- Amazon.co.jp ・マンガ (343ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091910066
作品紹介・あらすじ
天女の末裔?謎の転入生をめぐる幻想ロマン
昔々、天女が地上に降り来たり、神官の息子と夫婦になった……。伝説的な由来をもつ叶家の娘・小夜子が街に帰ってきた。17歳。凄絶な美貌。地に囚われた自らの運命を呪う少女。そして転入先の高校には、叶家の財をねらう遠野家の暁と涼がいた。陰謀渦巻くこの街で、小夜子の領域を侵す者が次々に死んでゆく。青春の白日夢にも似た、吉田秋生の幻想綺譚。
感想・レビュー・書評
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自分には6歳離れた姉がいて、中学高校の頃はよく姉のマンガを借りて読んだものだった。秋里和国、清水玲子、紫堂恭子、佐々木倫子、川原泉。どこかオトナの世界な感じがしたんですよね。なかでも吉田秋生のバナナフィッシュと吉祥天女は夢中になって読んだ記憶。
いわゆる少女マンガ雑誌にはめずらしかったのかもしれないけれども、おそらくその頃たくさん存在したであろう大友克洋インスパイアな絵柄がとっつきやすかった。
とにかく登場人物の頭のキレ具合が本当に魅力的だ。特に涼、暁、麻井 鷹志の3人。「死者に贈る花だな」(ニヤリ)みたいな、ケレン味たっぷりのセリフも最高。
サスペンスってたぶん心理描写がとても重要だと思うんだけれど、後半、暁が小夜子の術中にハマっておかしくなっていく様は久しぶりに読み返してもかなりゾクゾクした。からの「ざまあねえな」で正気を取り戻してからの「明日な」で急展開。
うーん暁。いいですよね。10代の顔じゃねえぞ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
魔性の女、小夜子の登場によって、それまで保たれていたバランスが少しずつ崩れていく。
ちょっと和風ホラーの要素あり。
こう、女の業を全部詰め込んだような女って、確かに存在する。
解説に2巻のネタバレあるので注意。 -
名作は読んでおかねばなるまい、と購入。
冒頭の時事ネタは古すぎてわからない部分もありましたが、本編に関係ないのでスルー。
遠野の髪型とか目の鋭さが突然変わって(いや、絵柄が変わって)「誰だこれ?」ともなりましたが頑張ってスルー。
小夜子様の、映像で言えば「止め絵」のようなシーンがとても印象的でした。思わず模写しちゃったよー。
高校時代、誰もが過ごしたのと同じようでいて世界が違う、どこか冷たい氷のような背景が一種異界感を生んでいるような印象です。制服や髪がベタ一色というのも実に効果的ではないかと。 -
女はね、血なんてこわくないのよ
だって毎月血を流すんですもの
この台詞にがーんと来た。
女に生まれただけでいやでも背負ってしまうものがこの世には確かにあるみたいだ。
私は小夜子のように美しくないので背負うものは多分少なくて済んだのだけど。
こわくてくらくてきれいでなんども読み返してしまう漫画だ。吉田秋生の漫画はすごいや。 -
だいぶ年数経ってから読んだバナナフィッシュに心揺さぶられ、同じ作者の作品なので借りた本。
出てくる人物の殆どが高校生だけど、みんな精神年齢+30歳くらいなんじゃないかと思ったらそのくらい前の作品でした。涼の妹がどんな風に成長するのか気になります。 -
<KISSHOH TENNYO>
カバー写真/中田昭
小面制作/岩井彩
カバー・デザイン/末沢瑛一 -
能楽「羽衣」 お社やしろ 種馬の品評会 事実は小説より奇なり 遠野涼 山林資産数億というネギつきだしな 同じ枝に咲いたとは思えない二つの花の養分を吸い取って毒々しいまでに艶やかに咲いた花 内実は火の車だろうが 処世術 鬼門 スノッブ=俗物 陰険 相性が悪い サンクチュアリ=聖域 ウーマンリブ礼賛派らいさんは 本来"こうあるべきだ"と思い込んでる相手から突然反撃されるとそんなに腹の立つもんかね? かんけい奸計(悪巧み)は女のものと相場が決まってるんだがな 女はね血なんか怖くないのよ…だって毎月血を流すんですもの さよなら耳なし芳一さん 健全だわ彼女を取り巻く環境は…和やかで雑多で善良で 麗人の域 そーゆー血生臭さが相応しい風情ではあったな… 大沢真の入院先がわかりましたよ …百合の花か…死者に送る花だな 初めから大人であることの残酷 呪術的な雰囲気まで湛えた転校生 同一化願望 未だ堅い苔のような同性の友人への眼差しはかくも優しい 心に抱える得体の知れない衝動を扱いかねて 小夜子はこの少年と少女の中に自分からはとうの昔に剥奪されてしまった瑞々しい魂を見ているのだ 吉田あきみ秋生のどの作品にも通奏低音のように鳴り響くテーマである ちょうりょう跳梁する 香山りか
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まとめて下巻に書いた。
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全2巻