、別に誰かを傷つけたりはしない。

    何も間違っていることではない。
    ただ、それだけで人は離れていく。「そういう子」として受け取め、確実に仲間は少なくなっていく。
    大人でもいるよな…そう思わせる話だった。

    たくさんスッキリする話がある中で、自分の中を読後ずるずる占めるのはこの話。

  • 逆ソクラテス
    伊坂幸太郎
    顔を洗って、ちゃんと自分の目で見てみろ。

    下野原光一くんについて
    あさのあつこ
    リアルなものとファンタジーな事がうまいこと絡んで表現されて気持ちいい。でもこの星の環境に対応できなくなっただなんて 笑

    四本のラケット
    佐川光晴
    子どもの事よりお父さんの思いきりに憧れてしまう。でもこんな父親の子どもだから何でも思いきりしないと気が済まない性格なんだろうね。

    ひらかない蛍
    朝井リョウ
    子どもは子どもで考えている。大人の勝手な基準で子どもを判断してはならんのや。

    すーぱー・すたじあむ
    柳広司
    よくわからなかった。

    夏のアルバム
    奥田英朗
    自転車の補助輪と親戚の伯母さんの病気。

    正直な子ども
    山崎ナオコーラ
    太っちょの栄君。と
    不器用な子にはさみを担当させたのは誰?駄目じゃない
    って担任にいわれてしまう子。
    そうゆう人が教師でいて何の問題も起こらなかった日本。
    良かったのか悪かったのか。

    僕の太陽
    小川糸
    お母さんと2人だけの生活。
    母は太陽。

    跳ぶ少年
    石田衣良
    エロいんだよ この時期は。
    無意識だと思い込んでいても。

  • 読んでいる間中、なんか「全力少年」がずーっと頭の中で流れてた。
    でも少年はよくわかんないなーってのが正直な感想。

    どれも悪くはないけど、ずごくよかったってほどでもない。
    朝井リョウくんのは途中で「世界地図の下書き」だって気が付いてちょっと感動した。

  • 好きな作家さんがたくさんいらしたので読んでみた。伊坂さんのこういうテイスト好きだ。

  • この前読んだ「短編少女」がなかなか良かったので、先月出たこの本も買ってみた。
    こちらもなかなか豪華なラインアップ。
    伊坂…この作者らしい言葉の力や言葉の遊びが溢れる。けど、まあ普通。
    あさの…これは少年の話か?光一くんの存在は無視できないけど、どちらかと言えば、主人公は少女のほうだよな。
    佐川…初読みの作家。巧みな運びで印象良い。
    朝井…悪い話じゃないが、ちょっと辛気臭いなぁ。
    柳…この人、こんな感じの話も書くんだ。これまで読んだものとはテイストが違いちょっと意外。
    奥田…これも辛気臭いし。この人、こんな感じだっけ?
    山崎…どう反応して良いか、ちょっと感性が違います。
    小川…これもまた別の意味で、母の感覚、息子の感性、理解しづらく。
    石田…最後にこれか。う~ん、むむむ。
    全般的になんだかスカッとしない話が多く、少年とはウジウジして斯くも分かり難い生き物なのかと嘆息を誘われる。
    今回はラインアップの割にはちょっと残念だったかも。

  • どこか懐かしい、逞しくも繊細な少年時代の物語集で、サクッと読めた。
    特に「ひからない」と「すーぱー・すたじあむ」にひかれた。
    70冊目読了。

  • あさのあつこ氏の短編が子の国語のテキストで取り上げられていたので読んでみた。どれも秀逸、ひたむきな主人公が繊細に描かれてる。なさそうでありそうな話。電車に揺られながら読み、途中自分事ととらえ、母と海外旅行に行ったことを思い出したり、子のわがままを甘えとして受け入れてあげられてるかと自省したり、歩みをとめて自分を振り返ることができたひととき。

  • 短編〇〇シリーズ!
    いろんな作家さんと出会えて、やっぱり面白い!!
    こりゃ絶対に再読だな〜
    短編少女も気になるー!!!

  • 伊坂幸太郎のこの話、ええ話やったよなぁ。てか、山崎ナオコーラ、なんやこの話?

  • なかでも"逆ソクラテス"と"下野原光一くんについて"が
    好き。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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