左岸 上 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467956

感想・レビュー・書評

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  • 辻仁成と共作の、ある女性の半生を描いた小説

    上巻は主人公の茉莉の少女時代から結婚・出産・夫との死別までが描かれている。

    決して悪い小説ではない。人物描写も情景描写もすっと入ってくる。
    しかし女性視点であるせいか、私には全く感情移入ができなかった。

    ある意味不幸な出来事を抱えながらたくましく生きていく女性だが、どうしてもその行き当たりばったり的は生き方は反発を覚えてしまった。

    良かった点は、早くして亡くなった兄の言ったセリフ。
    「物事には準備する時間は与えらていないんだ」
    このセリフにのみぐっと来た。

  • 江國香織の小説は
    声に出して読みたくなる。

    登場人物の名前

    茉莉、惣一郎、九、さき、始、新、喜代、志津夫・・・

    最初はその名前たちへの違和感があったけど
    下巻まで読み終えるとそれらが
    この物語の色にぴったりだったなーと。


    茉莉の人生は波乱万丈という言葉が
    似合うようで似合わない。

    わたしは茉莉みたいにたくさんは恋愛できないと思う。
    でも茉莉をうらやましいとか思わなかったし
    哀しい人生だとも思わなかった。

    少女から大人の女性へ、そして母へ
    成長していく茉莉の気持ちがわかるには
    21歳の今じゃ不十分かもしれないな。

  • 茉莉の人生

  • 子どもの頃、自分の意思を持った自由な生き方を知らなかったので、こういうのもありだなぁと思って一気に読んだ。「超然としてればいい」2012.05

  • 【右岸と左岸まとめた雑感】

    なんかもうやっと読み終わったっていう感じがする。

    「左岸」をやるせないというか、救いようのない話(とっても江國さんぽいけど)だと思ってたから、読み始めは「え、こんな突飛な話なの?」っていう内容なんだけど、途中から、むしろ右岸のほうが重ーくて深ーくて暗ーい話だった。断然「左岸」より読むのにパワーがいった。

    もしかしたら私は「右岸」のほうが面白かったと思ってるのかも。
    確かにそんなに性描写はいるのか?って思ったけど。

    読み通すなら「左岸」からのほうが入りやすい。
    でも、話を分かりやすくしたいなら「右岸」から。
    たぶんもう一回「左岸」を読み直すと思う。

    とりあえず、お酒を美味しく飲んでみたい衝動と、博多弁が丸移りする。

  • 少し前に読んでいた「右岸」。
    そして、とうとう読み始めました「左岸」を。

    九ちゃんの人生と茉莉の人生。
    その真ん中には、死んだ茉莉の兄である惣一郎がいて。

    こちらは茉莉の人生。

    九の人生が、
    とにかく切実であり切望するという
    切なくて苦しいものだとしたら、
    茉莉は
    ぶつかって引っぱられて
    それでも女性らしく軽やかに
    ふらふらとふわふわとしながら
    どうにか歩こうとしている天真爛漫というか自由さがあります。

    ふたりが人生の川を揺蕩い始めるときに、
    惣一郎はすでに海という大きなものと合流しようとしているような。

    ただ、
    九は数ある出会いの中でも、
    茉莉を追い求めていたのに対して、
    茉莉はなんとなーく思いだして、
    でも
    目の前の出会いが一番という、
    対岸とゆーか
    一瞬を生きる情熱やモチベーションは違う気がします。

    引きずる男と
    潔の良い女というか。

    九が超能力やらスピリチュアルなものがあるのに対して、
    茉莉は子供を授かったり男と恋愛したり、とことんリアルで。

    これが右岸と左岸なのかなー。

    共通に描かれている二人が再開する場面は、
    お互いこう思っていたのかーと
    考え方と状況の捉え方の違いもなんだか新鮮でした。

    近づいてまた離れて、平行していて。

    「だって、あたしはずっと考える練習をしてきたっちゃもん」
    「あたしはちゃんと考えたいし、考えればわかるんだもの」

    向こう岸は、決して交われない遠い遠い対岸のようです。
    さて下巻読まなくちゃ。

  • 男性の繊細さと女性の強さを思いしる。。

  • 自分を生きる、ということ
    愛に生きる、ということ
    人を愛する、ということ

  • 江國さん×博多弁・・・
    だめだ、すごい違和感で最後まで馴染めなかった。どうしても下巻を読む気になれないので断念。
    「冷静と~」もそうだったけど、辻さんとの合作になるとどうしても江國作品本来のゆらゆらとした空気感が薄れてしまう気がして。

  • 読んだ後、右岸から読んで良かったと思いました。主人公の心情ばかりで、状況説明が全く分からず(九ちゃんの事とか…)なんだか置いてけぼりにされてしまいました。「冷静と情熱のあいだ」の相思相愛な雰囲気を想定していたのが迂闊でした…。右岸の時もそうですが、パリに行ってからが面白いですね。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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