星へ落ちる

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (136ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087748970

作品紹介・あらすじ

彼との部屋を出て新しい彼と付き合い始めた私。彼が女と浮気をしていると知り自殺を考える僕。彼と共に暮らすことになっても不安なままの私。彼女が突然去ってしまった部屋で待ち続ける俺。彼と結婚することになったが、絶望していく私。夜燃え尽きて朝蘇り、再び夜に燃え尽きる日々。救いなき道を歩み始めたそれぞれの世界の果て。

感想・レビュー・書評

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  • 引き続き再読中。

    4人の恋愛がそれぞれの視点から描かれる短編集。

    中心にある男性だけの視点がなく、いったいどんなこと考えて
    こんな生活おくっているんだろうって思うけど、
    それ以外はどの人の気持ちもよく伝わり、特に「左の夢」は
    幸せだった頃の回想が恐ろしくリアルで悲しくて、読んでいて泣いた。

    嫉妬、別離への恐怖、もう無理だとわかっていながら
    してしまう執着。たまらなく痛いけどどんどん読んでしまう。

  • 好き。
    今までとちょっと違うって、可愛いらしい感じがあった。
    それぞれの視点で描かれていてそれぞれの主観と客観のずれが楽しい

  • 2021年 6冊目


    主人公が最愛の人からプロポーズされたあとゲロ吐いたのがよかった。最初から最後まで醜いのだけど、安っぽさはなくなっていく。

  • 若い女性向けのポップな感じが「狙ってるな」って印象
    ゲイ設定とか・・・
    登場人物は主に四人、それぞれ一人称、二人称での登場
    名前はない
    むしろ「彼の恋人」の名前など、頑なに伏せている演出

    「彼」という星の引力に引きつけられ、まわりをぐるぐる回るだけの私たち。
    「彼」がどういう人物なのか、語られることはない。

  • なんとなく読み始めて一気に読んだ。恋する者の苦しさ、って感じ。追う側はいつも苦しい、あの手この手でみっともなかったり、格好付けたり、どうにもできなくて苦しい。相手も自分も同じ分量で好きになれたらいいのにね、でもだとしたらつまらないのかも。

  • 真っ赤な装丁。墜落、埋没していく男女4人。人を好きになることは落ちていくことかも。

  • 金原ひとみの文章の書き方にハマったキッカケの本でもある。
    面白いのは、登場人物のうちの一人の「彼」からの心情描写がひとつもない点だと思う。それなのに、この人の文章の独特な「スピード感」が鈍らない所が好奇心を掻き立て、あっという間に読み終えてしまった。

    「私」も「僕」も「俺」も、そして「彼」も一人ひとり違う状況や考え方を持っているのに、彼らには何かの共通点があるような気がする。
    それを言い表せないもどかしさがなんとも言えない。
    ただ、その共通点を軸に話がスッと伸びて、気が付いたら話が終わっていた。
    そこには漠然とした何かが心に残るけれど、それは嫌なシコリとしては存在しない。
    そういう所が金原ひとみの味なのではないかと思う。

  • 自分に自信たっぷりなくせに、大切な人が離れていくのが怖くて怖くて仕方がなく発狂にまで追い込まれる2話目の男の子にゾッとした。ストーカーチックな元彼には、最後、光がさしたようでホッとした。女が書く女はいつも、あんな感じな気がする。

  • あまりに衝撃的な『蛇にピアス』以降、敬遠していた金原ひとみの近作。

    「恋に落ちる」とはいうが、その気持ちをリアルに表現出来ている。ちょうど賞を取ったときから今に至る彼女の私生活とかなり重なっているように感じた。(そう思わせるように書いたのかもしれない)元彼の言葉をパソコンに打ち込むシーンなど、特に。

    この本は私にも「わかる」。


    作成日時 2008年01月15日 19:49

  • 重いけど好き

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2004年にデビュー作『蛇にピアス』で芥川賞を受賞。著書に『AMEBIC』『マザーズ』『アンソーシャルディスタンス』『ミーツ・ザ・ワールド』『デクリネゾン』等。

「2023年 『腹を空かせた勇者ども』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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