幻夜 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 24683
感想 : 1567
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  • Amazon.co.jp ・本 (792ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087461343

感想・レビュー・書評

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  • 阪神淡路大震災時に出会った男女2人を主人公とする、ミステリーもの。

    読んでいてかなり引き込まれる感があり、長作だが一気に読み終えた。

    ただ、最後の締めくくりが今一歩だったので★4。

  • 白夜行の続編と言われるこの幻夜。白夜行の雪穂と幻夜の美冬は同一人物なのか。様々な記述で恐らくそれを意図された事は間違いないであろう。「なぜだか分からないが美冬がコンんピューターに長けていた」という点も非常にそれを思わせる。「雪穂が桐原に代わる手足となって動いてくれるパートナーを水原に置き換えた事」もそれを強く思わせる。その他色んな点で共通点があるのだが、やはり巧みなのは幻夜を読み終わって内容を反芻して初めてそうであったことを意識する事である。やはり東野圭吾は素晴らしい。

  • 報われないな…、このラストは。夜でさえも幻なんて。次は一体どうするというのか?ホンの少しでも陽のあたる世界に行き着いて欲しいものだ

    800ページ近くある…読み応えがありましたね。
    この物語は『白夜行』を継ぐ作品です。まあ、白夜行を読んでいなくても楽しめますが先に読んだ方が良いでしょうね。

    さて、感想ですが重いです…(-_-;)

    震災から主人公格の男女二人が這い上がっていくんですが、それは決して明るい陽の当たる道でない…
    しかも男にとっては夜ですらなかった。とても報われぬ苦しみが描かれます。
    雅也と美冬に関わるものも次々と不幸に見舞われ(白夜行と同じですね)ます。ただ幸せを求めていたはずなのに美冬のそれはあまりにも虚ろ…
    美冬が雅也に求めていたもの。全くそれは白夜行の亮司そのものだったのだろうか。
    そう思って読むと別の心象風景も浮かびますが、雅也の側からすれば堪りませんね。有子に救われる道もあったはずですが…
    なんとも、やるせない物語でした。

    ちなみに物語のラストに私は納得できていません。この小説を継ぐ物語もいつか描かれるかもしれませんが、陽のあたらないシリーズはちょっと…
    (まあ、納得を求めて読むと思いますが)

    星はなぁ…、次に期待ということで辛めの3.5点
    ★★★☆

  • 非常にこってりとした、読後に胃もたれするような感覚を覚える作品。
    だけど、このこってり感は東野圭吾にしか味わえないのでとても楽しめました。

    かなりの大作だが、読み始めると緻密に設計された迷路を進んでいるような感覚で、不思議と早足になってしまう、そんなミステリー。
    この迷路を作ったのも「あの方」なのでしょうか・・・?

  • おもしろかった!
    後半はほんとに止められないから一気読み!
    長いけど、とても読んでよかった本

  • 雅也と美冬の物語
    白夜行に引き続き、ハッピーエンドで終わらない

  • ひゃーーーー。これぞイヤミス、、、もやもやもやもやな読後感なのに、物語としては綺麗さっぱり伏線回収されている。あっぱれ。巧いなー、

  • 救われないラスト。この先もずっと続いていくのかと思うとこれまでの被害者の事を考えてやりきれない気持ちになった。
    彼女はどんな人でどこを目指しているのか、彼女は幸せなのか、気になる。ものすごいやり手で、現実社会にも居そうなところがゾワゾワするポイントかも。

    私この本を数年前に読んでいて、読み始めてすぐに気がついたけど、展開もラストも全く思い出せなかったので再読しました。

  • いやー救いがなかった。
    私も白夜行の雪穂と幻夜の美冬は同一人物であると思うが、作中ではもちろん作者も同一人物であると明言していない以上、白夜行の笹垣刑事や幻夜の加藤刑事と同様に憶測でしかものを言えないんだろうな。
    もどかしいがそのもどかしさが良い

  • 高校生の頃から好きだった白夜行。
    小説も読んだし、ドラマも映画も観たくらい大好きだったので、その続編と言われている幻夜も気になって購入しました。
     
    続編と言われているだけで、東野圭吾さん本人が続編と言ってるわけではないので、もしかしたら別の作品なのかもしれません。だけど、白夜行を匂わせる表現はいくつか見られたので続編じゃないとは言い切れない作品です。
     
    最初は美冬が一体何をしたいのか分からなかったけど、物語が進んでいくにつれて美冬が企んでることが薄々と分かってきて、何も気づかず犬のように真冬の言うことを聞き続ける雅也に心を痛めました。同時に「男ってほんと美人に弱いんだから…」とイライラ(ブスの嫉妬も少しありw)
     
    美冬の目的のためなら本当になんでもやるような性格、人間のクズだとは思いつつ、少し憧れてる自分もいました。私は目的のために他人の命を奪うような最低な事はしたくないけど、美冬のような我慢強さ、忍耐強さ、賢さは自分にも欲しいです。
     
    美冬の、目的達成のために努力を惜しまないところは尊敬できます。人を踏み台にしたり人の人生を滅茶苦茶にする所は尊敬できないけど。
     
    もし、美冬が白夜行の雪穂だとしたら一体いつの時点で美冬と入れ替わろうと思ったのか、どの部分からこの人生の計画を考えていたのか、本物の美冬とはどう言う関係だったのか気になります。あとなぜ雪穂でいる事をやめたのか…。
     
    美冬が目指すゴールは一体なんだろう。
    金も地位も美しさも手に入れたあとは一体何になるつもりなんだろう。 
     
    その後が気になるし、美冬の詳しい過去も知りたいけどそこは読者の想像にお任せしますってことなのでしょうね。
    続編出して欲しいけど、もう結構前の話だしほぼゼロに近いかな…?
     
    雅也の救われなさが辛い作品だったし、来世では雅也と有子で幸せになって欲しいと感じた物語でした。
     
    もし美冬が雪穂だとしたら、その昔の家庭環境のこともあって今の人格なんだろうけど、そう分かっていても美冬の敗北を願ってしまったのは私だけじゃないはず…(苦笑)
     

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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