義珍の拳 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464375

感想・レビュー・書評

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  • ノンフィクションなんですね。富名腰義珍や本部朝基など、今野敏作品、それも空手系の作品でなんどか目にした人物がたくさんできてきました。義珍の苦悩は「竜の道」に登場した麻生にも通じるものがあります。

  • 沖縄の唐手(トゥーディー)を「空手」として本土に広めた実在の人物がモデル。作品の中では富名腰と表記されていて、別に船越の表記もあるようだ。剣道の心得のある津本陽の剣豪小説がそうであるように、空手の心得のある人が描く「武術」の場面には迫力がある。東京に出た義珍が嘉納治五郎と出会う場面などは興味深い。柔道と柔術の間にとてつもない葛藤があったように、義珍にもあった葛藤を描いている。

  • 明治から昭和にかけて
    門外不出の秘伝であった唐手を内地に広めた富名腰義珍の一生。
    普及するにつれて唐手が唐手でなくなる葛藤。

    ガマクを入れ、ムチミを使い、チンチクをかけなければ唐手ではない。

  • 面白かった。沖縄の手が競技として世界に広まった経緯とともに、沖縄の人たちの葛藤が伝わってきた。

  • 愚直に本質を見極めることは大切かもしれないけど、これで義珍は幸せだったのかしら?

  •  空手に先手なし、受け即攻撃。任侠〇〇シリーズがバカ受けwの今野敏さんの「義珍の拳」、2009.5発行。沖縄で生まれ、病弱の体を鍛えるために唐手を習い始め、やがて空手の修行から指導者に。そして松濤館流の始祖となり、日本空手協会の最高技術顧問に。昭和32年4月26日、88歳で永眠した船越義珍先生の生涯を描いた作品。

  • 琉球の下級士族の家に生まれた富名腰義珍は、病弱や気弱を克服するために門外不出の唐手を学びはじめます。
    師の言う通り、毎日同じ型を繰り返す稽古の中で、義珍の心身は強靱になっていきます。
    教育者となった義珍は、唐手を青少年の育成に役立て、沖縄のみならず、本土にも普及させることを決意します。
    本当の「唐手」か、スピードや筋力を重視した「空手」か。
    経営面も考えなければならず、義珍の苦悩は続きます。
    師弟愛、夫婦愛、親子愛も描かれた、重厚な武術小説です。

  • 全ての空手家に読んでほしい。
    空手がどこから来て何処へ行くのか。
    考えさせられました。

  • 空手の原点、ここにあり。琉球空手を極め、日本本土に広めた人物、富名越義珍。明治から昭和まで、激動の時代を駆け抜けた、伝説の空手家の、波瀾万丈の生涯を描く。
    義珍は、子供のときに、体を鍛えるために、空手をはじめる。以来、「空手は、心身を鍛えるために、修業を積むものだ」という新年を貫き、決闘や、試合を好まなかった。そこが、「武士猿」こと、「本部朝基」と異なる。古典的琉球空手を、重要視した義珍。しかし、日本本土で広まりつつあった空手は、時代を経るごとに、その形を変えていった。そんな状況の中、義珍は、晩年、何を思ったのだろう?

  • ナイファンチ

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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