- Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087813074
感想・レビュー・書評
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1986年のチェルノブイリ原発事故の放射能を浴びたベラルーシ共和国の少年と、彼を治療するために日本から派遣された著者の物語。
大人の絵本で、20分で読めた。
言葉は簡単だけど、そのやさしい言葉が発する意味はとても大きい。
『ヒントは人と人のつながりのなかに存在する。ひとりぼっちで生きるとき、幸せも不幸せも感じるのはむずかしい。
…
人とのつながりの中で生きるとき、幸せを感じたり、不幸せを感じたりするのではないか。』詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
チェルノブイリ原発事故により多くの子供たちが白血病を発症したベラルーシ共和国。その子供たちを救ったのは日本の医師たちだった。
本当の「しあわせ」とは、お金があって恵まれていること?家族が元気に暮らしていること?
アンドレイくんのお母さんが教えてくれるノンフィクション!
「苦しみや悲しみのなかにいる人たちだからこそ幸福になれる可能性があることがわかりました。」
原発事故の事実を隠蔽されていたベラルーシ共和国。アンドレイくんのお母さんは、放射線が飛びまくっていることを知らずに、赤ちゃんのアンドレイくんを乳母車に乗せて散歩をしていました。
黒い雨が降る日も、散歩は欠かせなかったといいます。「あの時、散歩に行かなければ、、、」
同じ母として、アンドレイくんのお母さんの気持ちを考えると、、、嗚咽でした。
何もかも失った後でも、日本の医師への感謝する気持ちを忘れなかったお母さん。
「人のあたたかさ」がどれほど人を強くさせるか、「しあわせ」とは如何なるものか、深く考えさせられる作品でした。
現在、赤ん坊の娘が大きくなったら、読んで欲しいなと思いました。-
2021/02/25
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実はこれ絵本で、読みやすかったよー(๑˃̵ᴗ˂̵)
アンドレイくんは助からなかったけど、「パイナップルが食べたい」という一言に動き回った日本...実はこれ絵本で、読みやすかったよー(๑˃̵ᴗ˂̵)
アンドレイくんは助からなかったけど、「パイナップルが食べたい」という一言に動き回った日本の看護師さんのエピソードには涙が出た2021/02/26
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これ読んだ知り合いの子どもが、アンドレイが貧しくて治療を受けられず亡くなった話と理解していた。
大人はアンドレイが赤ん坊のとき、チェルノブイリ原発事故の放射能を浴びて白血病になったってわかるけど、そう言われてみると、はじめに原発事故のことや放射能汚染のことも書いてあるものの、全く知識のない子どもには分かりにくい書き方かなあと思った。
そもそも子どもはチェルノブイリ原発事故を知らないし、原発には放射性物質があり、事故で漏れるということも、放射能汚染でガンになることも知らない。東日本大震災だって、小学生は知らないか覚えていないのだから。
ベラルーシの人々は原発事故を知らず、放射能を浴びてしまった。「放射能はにおいもなく、カタチもなく、静かに降りつづいていた。」「放射能は、少年には見えなかった。」とあるのに、その次の行でいきなり「アンドレイのとうさんが子どものころ、遊んだ沼も、川も、放射能で汚された。」となるのは唐突というか不自然で、間に「しかしベラルーシの人々にも少しずつ事故の状況がわかってきた」「放射能は水や植物に蓄積され、動物や人間の健康を損なうのだ」みたいな文章がないと。
まずはじめに地図や原発の仕組み、事故の分かりやすい説明があったら良かった。
アンドレイの家が貧しいのではなく(ベラルーシでは普通の家庭である)、ベラルーシが国として貧しくて医療が整っていない、というのも日本しか知らない子どもにはわからないんだなあ。日本にも貧困家庭があるということは知ってるから、アンドレイの家も貧しくて治療が受けられないと思ったのだろう。もちろん、病院に道具も薬もないってことも書いてはあるのだけど、読み取れてないのだ。
子どもの学校図書館にあり、教科書でも推薦されていたがやっぱりこれだけでは子どもには分かりにくい。文庫が難しいわけではないが、ある程度の知識がある前提で書かれているので。
これを子どもが読んでいたら、大人はちょっと説明してあげた方が良いと思う。
原発事故や放射能の影響や被害にあった人々のことを知ることは大切なことだから。
それにしても、今のベラルーシの状況を思うと、人々の暮らしや社会の状況はこの頃より良くなっているのだろうかと暗澹たる気持ちになった。 -
チェルノブイリ原発事故後、ベラルーシの白血病患者とその家族、日本の医師のノンフィクション。とても深い話だと思う。だけど3.11の後は、そのベラルーシが日本になってしまった。あまり知らされない日本の真実ももっと知らされるべきだと感じる一冊。
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20120126
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チェルノブイリの被爆少年をめぐる人々の思いを描く。今に重なる状況が辛い。
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さらっと語られているが、重い。
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・・・雪の中のパイナップルの絵が心に染みわたる・・・
人生はときに意地悪だけれど・・・。チェルノブイリの原発事故による放射能汚染で白血病になったベラルーシの少年がいました。骨髄移植後、食事をほとんどとれなくなった少年に、日本からきた若い看護師が付き添っていました。何とか食事を、と願う彼女の心が少年に力を与え、やさしい心は周りに広がり伝わっていきます。心があたたかくなるノンフィクション絵本。