エンブリオ 1 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087478730

感想・レビュー・書評

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  • エンブリオーそれは受精後八週までの胎児。天才産婦人科医・岸川は、人為的に流産させたエンブリオを培養し臓器移植をするという、異常な「医療行為」に手を染めていた。優しい院長として患者に慕われる裏で、彼は法の盲点をつき、倫理を無視した試みを重ねる。彼が次に挑むのは、男性の妊娠実験…。神の領域に踏み込んだ先端医療はどこへ向かうのか。

  • 配置場所:摂枚文庫本
    請求記号:913.6||H||上
    資料ID:95140041

  • レビューは下巻に書きます

  • これは物語(小説)の形を借りた、現代医療の倫理上の問題点を啓発する書でしょう。確かにミステリー仕掛けで小説としての姿は整っているのですが、作者の書きたかったテーマはそこにあるようです。
    主人公の岸川医師は、献身的で優秀な医者として描かれます。その結果、全ての患者から信頼され、かつ、それを裏切らない医者です。しかし一方で、彼が、そして日本の法律が人間とは見なさない胎児、卵子、精子については”物”としての取り扱いです。その行為は恐ろしく、グロテスクです。
    こうした問題に対し、興味がある方以外には、余りお勧めできる本では有りません。

  • 読んで損はなし。

  • エンブリオ―それは受精後八週までの胎児。天才産婦人科医・岸川は、人為的に流産させたエンブリオを培養し臓器移植をするという、異常な「医療行為」に手を染めていた。優しい院長として患者に慕われる裏で、彼は法の盲点をつき、倫理を無視した試みを重ねる。彼が次に挑むのは、男性の妊娠実験…。神の領域に踏み込んだ先端医療はどこへ向かうのか。生命の尊厳を揺るがす衝撃の問題作。

  • 生殖医療を舞台にした小説。

    生殖にどこまで人間の手を加えてイレギュラーな生命を誕生させるのか。そこに絡む人間関係。

    学会のモナコ観光の下りとかつまらなかったなー。展開が遅い。

    中絶胎児を保存、大人の治療のために、妊娠中絶。受精卵分割保存。倫理的にはどうかと、思うが違法ではないという、この国の法律の隙間をつき、自分の実験を進める岸川。

    下巻はどうなるのか。

    目玉は男性の妊娠。

  • 医療、倫理について考えさせられました。お話は極端だったり、物語として読めますが、読んだ後いろいろ考えてみることが出来るきっかけ本でした。

  • 大学で研究する内容に近いジャンルだったので手にとった一冊。
    生殖医療において、法的な規律がちゃんとしていない事実を再認識させられた。学会の中での規律が暗黙の了解のルールになっている現在、法的処置も取らねば岸川のような医師が現れる可能性も否定できない。
    ただ、倫理的問題が一切無くなれば、生殖医療、再生医療での技術開発スピードが急速に上がるであろうことも事実。生殖器官、配偶子から受精卵、着床時、妊娠、出産......、どこからが倫理的問題が発生するのかと改めて考えさせられる一冊。
    下巻も気になる。

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著者プロフィール

1947年、福岡県小郡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。’93年に『三たびの海峡』(新潮社)で第14回吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』(新潮社)で第8回山本周五郎賞、’97年『逃亡』(新潮社)で第10回柴田錬三郎賞、’10年『水神』(新潮社)で第29回新田次郎文学賞、’11年『ソルハ』(あかね書房)で第60回小学館児童出版文化賞、12年『蠅の帝国』『蛍の航跡』(ともに新潮社)で第1回日本医療小説大賞、13年『日御子』(講談社)で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、2018年『守教』(新潮社)で第52回吉川英治文学賞および第24回中山義秀文学賞を受賞。近著に『天に星 地に花』(集英社)、『悲素』(新潮社)、『受難』(KADOKAWA)など。

「2020年 『襲来 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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