風の如く 水の如く

著者 :
  • 集英社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087741841

感想・レビュー・書評

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  • お互いがけん制しあい、81マスの将棋盤の中で関東と九州で向き合い日本という国を動かそうとしていた。その戦は詰むことがなく黒田官兵衛が家康に投了してこの1戦は終わる。関ヶ原と言いつつもやはり三成と家康との戦いではなく官兵衛と家康の戦いだったような気がする。

    秀康を会津への楔にしたことも、秀忠を前田の抑えとして遅延させたこともすべては官兵衛との駆け引きの中での話だった。差し手の2人が動くことはなく、戦国武将が二人の手駒として広い日本を暗躍していた。しかも、これほどまでに竹中半兵衛の息子の重門が陽の光を浴びる作品など他にはないだろう。

    やはり関ケ原の戦いというのは本当に面白い!なぜ?という点が多すぎる。それを考えると多くの発送ができるから面白い。

    「風の如く水の如く」

    もしも関ヶ原後に官兵衛が上洛をせずに島津と組み、さらには領土安堵と言われ減封された毛利と組めば日本は二分されていたのだと思う。う~ん、最後は史実に戻ってしまうのが残念だが、良い作品だと思います。

  • 久々グイグイと引き込まれる安倍龍太郎節だった。謎解きと時限を行き来する重層感相まって、一気に読んでしまった。映画化したら面白そう。いい読後感だ。

  • 黒田如水と長政親子から見た関が原。
    この本は面白い。
    筋と構造がピシっとしていて、読んでいて爽快感がある。
    しかし、謎解きとか歴史ミステリーとかではなくて、正統派の歴史物語でやるから、非常に安定して読める。
    黒田長政、竹中重門、本多正純、細川忠興(あと一人は言わない)といった、元亀天正の息子たちが登場する。知らないわけじゃないけど、そんなに詳しく知っているというわけでもない。偉大な父親たちの脇役ではあって、それがこの本ではいい味を出している。
    いい本を読んだ。この作者さんの本はもっと読もう。

  • ずっと読みたくてやっと読めた本!
    とっても読みやすかった´`*
    想像していたのとは少し違ったけど、掛け合いが面白かったです。

  • 黒田官兵衛サイドの関ヶ原。
    黒田・本多・竹中・細川など…壮絶な大ファザコン劇場。
    この作品は映像化すると非情に面白いのでは?
    子育ては難しいなぁーと痛感する一冊。

  • 関ヶ原の真相はこれかも。黒田如水の水の如く...。

  • 渦巻く陰謀、戦国の親子関係。お父さんは偉大です…

  • 裏関ヶ原、家康対官兵衛。面白くて一気読み!黒田、本多、どちらも相当に食えない親に翻弄される息子たちのファザコン地獄。さらに細川家、徳川家の親子事情も絡みます。官兵衛を巡る又兵衛と長政、重門の心情も堪りません。好き。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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