広瀬正・小説全集・6 タイムマシンのつくり方 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087463897

感想・レビュー・書評

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  • 広瀬正のタイムマシンのつくり方を読み直しました。タイムマシンをテーマとした短編やショートショートが掲載された広瀬正の初期作品集でした。主にタイムマシンで過去を改変したら現在はどうなるのだろうか、というパラドックスをテーマとした短編が多かったようです。これで、広瀬正小説全集の文庫6冊を再度読み直したわけですが、やはり一番面白かったのはマイナス・ゼロでしょうか。最初にこの物語を読んだのは多分20年くらい前でしたが、この物語の中に登場する、ある女性の印象が強く記憶に残っていました。その女性はタイムマシンで過去に戻って過去の時代で出産するのですが、その娘は実はその女性本人で、成長して現在のタイムマシンに乗って過去に戻ることになるのでした。要するに無限ループなのですが、DNAは同じはずなので、などといろいろ考えだすと眠れなくなります。

  • 2008年に復刊されている広瀬正・小説全集の最終巻。「初期」の短編、ショートショートを収める。

    いくつかの初期作品は、確かに福島正実が「アイデアの骸骨が、貧弱な文章の衣をまとった」と評したレベルを出ていないが、しかし、一方では SF が小説として認められず、多くの才能ある作家が、このようなショートショートにしか発表の場を見出だせなかった時代背景は、筒井康隆の解説に詳しい。

    気に入った作品は、時間の流れが恐ろしく遅い世界へ迷い込んだ男を描く「化石の街」と、タイムパラドックスによるパラレルワールドの存在を衝撃的に描く「計画」。広瀬正の代表作「マイナス・ゼロ」も未読なので、早く読もっと。

  • よいよいよいよい(*´∀`*)

  • エッセンスとして時に対するこだわりは
    充分に窺えた。
    物語として読むならやっぱり別作品。

  • 時間ものを知りたければ、この本。

  • <a href="http://bbs1.sekkaku.net/bbs/?id=mitosemi&log=2391">三戸ゼミ掲示板でご紹介頂きました。</a>

  • 初期の短編作品はSFとしての骨格が際立ってる印象。後の直木賞候補三部作(!)のような緻密な世相描写や人情話っぽさは少なめ。でもやっぱ星新一さんよりは半村さんよりな感じが好きだな。

  •  ジャズ評論家として夙にその名を知られるK大学教授浜野先生は,かつての教え子の一人が,やっと発明しましたといってタイムマシンを持って訪ねてきた時,ひと通り説明を聞き終わると,
    「ちょっと僕に使わせてくれないか」
     といった。
     先生は,タイムマシンを使えば,今は亡きチャーリー・パーカーの演奏をなまで聞くことが出来る,と考えたのだった。
     先生は学術会議の出席などで,戦後何回も渡米したが,そのたびに,ひまを見ては,各地で著名ジャズプレイヤーの演奏を聞いて来た。だが最初に渡米したのがバードの死の直後であり,とうとう彼のなまの演奏に接する機会がなかったことを,先生はかねがね残念に思っていたのである。
    (『タイム・セッション』本文p356-357)

  • 2009年1月24日購入。読書期間2009年1月26日〜2月4日。

    面白い。
    筆者の「初期」の作品集で、ほぼすべてがタイムマシン、もしくは「時」に関することがテーマの短編集。
    テーマが統一されているのに話が多彩で、それぞれ緻密に作られていて奥が深い。
    1、2ページほどの短編もあり、完成度が高いだけにもっと長い作品で読んでみたくもなる。
    筆者のほかの作品も読んでみたい。

  • 未読

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