迷宮 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 180
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474466

感想・レビュー・書評

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  • ごく普通のOL藤内真奈美は、合コンで知り合った大学生の井口克己に付きまとわれた末殺され、身体の一部分を切り取られる。井口はそれをアイスクリームの中に埋め込み保管していた。作家の中澤は、世間で『アイスクリーム殺人事件』と呼ばれたこの猟奇殺人を題材に小説を書くべく、井口や真奈美の周辺を取材する。その取材メモや週刊誌などの記事を、『記憶喪失にかかっている男』が治療の為に読んでいく、という筋立て。こうして書くとややこしい。
    語り手が記憶を失っている為、霧の中を手探りで進んでいるような心許ない状況ではあるが、徐々に真相に近づいて行く過程は読ませる。井口の異常性や真奈美の他の一面も、いきなり前面に押し出すのではなく、読むうちに分かってくるのも良かった。ただ、大方そんなところだろうなと予想通りになってしまってはいるが。近年ストーカー事件が起こりすぎているので、こんなことくらい珍しくないという気になってしまっているのだ。勿論そう思うことに実はなくむしろ危険だ。
    明言はされないが、語り手が井口、治療師が中澤という関係で進んでいるように見える。だが、本当は二人は同一人物で、殺人以後の全ては井口もしくは中澤の妄想であるようにも思える。ラストが分かり辛いというかスッキリしないが、分かったような気でいればいいのだろうか。だって脳髄は人間の中の迷宮だから。

  • 記憶喪失の男、 猟奇的な事件、 さぐる小説家。

    後半、ミスリードしようとするきらいが目ざといが、
    ラスト、ふわっと終わっていく。

    まぁまぁかな。

  • 賛否両論ある作品ですね。ネットでネタバレ、検索しても
    様々な解釈してる方もいるようでして。
    確かに、あのラストでは色々な解釈もできますし、納得できない!
    という方がでてもおかしくはないでしょうね。
    私もなんかモヤモヤした終わり方には、納得いかないとは感じましたが
    再読してみて、こういう作品もありかなぁと。
    ただ、そうそう他人にはお勧めは出来ませんがね。

  • 他の方のレビューにもあったけど、「なんだかなぁ、という感じ。まあ要するに、私は好きじゃないです」。素晴らしい。それに尽きる!

  • 記憶喪失という、たぶん主人公であろう人物の事が分からないまま
    話は進んでいくけど、
    途中で、きっとこの人が犯人だって言うのは察しが付く。

    最後まで読んで、思った事は
    この内容に似た事件。何年か前にNEWSで見た気がする。。

    妹ではなかったけど、

    本に影響されてたら、またまた内容とかぶるので
    色んな意味で怖い

  • なんだかなぁ…って感じ ま、要するに私は好きじゃない本です

  • えぇえ???


    ものすごいあおりの文章に思わず購入した一冊。
    「すごいすごいすごい! こんなとてつもない一冊が埋もれていた!!!」

    途中までは本当にすごい。
    伏線と言うか半ば予測できるようなそうでないような、
    およそありえない仕立てにうきうき。

    とある猟奇殺人の供述調書や小説仕立ての文章、
    あるいはインタビューが連日、記憶喪失(らしい)男の前に出され、
    読書(?)が続く。

    最後の最後でなにがなにが??と、半ば強引に読み進む。
    そうして最後のページをめくって思わず「あれ?」
    落丁かと思うほどにぽてっと終わり。。

    えー?消化不良というかものすごいキレの悪い感覚。
    ちょっとー??
    少ししたらもう一回、読んでみなくちゃ。
    誰かがそこまで楽しんで、あたしが楽しめないとしたらすごい損失じゃないか?

  • たしかにタイトル通り「迷宮」だわな。
    結局真実がうやむやなまま、終わったというか。
    色んな媒体の文章で構成されてて視点がコロコロ変わるからこそ完成した作品なんだろうけども。
    ブックファーストでゴリ推しされてたわりには、期待はずれな内容だった。

  • 書店員さんが見つけたすごい本ってことらしいけど。文○堂のレベルを疑います(笑)私なら折原一の教室シリーズを勧めるなぁ。まあ好みの問題さ…。
    最終的にラストで私の脳みそが迷宮入りした(笑)
    あ、バカだから??

  • ものすごく積んであったので買ってみました。
    猟奇殺人という背景があったせいかあまり読んでいて
    気分のいいものではなかったですね。
    どんでん返しが好きな私には物足りなかったかな。
    被害者女性の別の一面が出てきたあたりは「お?」と
    思ったのだけれどそれ以上の展開がなかったのが残念。
    作家を通した筆者の本音?のような一文を読んだので
    ★はとりあえず3で。

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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