- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087734874
感想・レビュー・書評
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ディタの強さに焦がれる
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なぜ人はこれほどまでに残虐になれるのか。信じがたいことが強制収容所では行われていた。世界中が戦争のない社会になるにはどうしたらよいのか。考えさせられた。
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フィクションではあるが、実際にアウシュヴィッツから生還した人に話を聞いて書かれたという実話ベースの物語ということで、生々しい描写も含まれているが、それも含めて非常に読みごたえがあった。
一言で言えば、人間をどんなに物理的に抑圧することができたとしても、精神までは支配することはできない、ということになるのだろうが、平和な時代に生きる我々には想像できないレベルでの抑圧がある中では軽々しく言えることではないのだろうと思った。
あとがきに書かれている運命的な出会いを含めて、歴史に埋もれようとしていたこの話が世に出ることになったのは、陳腐な言い方しかできないが物凄い偶然だと思った。 -
あれれ。感想書くの忘れてた。
アウシュアヴィッツの悲惨さは伝わってくれけど、本作主人公は其れを乗り越えて生き残った人。
感動します。読み終わって3ヶ月も経つと流石に文章がうかんでこない。失礼しました。 -
自由 in 不自由
逆もまた然り -
↓こちらのURLをクリックすると富山大学蔵書検索画面に飛び、
所在を確認できます。
https://opac.lib.u-toyama.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB2168721X?hit=1&caller=xc-search -
大人も子どもも、本が、物語が、世界への扉が、未知への好奇心が、心の騒めきを鎮める重石になり、光を感じる光源となり、自分を外から見つめる道具になりうる。
本の持つ可能性を強く感じる。
過酷という言葉では言い表せないであろう時と空間の中で、志を折らずに闘った人達。
同じ民族でも様々な考えの人々がいて、今の自分、自分のルーツに不利益な事実について、それは事実ではないと言い募る歴史の不確かさ、脆弱性。
歴史となる中で、どういう声を聴くべきかにも強く気付かせてくれる。
今のウクライナ侵攻も心を掠めながら読み進める。 -
異世界であって欲しかったアウシュビッツという実在の地獄、生き抜くのは無理ゲーという中で、力強く生きる少女の姿。その力の元は、数冊のボロボロの本と物語。
ユダヤ人の少女と言えばアンネ・フランクという悲劇のヒロインが思い浮かぶが、本書の主人公であるディタを新たなヒロインとして、日本の少女たちに今後認知されて欲しいと思った。
アウシュビッツとは全然比べ物にならないが、、、今の時代も生きづらいのは事実。現実逃避しても構わないが、逃避対象として、魂の栄養になるような、また現実を見極める力を与える、本や信念を心の拠り所にして欲しく、日本の少女たちに、もっとこの物語が広まるといいなと願う。アンネもいいけど、実話を元にしたフィクションと言えどディタの物語も知って。 -
4.24/1700
『絶望にさす希望の光。それはわずか8冊の本――実話に基づく、感動の物語
1944年、アウシュヴィッツ強制収容所内には、国際監視団の視察をごまかすためにつくられた学校が存在した。そこには8冊だけの秘密の“図書館"がある。
図書係に任命されたのは、14歳のチェコ人の少女ディタ。その仕事は、本の所持を禁じられているなか、ナチスに見つからないよう日々隠し持つという危険なものだが、
ディタは嬉しかった。
彼女にとって、本は「バケーションに出かけるもの」だから。ナチスの脅威、飢え、絶望にさらされながらも、ディタは屈しない。
本を愛する少女の生きる強さ、彼女をめぐるユダヤ人の人々の生き様を、モデルとなった実在の人物へのインタビューと取材から描いた、事実に基づく物語。』(「集英社」サイトより)
アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所、一九四四年一月
(冒頭)
『すべてを飲み込む暗いぬかるみの上に、アルフレート・ヒルシュは学校を建てた。
黒い制服に身を包み、人間の死を冷酷に眺めるナチスの将校たちは、そのことを知らないし、それを彼らに知られてはならない。』
原書名:『La bibliotecaria de Auschwitz』(英語版:『The Librarian of Auschwitz』)
著者:アントニオ・G・イトゥルベ (Antonio Iturbe)
訳者:小原 京子
出版社 : 集英社
単行本 : 448ページ