50代からの選択 ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか (集英社文庫)
- 集英社 (2008年2月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087462661
感想・レビュー・書評
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大前研一(1943年~)氏は、早大理工学部卒、東工大原子核工学科大学院修士課程修了、マサチューセッツ工科大学原子力工学科大学院博士課程修了、日立製作所勤務、マッキンゼー日本支社長、カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授、スタンフォード大学経営大学院客員教授等を経て、(株)ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長、ビジネス・ブレークスルー大学学長等を務める。
私は50代後半の会社員で、若い頃、大前氏の書いたビジネス関連の本をよく目にしたものだが、本書は、2004年(大前氏が61才前後)に、50代になったビジネスマンに対して、人生の後半にどう備えるべきかを語ったもの(2008年文庫化)で、私は40代半ばで読んだが、今般書棚の奥にあったものを偶々見つけてパラパラと再読してみた。
大前氏は、極めて高いレベルのキャリアを持ち、ある意味人生に成功した人物であり、本書についても、それを踏まえて読むべきとは思われるが(この手の本はいずれも、「ある一つの」人生を送った(送っている)人が書いたものなので、著者の経験・性格・考え方が色濃く反映されざるを得ず、一般論というものはそもそもあり得ない)、今般10数年を経て再読して、(自らの経験から)共感すること、改めて心に留めておきたいことが多いものだった。
例えば以下のような点である。
◆サラリーマン生活の棚卸しを50歳前後でしておく。自分に何ができるかを把握しておくことが、その後の社会人の人生に役立つ。
◆「会社人間」としての人生を空振りしたことを自覚し、会社人間をやめるためのリセットボタンを押す(成仏する)。そして、定年後の20年をハッピーに生きるためのことを考える。
◆問題が生じたときは、悩めば解決する問題なら、一生懸命に考えてなるべく早く解決し、悩んでも解決しない問題なら、そもそも悩まない。
◆「オレの人生は良かった」と言って死ねるように、結果から考えて重要と思うものはやり、重要ではないものはやらない。また、そのためにも、「とりあえず」の時間は作らず、意味あることに時間を振り向ける。
◆やりたいことがあるなら50歳前後までにスタートさせる。年を取れば取るほど新しいことを始めるのは難しくなる。
◆何をするときにも「残りの人生であと何回」と考えると、どれも適当に流せなくなり、密度の濃いものになる。
また、大前氏は2008年に、30~40代のサラリーマンに「自分を「再起動」して反転攻勢に出てもらうことを目的」とした、『サラリーマン「再起動」マニュアル』を著しており、一人の著者が同じ時期に、異なる年齢層に向けて真逆とも言える本を書くこと自体面白いが、若い世代の人はまずはそちらを読むのがいいかも知れない。(どちらの本も今でも新刊で手に入るが、この手の本としては珍しいことだ)
私としては、大前流の50代の生き方から、いいとこ取りをしたいと思う。
(2008年6月了)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
妻が持っていたこの本の初版は、2008年。俺は当時、30代だった。となると、ここで描かれている50代とはずいぶんちがうよなぁ。変化しているところも多々あるとは思う。特にここで想定されている日本は、まだ先進国だから。今はずいぶん変わっているんじゃないかなぁ。ただ、ここで書かれていることは、ずいぶん納得できる話ばかりだった。とすれば、時代が追いついたと頭べきなのか、あるいは普遍的な内容でもあるのかもしれない。まさに今、自分は50代に入ったところで、仕事のことなどあれこれ考え込むこともある。これを読んで解決するわけじゃないんだけど、少し気持ちを切り替えて向かえるくらいにはなったと思う。
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50代サラリーマンは同年齢のスポーツ選手や音楽家に比べていかに恵まれているか。会社に感謝。しかし50歳を過ぎたらポンコツ車で高速道路を長距離運転しているようなもの。絶対に無理はしないこと。徹夜は論外。スケジュールがタイトな仕事は断る。風邪気味なら仕事はキャンセルし、さっさと寝る。遊びのスケジュールは最優先。残りの人生であと何回楽しめるか?とカウントダウンすることで、限りある人生を楽しむことに気づく。定年後の人生を春夏秋冬、朝昼晩、雨の日も晴れた日も充実させるためにやりたいことを10以上見つける。
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30代の頃に読んだ本ですが、まさに対象世代になった今、文庫本で再読。
50歳を過ぎたら会社での出世云々にはもう拘らず、会社人としては成仏して、来る60代、退職後の人生に向けた準備を始めるべし。このあたりはよくある論ですが、大前さんの場合は、いかに退職後に人生を楽しむかというポジティブな側面に焦点を当てているのが印象的。
厳しい現実を突き付けられつつも、前向きな気分にもしてもらえる1冊。 -
1,企業家が経営者として花開くのは35歳前後。
入社して10年、35歳になれば会社で学ぶべき物は殆ど覚えてしまえる。最初の10年間で何処までいけるかが勝負。エンジニアの場合は、最初の5年間。5年で日本一、7年で世界一になれ。
2,入社して10年間 ひと花咲かせられるだけの能力とアイデイアを持たない社員が、その後花開く可能性は極めて低い。
3,日本では年齢と投票率が連動する。25歳は25% 65歳は65% 年寄りがマジョリテイを取ってしまう。
4,50代で転職するなら、2ランク下の会社がいい。大会社でのノウハウや人脈が生きてくる。地方企業に転職すると、都会では当たり前のスキルが役に立つ。利権の障害商売が多い。それでいて経済規模は大きい。
5,定年退職時にやりたいことを10以上作っておく。
50代で始めないといけない事が多い。 半分はインドア 1つは音楽がベター。ぼけ防止に最適
6,遊びの計画は1年のスケジュールの最優先。
7,引退後の海外移住は 世界標準
イギリス人はポルトガル,アメリカ人はフロリダ,ドイツ・スエーデン人はイタリア。イタリア人はスペイン。
8,1955年以前生まれの人は、年金に恵まれた極めて幸運な世代。50代は、会社に感謝をして恩返しをする世代。個人商店が500万円貰うなんて一流の世界。
侍は大名に足を向けるべきではない。得意分野に領域を絞り、貢献
人事・経理・財務・購買が狙い目。不備な点が多い。
9,50を過ぎてから退職金をつぎ込んで事業を始めるのは暴挙。飼いならされている人間が成功する確率は1000に3つ。
■実は50歳前後の人に必要な棚卸しはもう一つある。
□それは、死ぬまでの30年を充実させるための 人生全体の棚卸しだ。
■サラリーマン生活の棚卸しを50歳前後でしておく、 ということは実は非常に大切である。
□今の時代、会社がつぶれる不安は常にある。
■それなりのものをもらっていながら、 枯れ木のようになってしまう50代は実に多い。
□枯れ木ではなくて野の花になれ! -
東京都知事選挙で惨敗した大前さんは、豪州に出かけ、思い切り遊んで、あることに気づいた様子。大事なことは、成仏ですね、なにやら、南無阿弥陀仏でありますが。
改めて、50代となると、本人は気づいていないが、客観的には、ホームストレッチを走っている(結果が、明確に見えている?)のですよ、というメッセージ。会社生活のゴールの向こうを見据えて、次の準備をと、明るく薦める一冊であります。 -
人生の後半になる前に読み返したい本だ。身の丈を知って、その中で自分の納得のいく人生を作ることを早い段階から考えておくことは必要だ。今、そう強く思っている。周りの思惑に振り回されず、自分自身を大事にしながら第二の人生を作るために、考え行動しよう。・・・50代前後の人にとって有効な助言満載!!
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この本を読んだ年齢によって、感想は異なってくるのかもしれない。振り返って考えると、確かにサラリーマンというのは恵まれていたと思う。サラリーマンを辞め、今だけでなく残りの人生全てに対し、どんなプランを立てて、生きていくか。少しずつでも今から考えていきたい。
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■概要
<内訳>
世代ごとに必要な仕事のスタンス:自慢話:動機付け(鼓舞)
=3:3:2
20代から50代までに仕事のスタンスをどう変えていかなければいけないか先輩からの知恵をもらえる本です。
大前氏の本によく出てくる自慢話も多い為、そのパートはざっと読むのが良いのではないでしょうか。
動機付けの部分では、サラリーマンとビジネスマンの違い、偉大な経営者の思考法、
ビジネス全般で役立つ豆知識等が書かれています。
■仕事に活かせる点
仕事において、目的や付加価値を考えて、自分のスキルを磨き続けることが大事だと再認識しました。
以下の記述を記憶し、自分の行動を変えていこうと思います。
・20代
上司に「これをやれ」と言われたとき、なぜやらなければいけないのか、そもそもやることに意味があるのか、ということを考えずに言われたとおりに動く。それではいけない。(18頁)
⇒言われていないことをやれ!
・最初の10年
サラリーマンは最初の10年が勝負(26頁)
・相手に共感してもらえるか
「絶対あいつの言うことは聞かないぞ」と思われたら終わり(33頁)
・何をしても食っていけるか
仕事の棚卸しをして、自分は何ができるか把握することが大事(104頁)
・「とりあえず」の時間をつくってはならない(153頁)
(のぐ)