東京バンドワゴン (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462876

感想・レビュー・書評

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  • 東京の下町で「東京バンドワゴン」という古書店を営む堀田一家。大変賑やかな家族。それぞれが癖の強いキャラで大変魅力的。設定の段階でまず惹き込まれるのだが、これだけ賑やかな家族を設定して一人として宙ぶらりんになるキャラもなくしっかりそれぞれの役割を書き分けている小路幸也さんすごいなぁと思う。

    四季に合わせた話4編集録。朝に百科事典を東京バンドワゴンの書棚にこっそり置き、学校の帰りにそれを回収する謎の小学生をはじめとして謎解き要素もあり、ほろっと泣ける展開もあり、よくこの一冊にまとめれたよなぁと。そしてこの一冊でしっかり完結できるくらいの内容だったのだけど、どうやら続編もあるらしい...まじか。それは非常に気になる。続きも絶対読む。

  • 自分では、そこそこの広がりをもって小説を読んでいたつもりだったが、色々な方のブクログ本棚を拝見して、みなさんの幅の広さに圧倒された。その中で、ちょっと気にはなっていたが、食わず嫌い的に手を付けてなかった本書の評価が高かったので、ミステリー小説の合間に軽くつまんでみるかという思いで読み始めたら、あっという間に虜になつてしまった。解説にもあったが、昭和的な家族模様や人情に加え、ミステリータッチの展開の見事さ、自分がいかに井の中の蛙であったか思い知った。続編がたくさんあるので、当面ハマりそうだ。

    • goya626さん
      小路幸也の小説は読んだことがないのですが、ふーむ面白い?
      小路幸也の小説は読んだことがないのですが、ふーむ面白い?
      2020/08/30
  • 小路幸也の初読み・・・のはず・・・(著者名に“打ち覚え”がある気がする)。連作小編。

    ーーーーーーーーーーー読間ーーーーーーーーーーーー

    【春-百科事典はなぜ消える】
    ちょいと、ホロリとさせられる一編。ロックンローラーなじいさんが、いいキャラしてる。
    (愛嬌のある内田裕也といった感じのイメージか)

    そのじいさんが未婚の母を評しての言葉
    「一生に一度と思えるくらいの恋」
    「もう人生で誰も好きにならなくてもいいというくらいの大きなLOVE」

    ・・・恋愛ソングの歌詞に使えそうなほど、聞こえは良い言葉だけど・・・
    ・・・そこまでの恋、そんな大きなLOVEな関係にあった女性を未婚の母とさせてしまう男とは?
    そこにあるのは、「やむにやまれぬ事情」というよりは、男の身勝手である可能性の方が高いよね。
    男は今頃・・・・と考えると、やるせなくなる。


    【夏ーお嫁さんはなぜ泣くの】
    “藍子の事情”の謎、解ける。理解はできた。しかし、納得はできず。
    ・・・だって、、、いくら人格者でも、いくら心から愛し合っていたとしても、いくら自分の家族にも十分に愛を注いでいたとしても、、、、、

    その裏には、何も知らない妻と娘がいて…彼はその二人を裏切り続けていたということ。
    藍子の態度は分からなくもないが、すずみがそれらの事情を受け入れて家族に加わろうとする気持ちは、やはり理解できない。
    ※亜美の事情の解決には、思わずホロリとさせられた。ロックじいさん、格好良し♪


    【秋-犬とネズミとブローチと】
    読んで字の如し。題の通りの物語(笑)。大昔の想い人との再会に頬を染めるおばあちゃんが、可愛い。
    家族(特にじいさん)とマードックさんとの距離感の変化も、微笑ましい。

    ※「冬」まで読まずして既に、この作品・この著者を「好きな作品」「好きな作家」にノミネート(笑)。
    少しだけWikiってみたところ、シリーズはすでに7~8冊を数えるとのことだけど・・・・だとすると、二人のこの距離感は、この先どうなる?

    サザエさんとかドラえもんとかみたいに、時の流れを超越した「良い意味でのマンネリ」は、このケースでは用いないで欲しいものだ。若い夫婦も、じいさんばあさんも、子供たちも、皆それぞれの、時を経ながらの成長を描いて欲しい。


    【冬ー】
    めでたし、めでたし(笑)。
    我南人、格好良し。
    青くん、良かったねぇ。
    青くんの容姿が良いのも、モテモテなのに性格が良いのも、全てはその“血”がモノを言ってたんだね♪

    さて、今回もイイ話だったけど・・・
    そこには、男の身勝手さだけではない“愛”が存在してはいたけれど・・・(その点には、少しひと安心)・・・

    その時、奥さんは…?相手さんの、夫は…?
    と、考えてしまうと、偽善としか感じられないのは、自分が古い日本人になってしまったからだろうか。

    ーーーーーーーーーーーー読了ーーーーーーーーーーーー

    巻末解説者も書いていたけれど、確かに、少年時代に見たホームドラマを感じさせる一冊。自分ら世代だと・・・と挙げていくと、世代で分かれるだろうね(笑)。

    ※少年時代に観たわけではないけれど・・・「おやじぃ」だの「東京庭付き一戸建て」だの、好きだったな。

    ★4つ、8ポイント半。
    2017.02.28.古。

    続編にも期待。
    次は、マードックさんの事情に深く切り込んで欲しい。

  • すごく好きな書き方だった。
    まず、登場人物の名前が好き。紺人、藍子、青、花陽とか、お洒落だな〜。
    悪いやつが一人も出てこない、あったかいホームドラマ。毎日を生き生きと笑って悩んで、素直に生きるみんなが素敵だった。
    みんなを見守るサチばあちゃんも楽しそう。

  • 期待値低かったんだけど、めちゃサクサク読めた~!

    にこにこしながら読んじゃった。

    素敵な家族だなーって。

    こんな家にうまれたらいいこが育ちそう。

    個人的にガナトさん超好き。

    あと語り手のおばあちゃんも。

  • 大家族のLOVEな日常
    幽霊のおばあちゃんの目線から綴られていくサザエさん⁉︎寅さん的な人情劇にほっこりしながらLOVEを感じる。
    このLOVEは、恋愛についてだけでなくロックな父ちゃんのそこにLOVEはあるのか的ないいお話です。
    表紙の雰囲気と裏表紙のあらすじから一目惚れ的にシリーズ衝動買いしてしまったのですが、当たりだな‼︎というわけで当分楽しめそう。

  • 本当に、少し前のホームドラマを見ているような本でした。
    8人の大家族で、家族みんなが個性的…だけど、人ってみんな個性的じゃない?と思う様な、私たちの隣にもいそうな、そんな温かい人たち。物語の語り手は家族を見守り続けている亡くなったおばあちゃん。ご近所さんたちも素敵な人たちばかり。安心してニコニコ笑いながら日曜日の夜に見ていたいドラマみたいでした。家が古本屋とカフェってとこもいいなぁ。憧れる。
    シリーズ化されているとのことで、またこの堀田家のみなさんの日々を見ていたいなぁと思いました。

  • 「LOVEだねぇ」と、読んだ後に言いたくなるような、
    ”家族愛”という言葉がぴったりと合うお話。

    ワケ有りな事情をそれぞれが抱える4世代大家族、堀田家。((サザエさん家族より大きい!?
    互いに思いやり、思うが故に衝突し、
    思う心からここぞと言う時に動いたり...(これは我南人さんのことです。普段ふら~っとしてる人がしゃんっと動く時って本当に格好いい!)

    問題が起きた時には、家訓に従い、皆で解決し、
    食事の時は皆で賑わっていただく。
    現代の日本の家族にはあまり見られない、懐かしい。見ていると、ほろっとしそうになる。
    家族はこうあるべきだ!とは言わないが、食事の時すら会話が無かったり、家族揃わなかったり、問題や悩みも相談できなかったり、そういうイメージのある現代の核家族は、なんだかさみしいなぁ...と思った。

    また、堀田家に愛を感じるのは、堀田家を愛しているサチさんが語っている点もひとつの理由だと思う。

  • サザエさんRockバージョンだなw
    めっちゃ面白かった。
    読みながら気がつくと口角が上がってる(*´∀`*)

    下町の大家族の日常です。

    ~作品紹介・あらすじ~
    東京、下町の古本屋「東京バンドワゴン」。この老舗を営む堀田家は今は珍しき8人の大家族。60歳にして金髪、伝説のロッカー我南人。画家で未婚の母、藍子。年中違う女性が家に押しかける美男子、青。さらにご近所の日本大好きイギリス人、何かワケありの小学生までひと癖もふた癖もある面々が一つ屋根の下、泣いて笑って朝から晩まで大騒ぎ。日本中が待っていた歴史的ホームドラマの決定版、ここに誕生。


    我が家も私が加わるとなかなかの大家族になるので、こんな感じの会話になります。それぞれがそれぞれの話をそれぞれにしている。なのになぜか会話が成立しているのw

    これシリーズでかなり続いているから、追々読んでいこうと思います。
    気軽に読めるのでお勧めですよ~♪

  • 読み始めは、登場人物の多さと、小説としては珍しい「です・ます」調にやや苦戦したが、途中から加速度がついて一気に読み終えてしまいました。
    出てくる人たちは、皆一癖も二癖もある人たち。さらに過去だけでなく現在も闇を抱えながら生きている。そんな癖の強い人たちが、一つ屋根の下で生活している設定。
    いつの間にか、テレビドラマ化を想像し、勝手に配役を思い浮かべながら読んでいました。

    癖も闇も、無条件で全て受け入れられる堀田家こそ、理想的な家族だと思いました。
    しかも、血縁だけでなく、店に出入りする人は皆家族で、皆ありのまま受け入れられ、受け入れる。
    世の中がこんな風になったら、もっと楽しいだろうなぁ。

    人は皆、癖があり、闇もある。
    それでいい。
    そのままでいい。
    それがLOVEだねぇ
    という気分になる物語です。
    続編も読みます。

    • hs19501112さん
      面白いですよね。自分も最近、このシリーズが好きになっています。

      あ・・・「東京バンドワゴン」、たしか何年か前に連ドラになってます。
      ...
      面白いですよね。自分も最近、このシリーズが好きになっています。

      あ・・・「東京バンドワゴン」、たしか何年か前に連ドラになってます。

      主要キャストは亀梨和也さん、多部未華子さん・・・だったかと。

      ※近所のレンタル屋には置かれていないため、観てはいないのですが。
      2018/09/21
    • ntreachさん
      ドラマの情報、ありがとうございます。
      まだドラマのホームページが残ってました。

      さらにビックリなことに、私、今春、東京バンドワゴンのロケ地...
      ドラマの情報、ありがとうございます。
      まだドラマのホームページが残ってました。

      さらにビックリなことに、私、今春、東京バンドワゴンのロケ地となった喫茶店に、行ってました!
      その時は、ロケ地の看板出てたけど「何だろね〜」ぐらいに見てましたが。

      ドラマを見たら、もう一度行ってみようかな。
      千葉県佐原にある、とても雰囲気の良い喫茶店でしたよ。
      2018/09/21
    • hs19501112さん
      ロケ地になった喫茶店・・・・に、作品を知る前に行っていたとか(笑)

      素敵な情報をありがとうございます。ちょっと調べてみます。
      ロケ地になった喫茶店・・・・に、作品を知る前に行っていたとか(笑)

      素敵な情報をありがとうございます。ちょっと調べてみます。
      2018/09/22
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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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