洋子さんの本棚

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  • 集英社 (2015年1月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715910

洋子さんの本棚の感想・レビュー・書評

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  • 岡山で生まれ育ち、高校卒業後に上京した同世代。
    子供のころから本が好き。
    文章を書くことを生業としている。
    …等々、いくつもの共通点を持つ2人の洋子さんが、それぞれ本を持ち寄り、語り合います。

    気軽に手に取ったのですが、読み始めてみるとずしりとした重みのある対談集でした。
    特に第2章「少女から大人になる」では、少女から大人になり、そして母となった洋子さんたちのお話を傾聴する思い。
    私も思春期を経験してきたはずなのですが、今思い返してみても本書で話題にされているような心の動きがあったのかどうか…ずいぶんぼんやりと思春期を過ごしてしまったような気がします…。
    これまで読んでこられた本がお二人の人生やものの見方に影響していることが伝わってきて、より奥行きのある対談に感じられました。

    巻末のおまけ対談では、お二人の茶目っけも垣間見えるのがすてき。
    「一夜をともにするとしたら誰がいい?」という質問にチャールズ皇太子と答える小川さんにきゅんとしてしまいました。

  • 私はお二人と同年代なので、「そうそう私もその本読んだわ-」と懐かしがれるかと思って読み出したが、いやいや、そんな安直な内容ではないのだった。さすがにもの書きのプロである方たちは違うなあというのがすぐにわかった。少女時代や中高生のころに読んできた本の厚みが違う。受け取る感受性が違う。感嘆するばかりであった。

    なんてみずみずしく、また深く、本を読む人たちなんだろう。様々な本について語られているが、自分も読んだことのあるものについて思いがけない視点があったり、未読のものはぜひ読んでみようと思ったり、とても興味深いブックガイドになっている。

    小川さんの書かれるものはどれもいいなあと思うが、特にお子さんにまつわるエッセイがすごく好きだ。子どもへの視線や態度がたいそう好ましく、共感することが多い。この対談でも随所で、お子さんが幼いときのことや、手元から離れていった後の思いについて語られていて、そこが一番心にしみた。

    小川さんは阪神の掛布が好き、というのは知っていたが、平松さんは殿山泰司のファンだそうだ。「あのこぼれるような色気にくらくら(笑)」だって。対する小川さんが「掛布は相当私も言いづらかったですけど、殿山泰司で救われました(笑)」と言ってて、笑った。

  • 平松洋子・小川洋子、W「洋子」が語る、本と人生。
    なんて深く豊かな読書体験!ずっしりと重い内容はすらすらとは読み進められなかったけど、その分じっくりと内容を噛みしめながらページを捲る喜びを味わえました。
    少女から大人まで…これまで出会ってきた思い出の本を持ち寄り、過去を辿りながら、新たに発見できることがある。もう金言満載で、引用したくなるお言葉がたくさんありました。
    「よく言われる話ですが、紙の本には物量を読みこなしているという感覚も覚えます。めくるうちに右の頁がだんだん増えていき、左のページは減っていく。手に持つ感触や厚みが変化していくところからも、何かを得ている実感がある。」
    電子書籍のよさも認めるけれど、紙の書籍のよさとはまさにそれ!あまりに当たり前すぎてうまく言葉にできなかったけど、これこそが本を手にする喜びだよなと改めて実感した次第である。
    少女時代の振り返りから始まり、多感な思春期、家を出てから…そして子供を産んで…。「右の頁」が増えていくたび、語られる内容も深く重くなっていく。2人のこれまでの歩みと、紹介される本の内容が溶けて混ざり合っていくような感覚に捉われた。実は平松さんは今回お初、小川さんも数冊しか著書を読んだことがなかったため、先入観なく彼女達の語りに耳を傾けられたので、受け取る情報量がとにかく多くて。だからこそひとつひとつのエピソード全てが新鮮であった。
    今回、改めてじっくり「アンネの日記」を読んでみたいと思ったし、「暗い旅」(倉橋由美子)「みちのくの人形たち」(深沢八郎)は、重厚な世界観に強く引き付けられた。お二人の幅広い読書体験に唸らされる一方、巻末の「人生問答」はユーモラスな面を垣間見ることができ、無茶振り~な質問にも予想外の返しをしてくれて(笑)楽しませていただきました。
    様々な味に満ちている読書対談集、実に読み返し甲斐があります。だけど図書館に返却しなければ…残念…。文庫化したら、もう一度手に取ってみたいな。

  • 僕が平松洋子さんを知ったのは、小川洋子さんがホストをされる日曜日のFM番組で「野蛮な読書」が紹介されたのがきっかけ。
    二人の洋子さん。年齢も近く、岡山の同郷。主婦と文筆業を両立され、書評のお仕事も多いと共通することが多い。

    子供の頃からの愛読書を数冊ずつ披露しながら対談。軽い読み物として選んだけれど、母と娘の確執や性の目覚めと、オジサンさんは遠慮したほうがよかったかなと思う本音の話も語られる。「海を感じるとき」のように母から独立が性愛と関係するのがチョット不思議。それぐらいの勢いが必要ということかな。お二人が一人暮らしを始めたとき下宿に来たお母様は泣かれたと同じようなエピソード。逆に平松さんはお嬢さんが留学した時に泣いたそう。世の母たちの気持ちは強いんだね。結婚のときは巣立ちとは認識しないのかな。

    郷土のお祝い料理など子供のころの記憶やお子さんたちのことなど、作家の意外な一面を知る。小説書かないで、どうでもいいブログを読むとか理想の男性が掛布や殿山泰司とか、面白い話も満載。お二人の波長がピッタリ合って、素敵な対談になってます。
    読んだ本もあったけれど、あれ、自分は何を読んでたんだ、と冷や汗。

    この本、妻か長女に渡しても良いのかな。思案中。

    「トムは真夜中の庭で」「インド夜想曲」は読んでみようと思っている。

  • 同じ名前、同年代、岡山出身、という偶然が重なる本好きの小説家と文筆家の本についての対談集。私よりも少し年下ではあるが、同年代でどのような読書生活を送ってきたのか興味があり読んだ。やはり二人とも読書好きというだけあって、子ども頃から様々なジャンルの本に触れていることに驚かされた。読んだことのある本もあるが、マイナーな本も多かった。「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」など興味を持てた本を読んでみようと思う。
    巻末に本とは直接関係ないテーマで対談が掲載されているが、両人とも人々に注目される
    仕事をしているにもかかわらず、子育てをしたり日常で毎日ウォーキングやランニングをしているなど、普通の生活をしていることを知り、親近感も持てた。

  • 2017.11/30 似たような感性を持つ作家が、それぞれ気になる本をあげ、語り尽くす。とても深く興味深い。何冊も図書館予約のカートに入れてしまう。

  • 二人の洋子さんが、人生を幾つかに区分けして、その時期に読んでいた本を語り合う対談集。
    愛した本を語ることは、己をさらけ出すことだなと改めて思う。
    お二人の選ぶ表現の一つ一つもとても良かった。
    単なる読書案内ではなく、生きることへの真摯な思いに触れられる。
    また読み返したい。

  • 「洋子さんの本棚」(2015.1)、面白かったです、とても(^-^) 1962年岡山市生まれ「最果てアーケード」「とにかく散歩いたしましょう」の小川洋子さんと1958年倉敷市生まれ「小鳥来る日」「味なメニュー」の平松洋子さんの「本棚」です!お二人の対談形式です。私が読んだ本も沢山出てきます。そんなときは会話に一緒に入りたくなります(^-^) これから読んでみたい本もいくつかチェックできました。巻末に人生問答があり、一夜をともにするなら、平松さんは光源氏、小川さんはチャールズ皇太子だそうです(^-^

  • 小川洋子と平松洋子の二氏に夜、本にまつわる対談。
    彼女たちがどうやって独自の世界を作り上げてきたか、影響を何から受けたかを知りたくて、そして、自分がまだ出会っていない本と出会いたくて手に取った。

    本書の内容は全部で5章。
    そして巻末付録として人生問答。
    それぞれ、少女時代、青年期への移行、家から出る、日々の習慣、旅立ちなどのテーマに沿って進んでいく。

    少女時代に読んだ本で気になったのは『にんじん』。
    母の実家にあった本の中で、なんだか嫌な気がしたのにいつも読んでしまった物語だ。
    実の母から厭われている「にんじん」。
    確かにあれは、悲しい、とか辛い、とかではなく、妙に冷めた文体だった。
    でももう一度読みたくはないな.....。
    『トムは真夜中の庭で』も何度も読み返した作品だ。
    不思議な世界が広がっていて、『秘密の花園』と通じるものがあった。

    旅立ちの章では、以前から気になっていた『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』が挙げられていた。
    誰もが物語を持っていて、その物語をそのまま描くことで、大きな物語になるという。
    私なんて別に面白い生き方をしていないよ、といったって、生きてきた中には必ずその人しか感じ得ない「物語」がある。
    ああ、読んでみたい!
    もう一つ、『みちのくの人形たち』も怖いと思いながらもきになる本だ。
    産声を上げる前に殺してしまえば、もともといなかったことになる.....。
    恐ろしい風習だ。
    野蛮、ということもできるが、生きていくために必死なら、その選択しかなかったのかもしれない。
    昔私がこけしに感じた恐ろしさは、もしかしたら遺伝子の記憶なのかもしれない、そんなオカルティックなことを考えもする。

    巻末の人生問答はおかしみにあふれている。
    結婚の極意。
    干渉し合わない。
    なるほど!亭主元気で留守がいい、は箴言かもしれない。

    また、子供にまつわる記憶も素敵だ。
    ママの方が叶姉妹よりかわいい、だなんて!
    息子にそんなことを言われたらキュンキュンしてしまうなあ。
    娘の葛藤もいい。
    ちょっとだけ、残しておく。
    いいなあ。
    その一方で、佐野洋子の「産んだだけ」「生まれただけ」というのがすごい。
    そこまで突き放せると、寂しいけれど、楽かもしれない。
    親子にまつわる話は、楽しい反面苦しいことも多くある。
    いたらいたで、いないならいないで。

    とりあえず、辛いことがあったら風呂に入って寝る。
    これが一番のようだ。
    あれれ、本とは関係ない??

  • 岡山県出身の二人の洋子さんが、本について対話しています。

    まだまだ未知の、本の世界がたくさんありました…。

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人生50年。少女時代の思い出から踏みしめてきた女の踊り場、抱腹絶倒の人生の極意まで──。ともに読書家として知られる作家とエッセイストが、本と人生を名著とともに語り尽くす、実践的対話集。

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