僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.64
  • (163)
  • (161)
  • (369)
  • (21)
  • (3)
本棚登録 : 1988
感想 : 152
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087486391

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • [2013_02_02]
    みつをの類と共にトイレの本棚へ設置(放置)

  • せつない傑作です。
    もう、名言抜き出しだけで良いと思いますので。
    ぜひ読んでください。

    「ただ、こうして生きてみると分かるのだが、めったにない、何十年に一回くらいしかないかもしれないが、「生きていてよかった」と思う夜がある。一度でもそういうことがあれば、その思いだけがあれば、あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける。」≪僕に踏まれた町と僕が踏まれた町‐中島らも≫

    「『人の命は地球より重い』とよく言うけれど、そんなものは嘘っぱちだ。地球の方がやはり重い。ただ、その人の。およびその人を愛する人にとってみれば、地球なんてオレンジ1個よりも軽いかもしれない。」≪僕に踏まれた町と僕が踏まれた町‐中島らも≫


    「僕は土地柄がどうだから楽園だなんて話は信じない。そこに好きな人がいるところ、守るべき人がいてくれるところ、戦う相手のいるところ。それが楽園なのだと思う。」≪僕に踏まれた町と僕が踏まれた町‐中島らも≫

  • 中島らもの青春時代のエッセイです。友人の自殺を通じてなど、生と死に関しての、らも氏の捉えかたがわかる一冊です。「転がり込んできた命を、また同じことをして捨てにかかるのでは、死んだ人に対して申し訳がたたない。だから僕は生きることにした。」(P95)、「こうして生きてみるとわかるのだが、めったにない、何十年に一回くらいしかないかもしれないが、生きていてよかったと思う夜がある。一度でもそういうことがあれば、その思いだけがあれば、あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける。だからあいつも生きてりゃよかったのにと思う。生きていて、バカをやって、アル中になって、醜く老いていって、それでもまんざらでもない瞬間を額に入れてときどき眺めたりして、そうやって生きていればよかったのに、と思う。」(P193)

  • ロックといえばらもちゃん!
    らもちゃんといえばロック!

    ロックというものを思いきりクールにかっこよく「セックスドラッグロッケンロール」的に描く作品はたくさんありますが、ロックというものをこの日本に持ち込んだ瞬間、そこはかとなく漂うもの哀しさ、がっかり感、やらされてる感・・・・はっきり言ってしまえば、日本人がギターを持つことはださいんです!

    ロックをかっこ悪いものとして書く、ということを、わたしはらもちゃんに教わった気がします。ロックが大好きなのに、憧れのストーンズみたいにかっこよくキメたいのにそうできない、とほほな日本人ロック少年の悲哀は、イギリスやアメリカのエッジの効いた青春ロック物語にくらべたらほんとにしょぼくてかっこ悪いけれど、たまらなくいとおしい。
    ギターをふりまわしてめちゃくちゃに破壊するロンドンパンクスではなく、Fのコードが弾けなくてシャウトでごまかすなにわのロック少年をわたしは愛します!

  • 読んでいてなんだかスカッとしたというか少し明日から生きやすくなるように思う。社会に出たらもう一度読み返したい。あの時の青春が恥ずかしさが今の自分に繋がっていると感じることができるだろうか。

  • この本で、マイナーのスケール練習は「吹き出しそうになる笑いを抑える練習」になった。

  • まゆみちゃんのオススメ。かーなーりーハマッた!なんといっても舞台は知ってる町だらけ。三宮界隈の細かい道の名前にニヤニヤ、富田林の大阪芸大まで。行ったことあるとこばかり!らもさんって灘高だったんだねー。ドロップアウトの典型だけど。引き込まれる文章で、楽しくて仕方なかった。他のも是非読みたい!こういう青春小説、大好きだーーー

  • 大学の時に読んで、友人と初めて関西へ行った。この本と『西方冗土』、合わせて持って行った。「らもツアー」である。わけもなく灘校に行ったりした。時代は全然違うけど、同じ時代も過ごしてないけど、らもの「落ちこぼれ」の日々、おもしろいです。自分の「ダメさ」をさらけ出せるところが、この人のすごいところなのかもしれない。

  • 中島らもさんの作品というのは初めて読んだのだけれど面白いね、この人。

  • 中島らもの青春自伝。

    灘高、大学、ラリった20代前半。ここにらもの全てがある。

    らもが灘高で落ちこぼれるキッカケを作った先生の一言が印象的。

全152件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

1952年兵庫県生まれ。大阪芸術大学放送学科を卒業。ミュージシャン。作家。92年『今夜、すべてのバーで』で第13回吉川英治文学新人賞を、94年『ガダラの豚』で第47回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞した。2004年、転落事故による脳挫傷などのため逝去。享年52。

「2021年 『中島らも曼荼羅コレクション#1 白いメリーさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中島らもの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×