Shrink~精神科医ヨワイ~ 7 (ヤングジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
4.41
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本棚登録 : 231
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088921778

作品紹介・あらすじ

「子の世話は母親じゃなきゃダメ」誤った母性神話が専業主婦・家入稲穂を、産後うつへと追い詰める。我が子を可愛いと思えない。母親だから頑張らなきゃ。呪縛や苦しみから解放するために、弱井は彼女に、助産院と保育園の助けを借りることを勧める。一方、会社での激務と子育てに板挟みの夫・太一も、その余裕のない日々から稲穂との衝突が絶えず、家庭はピリついていた。次第に関係が悪化してゆく子育て世代の夫婦に、本当に必要なこととは…?
DVに苦しんだ精神保健福祉士・真紀の過去編も収録。最新精神医療が、現代の家庭問題に向き合う──!!

感想・レビュー・書評

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  • 産後うつ編とDVに苦しんだ精神保健福祉士・真紀の過去編を収録。どちらも読んでいて胸が苦しくなるほど。逃げる勇気を持ち、外へ助けを求める。その踏み出す一歩が重要で、何よりも難しい。

    産後ケアの社会資源活用は大切だね。ぼくも介護や自身の精神疾患において、包括支援センターの方やケアマネさんたちにどれほど救われたか。家族という殻を破れば、プロたちの力が借りられる。それは恥ずかしいことでもなんでもない。助けてくれる仕組みはたくさんあるんだから使っていい。

    不安を感じた時にする5つの質問は、不安障害のぼくにも参考になった。主観から客観へと移り変わる流れがわかりやすく、自分でもやってみたい。産後クライシスも初めて知った。具体的な対策で不和を解消していくのが鮮やか。アドバイスと批判をせず聞くってシンプルなように見えて難しいんだよね。

    DVに苦しんだ真紀が、弱井・陽美と出会う過去編も読み応えあった。考えないように支配されていく姿が痛々しい。陽美が真紀にかける言葉たちが真っ直ぐで好き。
    「自分を何もできないちっぽけな人間だと思うのは真紀さんを虐げている人にそう思わされているだけだよ そのほうが都合がいいからね」

    信じても裏切られ続け、何も期待できずに、それでも離れられずに生きていく。それを溶かしたのはどんな小さな約束でも必ず守るという積み重ね。約束は相手とするものじゃなく、自分とするものだという言葉を思い出す。相手を見て交わした約束は、相手によって守ったり破ったりしてしまう。相手と交わした「自分との約束」を守ることこそ、相手と自分への信頼へと繋がっていく。

    真紀の心を開いた陽美。なぜ彼女は死んでしまったのか。知るほどに不可解さが募っていく。弱井のことを助けたいと考えている人たちは傍にいる。弱井自身の過去の傷を癒す時はいつ来るのだろうか。

  • この7巻だけ全妊産婦に読んでもらいたい。
    世界が変わると思う。

  • 2階マンガコーナー : WM075/NAN/7 : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410167615

  • 産後うつとDVに苦しんだ過去から、精神保健福祉士になった真紀の話。


    魔法の言葉「今日はどうだった?」

    一番大事なことを尾上さんは自分の力ですでにやり遂げているんですよ
    「逃げる」ことです
    どんな心の病でも虐げられてる環境から逃げることができた人が一番 予後がいいんです

  • 星10!

    当事者の人、ご家族、医療関係者、そして多くの人に読んでいただきたい。病気への理解が広がりますように。

  • 493.7/ナ/7

  • 「不安」を感じるのはとてもいいことなんですよ。不安を感じられなければ、僕たちは危険から身を守ることができませんから。
    大切なのは不安をなくすことではなく、コントロールすること。

    周りの声を受け止め過ぎて、自分の本当の気持ちがわからなくなっている状態です。だからもう一度、ゆっくり「自分の声」に耳をすませてみてほしいんです。

    人間は誰でも自分の考えをコントロールする力を持っています。ストレスによってその力が弱まっているだけ。「会話」は頭を整理し現実と思いこみの違いを認識するための効果的な方法なんです。

    魔法の言葉。「今日はどうやった?」と聞いてみてください。「聞いてほしい」と思っているはずです。
    聞くこともサポートのひとつです。ルールはアドバイスをしない、批判をしないこと。

    大切なキーワード。「ありがとう」と言ってあげてください。「認められたい」と思っているはずです。

    隣にいるのは敵ではなく、一番の味方のはずだということを。

    一番苦しめるのは自らを責め続ける自分自身の声です。

    今、一番大切なのは虐げられる恐れのない場所で安全に過ごすこと。

    愛ってさ、一緒にいて心から安心できることだと思うの。

    とことん自信を失くし、自分を縛る人の元で言うことを聞いていれば楽になれる。そう錯覚して何度も同じことを繰り返す。ボロボロになるまで。

    自分を何もできないちっぽけな人間だと思うのは、あなたを虐げている人にそう思わされているだけだよ。そのほうが都合いいからね。

    大切なのはどれほど多く与えたかではなく、どれだけ大きな愛をこめて与えたかということ。

    これからはあなたが自分の行動を決めていいんです。あなたは自由なんですよ。
    でも、私なんかに何ができるのか・・・
    もうこんなに頑張っているじゃないですか。一番大切なことをあなたは自分の力ですでにやり遂げているんですよ。
    「逃げる」ことです。今は籠の中に閉じ込められた鳥のような気持ちでしょう。でも、本当のあなたは自分の翼で大きく羽ばたける力を持っている人です。一歩足を踏み出せば、あなたを助けたいと思う人たちが必ずいます。

    忘れないでね。自分で手に入れたものは誰にも奪われない。この手で頑張ってつかんだものはあなただけのものなのよ。

  • 2021/12/28 110

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著者プロフィール

5月14日生まれ。岩手県出身。
2000年に「別冊ヤングマガジン」にてデビュー。その後「モーニング・ツー」にて『彼女とカメラと彼女の季節』を連載。現在「ハツキス」にて『バツコイ』、「月刊!スピリッツ」(小学館)にて『最果てにサーカス』連載中。

「2015年 『つるつるとザラザラの間(4)<完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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