ポイズン 毒 POISON (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087507683

感想・レビュー・書評

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  • 数十年ぶりの赤川次郎先生でした。
    沢山の人が死んでしまう割にはサラサラと読めてしまいました。
    これほど完璧な毒だと、殺人に至るまでの葛藤とかが薄れてしまうのかと思いました。
    普段は葛藤とか経緯が恐ろしいのですが、ここまでハードルが下がってしまうことも、それはそれで怖いことだと気付かされました。

  • そんなバカな!?っていう展開が続く、一つの毒薬をめぐるミステリー。
    毒薬に関わった人間はみんな不幸になっていくというのに、開発した本人と、人の手にわたることを阻止しようとする直子は割と幸せに暮らしているという、、、、
    話の内容としては読みやすく、どんどん毒薬の持ち主が変わっていくので頭の中で整理しながら読むのが面白かった。ただ、あまりに突然終わってしまったな、、、という感じはある。
    毒薬の特性の変化についても納得できるとは言えない。

  • オムニバス形式だけど、「毒」でそれぞれが繋がってゆく作品です。
    大前提として「毒」の設定が面白く、一度は考えたことのあるであろう夢の「毒」。
    それに翻弄される人たちも多種多様で良かったです。
    最後にやや物足りなさを感じましたが、私の読解力が乏しいのかもしれません。。

  • すらすら読める。完全犯罪を可能にした、もの。毒。人を殺す者と、殺さない者の境界線はなにか。他人の命を絶ってはならないという常識は、自らの人生、また家族の人生を壊してはならないという制御からくるものなのか。グッと熱くなる展開は無かったものの、あっという間の読了だった。面白い。

  • この毒々しいまでのショッキングピンクのカバーよ…
    普段あまり読まないミステリーを読んでみた。
    短編4篇がリレー式でつながっていく物語でとにかく読みやすく、一気に読了。
    毒薬の恐ろしさよりも、毒薬を手にした登場人物たちの
    底無しの憎悪のほうが怖いの、あるあるだな…
    初版1984年で時代を感じる表現はあるものの、今読んでもストーリー的にとても面白いのはすごいなと思った。

  • 読んだきっかけはドラマでこの作品を知って、絶対に検出されない毒という設定がとても面白かったので買いました。そして初の赤川次郎作品です。読んだ感想は、事件が起きるたびに毒薬が転々と新しい人に渡っていきそれぞれで全く異なるドラマが描かれているので読んでて常に新鮮で飽きずに最後まで楽しめた。そして毒薬を使った人の人生が狂うというのもまた毒々しい。面白かったです!

  • 2012.11.08

    【経緯】
    赤川次郎作品初見。
    ドラマ化を機に1冊くらい読んでみようと思って

    【感想】
    軽く読める、まとまったミステリーという印象。
    「効果が出るのは24時間後、心臓発作のかたちであらわれる毒」
    犯人だと絶対ばれないなら、いなくなって欲しい人間に軽い気持ちで手をかけてしまいかねない大衆の心理を組み込んでいながらも、何かしらの因果応報が待ち受けているアイロニー。
    毒の渡り方はなんとも予定調和な感じはするけどそこはフィクションのご愛嬌。笑

    【うんうん】
    ・登場人物に愛嬌がある。特に松井先生。かわいー
    ・赤川さんは積極的な肉食女子を可愛く思う傾向があるのかな?
    ・エピローグがプロポーズのハッピーエンドで救いがあって読了感がいい。ユーモアミステリーを意識しているなっておもう

    【冒頭】
    「あなた、誰か殺したい人っている?」

    【内容メモ】
    第一章 男が恋人を殺すとき
    第二章 刑事が容疑者を殺すとき
    第三章 スターがファンを殺すとき
    第四章 ボーイが客を殺すとき

  • ミステリーは何冊か読んでるけど、恥ずかしながら赤川次郎は一冊も呼んだ事無かったなと思い購入。
    下世話なバラエティで見た事があるけど、実際こういう毒ってあるらしいですね。どうなるんだ…と思ってたら、意外にファンタジーでした。女は逞しい。

  • 殺したい人がいる。証拠の残らない毒を手に入れたら人は殺人を犯すのか。短編集で読みやすい。しかし悲しい結末に胸が痛む。

  • 毒薬が人の手を渡り歩いていく連作であるところがおもしろかった。
    完全犯罪を成立させられる毒があったとしたら、人はこんなにも短絡的に毒を使用するのだろうか?
    その結果訪れる各編のオチも、また人間の滑稽さを感じさせるものだった。

著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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