幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087475388

感想・レビュー・書評

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  • 高野さんの原点であり、早稲田大学探検部の伝説となった探検の一部始終。
    後の作品の核となる、現地の人との現地語での遣り取りへのこだわりや、「誰も行っていないところに行き、それを面白おかしく書く」という高野さんのコンセプトの萌芽が読み取れた。
    『語学の天才まで一億光年』を読んで色々と気になったことのピースが嵌ったと同時に、『飼い喰い』を書いた内澤旬子さんと高野さんが気が合う理由が垣間見えた気がする。
    今、どこの大学でも探検部は存続が難しいと聞いている。探検は壮大な回り道だから、タイパ重視のデジタルネイティブには敬遠されがちなんだとか。もったいないなぁ。

  •  早稲田大学探検部の著者のデビュー作である。

     デビュー作ということもあって、文章表現などは洗練されていないが、アフリカ現地の情景を現せていないわけではない。逆に、荒削りな表現が荒々しいアフリカとマッチしていたりもするか。

     秘境探検の小説が数少ないなかで、著者の作品はエネルギーに満ち溢れてはいるが、動物など生き物に対し、少し残念な表現(もう少しストレートに言うと、愛が全く感じられない、動物などの生き物の命を頂いて人間は生かされているという有難さの観念がない表現)が多く見受けられ、そんな言い方するかー、という場面にしばし出会う。ここらが、もう少し後の作品になれば、人間味も増し、よりよいものになるかなと期待したい。(日本でノウノウと生きているよりもっと過酷な世界を探検したら、そんな動物愛のことなど言ってられない、と言われるかもしれないが、逆に、過酷な世界を経験したからこそ、食への考えなどは洗練されてくるのだと思うが、どうだろうか。)

     ムベンベを追え、という題名であるが、内容はムベンベを探すより、アフリカ人とのすったもんだ道中記みたいなものだ。

     次はアヘン王国を読もう。

  • 探検部の実録本。

    アホです。でも、本気です。すがすがしいです。
    エネルギーあります。

    年配の方に
    「『まじめ』に生きるんじゃなくて、『本気』で生きろ」と
    諭されたことがあります。
    この本は、それを実践したと思われる若者の記録です。

    何かを成すのは確かにすばらしい。
    でも、生きて全力で感じること以上にすばらしく
    また、学び甲斐のあることがあるだろうか?

    なんだか生きるのがめんどうになった…
    一体、生きるだけの生活に何の意味があるの?
    生きることになんの意味が…

    そんなネガティブ思考スパイラルにはまって、元気がうばわれ、
    一歩も動けない、と膝をかかえている
    モラトリアムな大人子供に告ぐ。

    意味なんかない。
    目的があるから生まれてきたとか、難しいこと考えるな。
    本書を読め。
    ばかばかしくなる、でも、いっか、それで。いいんだ、これで。

  • 1週間を海外で過ごすとなったときに、気持ちを前向きにしようと読みました

  • わりとまともな、U馬探索レポート。
    高野さんの初期本なので、一生懸命書きました
    というのが感じられる。

    秘境に行くのには大変なことなんだなー。
    探検隊の苦労がしみじみ実感できる。

  • □面白かったところ
    国際的に保護されているとゴリラについて熱く語るドクター。次ページに自動小銃で‥

  • 探検は楽じゃない。でも憧れる。

  • 文庫版あとがきで、探検部員のその後について書かれている。進路が思ってもいないものばかりで、誰にも未来はわからないなと思ってしまう。
    村上が好きな人物なのだが、それはコンゴでも数学書を読むという姿に憧れたからだ。そんな彼が自衛隊に入隊するなんて、誰が想像つくだろう。
    自分の未来もどうなってるか本当にわからないな。

  • 早稲田探検部高野さんの活動記録。

    大学生なのに科学的、建設的分析といったつまらないリアルは無視して冒険に没頭するところがすごくいい!!
    この時代(80年代)、自分が子供だったというところがありますが、神秘的な謎がまだまだ多くて世界がわくわくだらけだったなあ。

    そして時代が進み当時は自分の足と頭でしか獲得できなかった情報の多くが、インターネットの出現によって1クリックで確認できるようになってしまい、半端なくたくさんのことが知れるようになった一方で、定量化できない”わくわく”がごっそり奪われてしまったことに気づく。。。

    とはいえ人生一度きり、地球に対して自分自身はちっぽけな存在なので、いい年になったとはいえ純粋な冒険心と行動力を錆びつかせず生涯大切にしていかなくちゃって思った!

  • 辺境作家、高野秀行さんのデビュー作。(?)
    ザイールじゃない方のコンゴでの、幻の幻獣ムベンベを探した1ヶ月間の手記をまもめもの。ドクターがゴリラを仕留めた描写は、なぜだかとても記憶に残る。
    写真も笑える。。

著者プロフィール

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

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