ここに消えない会話がある

著者 : 山崎ナオコーラ

• 集英社 (2009年7月24日発売)

感想・レビュー・書評

[katomoさんの感想 · 2011年3月5日]

お仕事小説！
会話！
と銘打ってるほど、お仕事！でも会話！でもなかった。たしかに新聞社の話なんだけども。こんなふうに働いてるこんな人たちの普通の生活を切り取って見せたよ～なテイストは、何もないからこそ、光る何かしらをミタイのに、あまりぴんとこなかった。

作者はガンガンいくタイプだったのだろうな、ということだけわかった。

[kaamosさんの感想 · 2011年2月22日]

僕らは「消えない会話」があることを知っている。
印象深かった会話だけでなく、本当にどうでもいいような瑣末な会話が消えなかったりすることがある。会話だけではなくて、話ぶりとか、表情とかも。それって幸せだよね。
「消えない会話」ってのは、自分が何の気無しに思い浮かべることが出来る「あの人」と同じように、自分が歩いてきた道を振り返る時に見える光なのだと思う。

人と人との関係は会話から始まる。
そこから派生する物語も会話から始まる。
そうやって人生を創って行くんだ。
相手と自分と他者と皆で構築していく人生なんだって、そこに人がいるから会話をするんだって、そんなことを思った。

この小説は共感と驚異がこれでもかって位にやって来る。
実を言うとここ最近、苦手と言って来たナオコーラ作品のこと、憎い位好きになりかけてきちゃった。やばいねこりゃ。
素敵な表現いっぱいの大好きな本でした。

[ako.さんの感想 · 2011年2月7日]

久々にナオコーラさん読んだ。

幸、不幸のあたりの話、すごくわかるなぁと思いました。


小一時間で読みました。

働くってやなことたくさんだよね。
会社ってなんなんだろうね。


よく思うけど。


でも多分私と働いてる人は私のこと嫌なやつだと思ってるだろうなぁってしみじみ考えてしまった。


明日も頑張ろうぜサラリーマン。
明日も戦おうぜサラリーマン。

[tsukitosubaruさんの感想 · 2011年2月3日]

いかにも消えてしまいそうな、というか普通すぎるほど普通な会話が内容の中心なのに、このタイトルを付けるだなんてアンビバレンスだなあ、と思わせる点がおもしろいが、おもしろいのは正直この矛盾だけな気がしてしまう。
謝らせてもらえない云々のくだりは、確かに自分がこういう立場になったことがないので、ナオコーラならでは。
肌色クレヨンのほうがまだ興味深く読めた。わたしもあの藤田展に行ったな。

[たけちゆさんの感想 · 2011年1月31日]

こういう何気ない会話を後になってふと思い出すことがあるんだなー。

[もも子さんの感想 · 2010年12月20日]

広田の抱える陰鬱な思想は、日本人なら誰しも一度は抱いたことがあると思う。一人で自由に生きたいけれど、そんな事は到底無理だ。ああ、懐かしの肌色クレヨンは、最初同性愛の話かと思った。

[アコさんの感想 · 2010年12月6日]

数ページで返却期限が。残念。
近々また借りよう。

[ねむりねこさんの感想 · 2010年11月24日]

働くとか、人とつながるとか、言葉とか生活とか芸術とか。
日々を少しだけ美しくしてくれる、とてもよい小説だと思った。この作家の弱さへの寄り添い方はとてもニュートラル。出てくる「広田」というキャラクター、この人の目線に触れただけでも気持ちがよかった。
急に紙のはしっこがちらっと裏返って思わぬ色が見え隠れするような、油断できないなんとも不思議な構成でもあると思う。休日の夕方にとてもふさわしい一冊。

[abird11さんの感想 · 2010年11月6日]

なかなか世界観に入れずそのまま終わってしまった。
日常過ぎて何も起こらない・・・

[たぁさんの感想 · 2010年10月21日]

ラジオテレビ欄の仕事については飽きてくる
他人の仕事って興味ないものはほんとに耳に入らないものだ
ただ本人にとっては非常に大切な、メインとなるものなのだけど
「この世は二人組ではできあがらない」と連動している

著者プロフィール

1978年生まれ。「人のセックスを笑うな」で2004年にデビュー。著書に『カツラ美容室別室』（河出書房新社）、『論理と感性は相反しない』（講談社）、『長い終わりが始まる』（講談社）、『この世は二人組ではできあがらない』（新潮社）、『昼田とハッコウ』（講談社）などがある。

「2019年 『ベランダ園芸で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」