東京バンドワゴン (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462876

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。
    季節ごとにお話が一つずつ書いてあり、その一つ一つにホロッとさせられます。
    人には、色々な形の愛があるんですね。
    これが一番正しいなんてことはない、のだと思いました。

  • いいキャラぞろいの大家族の話。
    何が起こるわけでもないのだけれど、
    1個問題を解決するたびに
    優しくあったかくなる家族にほのぼのできます。
    大好きだけど気恥ずかしい、面倒だけどほっとけない。
    そんな家族の絆を読んでいると、
    なんだか実家に帰りたくなりました。

  • ☆4.5

    とっても面白かったです❁⃘*.゚
    堀田家の「LOVEの力」にすっかり引き込まれてしまったので…続編も読み進めていきたいと思います!

  • 始めはホームドラマ見たい感じの雰囲気が結構嫌でちょつと読みにくかった。
    妙に平和な感じもなんか、量産型のドラマみたいな。
    だけどそんな中でも、ちょっとウルっとする場面もあり日本の昭和な感じの家族、ご近所付き合いが読んで行くうちに心地よいなーと。
    また季節を感じる場面もあり◎。

    シリーズ化されてるので第二弾も読みたい!

  • 東京の下町、おそらく谷根千エリアにある(近所のつつじが有名な神社は根津神社?)古本屋「東京バンドワゴン」&カフェが舞台の大家族ハートフルミステリ。

    昔ながらの頑固な家長に、その真逆を行くような「LOVE」なロックンローラーなその息子。そして色とりどりの個性をもつその息子・娘や孫たちの日常。
    日常をともにすごすご近所さん、何かあれば皆がいく馴染みの小料理屋さん。季節おりおりにつきづきしいお花や食べ物の話。何かあれば紋付を着る。
    そんな昔ながらの背景のなかでも、シングルマザーの藍子さんがいたり、親の違うきょうだいがいたり、核家族でマンション住まいの一家がいたり、昔ながらの一軒家の厳しい現実があったり、「東京バンドワゴン」の彼らそれぞれにはそれぞれの問題があり、現実がくっきりと影を落としている。

    けれども、勘一さんの「だけどなぁ、家族となりゃあ話は別だ。家族になっちまったもんはしょうがねぇからな」というお言葉通り、家族でも、実は家族じゃなくても、「しょうがねえな」で手を差し伸べ合う彼ら。

    楽しく読み進めている間に、気が付いたらしっかり滋養をいただいている、そんな物語です。

    どこからか現れて消える百科事典の謎、破られて猫の首輪に結わえられたジュール・ヴェルヌの「十五少年漂流記」の謎、古本の目利きによる値付けの次第、いまは亡き作家が昔に描いたエッセイで解ける昔の謎、漱石『それから』初版本にある書き込みの謎。
    本好きにはたまらないスパイスもいっぱいまぶしてあります。

    シリーズ最新刊まで一気に読みたい気はやまやまなのですが、順々に年を取る彼らの時の流れを一気に飛び越すような無粋なことはしてはいけないような気がする不思議なシリーズ。順々に読み進めたいと思います。

  • 場面の切替がポンポンあってついていくのに必死。
    2話目からは少し落ち着いてほっとする。
    これ「ムー一族」だよね。
    家の片隅で樹希樹林が郷ひろみと歌ってる場面が、すっと清水健太郎がお姉ちゃんと意味ありげに飲み屋で向かい合って飲んでる場面にきりかわる・・。
    いっぺんにいろんな事件が起こるのに最後にはみごとに幕が下りる。
    騒々しくてバカバカしくて優しくて楽しい。
    そして後味がほっこり暖かい。
    「あの頃、たくさんの涙と笑いをお茶の間に届けてくれたテレビドラマへ。」の言葉に胸が苦しくなる。

    東京のお寺ばかりある下町の古本屋「東京バンドワゴン」。
    4世代が住む家で起こる数々の小さな事件。
    「LOVEを感じるままに進んでいけばいいんだよぉ。それなら絶対に後悔しないねぇ。」

    春、百科事典はなぜ消える
    夏、お嫁さんはなぜ泣くの
    秋、犬とネズミとブローチと
    冬、愛こそすべて

  • 食卓を囲みながら家族全員でみることのできるホームドラマ

    面白かった
    何で今まで読んでなかったんだろ
    続きがたくさんあって嬉しい

  • 昔懐かしい東京下町の、
    4世代8人大家族ホームコメディ。

    登場人物がそれぞれ個性的でいいんだけど、
    特に故人のおばあちゃんの幽霊視点一人称で
    語られるというのがいい。
    斬新だけど、なるほど一人称だから没入しやすいし
    幽霊だから自由なのだ。

    舞台は明治18年から3代続く古本屋
    「東京バンドワゴン」。
    この名前がまたいいでしょう。
    店名のネーミングセンスからわかる通り、
    作品全体にちょっと古めかしい、
    あたたかみのあるセンスの良さが溢れている。

    登場人物の各々が中々に重大な事情を抱えてるし、
    みんな中々にお節介焼き(いい意味で!)なので
    東京バンドワゴンには事件が絶えないんだけど、
    悲観せず、明るく、賑やかに、ひたむきに、強かに
    生きていくのがかっこいいなって。
    古き良き東京人の人情、生き様、
    すばらしいじゃん、と思った。

    我南人さんの言う“LOVE”が
    東京バンドワゴンとその周りには
    溢れているんだけど、
    そのLOVEって男女の性愛って意味じゃなくて、
    友愛、家族愛、思いやり、配慮、
    もっと抽象的に言うと、相手の事情や心情を
    慮るってことなんじゃないかな。

    だとしたら、“ALL YOU NEED IS LOVE”、
    全面的に大賛成だ!

  • とても面白かった。
    以前テレビドラマか映画でやってたかなーって程度で読んでみたけど、すごく面白かった。

    舞台はカフェを併設する古本屋「東京バンドワゴン」。

    今では珍しくなった4世代が一緒に暮らす大家族のそれぞれが生き生きと描かれていて、ほのぼのといい感じの物語。

    悪人が出てこない、日常のちょっとしたミステリーを含みつつ、みんなで解決しつつ、日々が流れていく。

    御近所さんとの付き合いや、気軽に訪ねてくる常連さんなど。希薄になりがちな現代の人間関係だけど、この本の中には古き良き「繋がり」がたっぷり残っている。

    だけど、面白いのはノスタルジーだけではない。ストーリー自体が抜群に面白い。ちょっとした伏線がミステリーの謎の真相になってたり、家族の本当の親が誰か(結構家族内容は複雑なの)明らかになっていったりとか。
    いろんな展開がテンポよく進んでいくのであっという間に読んでしまった。

    シリーズ化してるみたいなので続きを読んでみたいと思う。良書。

  • 読み返してみてもやっぱり最高のシリーズの第一作。飽きがこないし何度読んでも泣ける。人情が素晴らしい。サザエさんよりも堀田家こそが憧れの日本の家族だ。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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