革命のライオン (小説フランス革命 1)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712179

感想・レビュー・書評

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  • 流石に、10巻まで出ているのを積読にしておくわけにもいかないので、読み出しました。少しずつ。
    初版で買っておいて、今読み出すとはね。良くあることだけど、困りものです。

    ミラボーとロベスピエール。この二人が、物語の主役ということで、いいんですかね。
    とりあえず、ミラボーについていけ、という感じなんだけども。

    デムーランが、表舞台で活躍する日は来るんだろうか?

    バスティーユ陥落と、ギロチンぐらいしか知らないフランス革命。手探りで読み勧めていくので、いろいろ咀嚼するのが大変だ。

  • 相変わらず著者の描く人物は活き活きしている。盛り上がるところは一気に盛り上がるし、停滞するところはとことん停滞していて、読んでいて飽きない。
    文章も読みやすくてスッと読める。今後の展開が楽しみ。
    それにしてもミラボーがかっこいい。それにたいしロベスピエールの青臭いこと。これからどう成長していくのか。

  • フランス革命と言ったら、「私は童貞だ」のあの画面しか思い浮かばない。
    ベルばらよりかはましだと思うが、やはりそれはそれだと思うので、ちゃんとフランス大革命について読んでみたいと思い、好きな作家の佐藤賢一氏の本を手にとってみる。

    面白い。

    ミラボーがすごくいい。
    「男は保身」ってたまんないじゃないか。それに、書生のロベスピエールが童貞かどうかはともかく、このあとああなるんだから、それはどういうふうになるんだ?
    意外なんだが、第1巻で、とても常識的に、国民公会とかテニスコートの誓いとかまでいく。それに思考は、だれもかれも穏健で常識的で、なぜそのあと、ああなったのか分からない。つまり、先がワクワクする。
    たまんねえ。

  • 文庫版が短すぎるので、たまらずこちらに手を出し続きを読む。やはり人物描写が面白い。ミラボー伯爵は言うまでもないが、特に卑屈で劣等感に苛まれている人物ほど面白い。

  • 以前読んだ「世界の歴史〈10〉フランス革命とナポレオン (1983年) (中公バックス)」で言うと、おそらく冒頭30ページほどに相当する内容が、200ページほどにわたって書かれている。

    これを読んであらためて世界の歴史 はよく書けているなぁと感心した。
    もちろん佐藤賢一のフランス革命がダメだと言っているわけではなく、むしろ ミラボーやロベスピエールの人間味がよく伝わってきて物語にぐいぐい引き込まれる。

    が、このフランス革命を読むにつれ、世界の歴史が頭の片隅に浮かび上がってくる。ネッケルが頼りにならないと書いてあった、ミラボーの鬘のことも書いてあった、など。

  • 歴史書ではなく歴史小説としてのフランス革命。
    第一巻は革命の下地さえもない時代、煮え切らない議会のお話です。
    第三身分が何とか特権階級と同等に発言できるように四苦八苦する息遣いが、小説だからこその臨場感で我々に訴えかけます。

  • 文庫化記念に再読。完結してから一気読みするつもりだったけど、最終巻の刊行予定が2013年9月と知り諦めた。あと二年も待てないよ。
    あんまり気持ちが盛り上がらないと思いながら読み進めたら、初読時もそれまでの興奮は覚えてなかった模様。物語はまだ序章ということか。

  • 西洋史小説を書き続けている佐藤賢一によるライフワーク・『小説フランス革命』がついに完結した! と思って喜び勇んで読んだら、実はまだ第一部完結だった。第二部は来年以降刊行らしい。ええー。私は小説は完結してからまとめてガーッと読みたい人なのに! ダラダラ刊行するのを年単位で待つのは、もう学生時代の田中芳樹と火浦功で凝りてるのに!



    議会随一の弁舌家であり革命の獅子と謳われた大人物ミラボー、革命成就の理想に燃える清廉な左派議員ロベスピエール、市民の蜂起を先導した市井の活動家デムーラン、張りぼての英雄ラ・ファイエットなどと、日本における幕末時代のように、さまざまな思想や立場を持った個性溢れる英傑たちが、大きな時代のうねりの中で時に協力し、時に対立する群像劇として描かれるフランス革命。



    現代日本の政治の根幹を成す「議会制民主主義」の原型の成立過程であるからには、現代政治の相似形としても大変興味深い(そもそも右翼・左翼といった名称もこの頃の憲法制定国民議会の座席位置が語源だし)。採決の鍵を握るマジョリティが、頑迷な右派や、頭でっかちで融通に欠ける左派ではなく、既得権益の護持しか頭にない中道ブルジョアであることだったり、政争に勝って与党となった一派が現実的な実行力には欠けて事態が停滞してしまうことだったりと、ともかく今に通じる政治風景が散見され、しかも黎明期であるからには、それらの核心がより明瞭であったりする。今に続く政治要素のルーツを知ることで、現在に対する認識も一段深めることができ…るような気にはなれます。

  • 佐藤さん、この一大企画に取り組んでくださってありがとうございます!ああ、これを待っていたのかも、と思いました。
    フランス革命というものを“ベルバラ”で知ってしまった私は、その後知識が増えるにつれて、どこにあるんだよロマンも理想も平等も!!とどんどんうんざりしつつ、どうも体系的にこの時代を整理できすにきました。佐藤先生の介錯
    、いえ、解釈に心から期待します。1巻ではさっそく、あのデムーラン氏が、恋に悩む優柔不断な若者として登場しました。うう、これからが楽しみ!どうぞフランス革命が少しでも好きになれますように。

  • 教科書ではあまり注目されないミラボーメインの話。

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著者プロフィール

佐藤賢一
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年「ジャガーになった男」で第6回小説すばる新人賞を受賞。98年東北大学大学院文学研究科を満期単位取得し、作家業に専念。99年『王妃の離婚』(集英社)で第121回直木賞を、14年『小説フランス革命』(集英社/全12巻)で第68回毎日出版文化賞特別賞を、2020年『ナポレオン』(集英社/全3巻)で第24回司馬遼太郎賞を受賞。他の著書に『カエサルを撃て』『剣闘士スパルタクス』『ハンニバル戦争』のローマ三部作、モハメド・アリの生涯を描いた『ファイト』(以上、中央公論新社)、『傭兵ピエール』『カルチェ・ラタン』(集英社)、『二人のガスコン』『ジャンヌ・ダルクまたはロメ』『黒王妃』(講談社)、『黒い悪魔』『褐色の文豪』『象牙色の賢者』『ラ・ミッション』(文藝春秋)、『カポネ』『ペリー』(角川書店)、『女信長』(新潮社)、『かの名はポンパドール』(世界文化社)などがある。

「2023年 『チャンバラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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