- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093862189
作品紹介・あらすじ
東京は下町に奇妙な新聞販売店があった。住み込みで働くのは、世を拗ねた様な風変わりな面々。配達先もひと癖ある住人ばかり。そこに山形からやってきた受験浪人の康男も住み込んで悪戦苦闘するのだが…。
感想・レビュー・書評
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青春のほろ苦さが書かれている。
時代はベトナム戦争の時、日本では昭和の高度成長時代。
もう50年以上前の話なのに、ハッキリとあの時代の匂いがした。読んでいて自分の青春時代がかぶさった。
確実だったのは時間だけ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今まで時代小説を書いてきた作者だそうな。この作品が最初で最後の現代モノとなりました。半分私小説みたいなものらしい。18歳のとき故郷・山形から上京し、受験のために新聞販売店への住み込む話。病気となり手術を終えた作者が、自分の人生を見直して書いたこと作品の直後、亡くなった。そう考えるとなかなか感慨深い作品。サキちゃんに関するゴタゴタはいまいちだったけれど、従業員同士との触れ合いが良い。従業員それぞれの事情や生き方も好き。檸檬を持ちながら銀座を歩くところとか、印象深く残っている。
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すごく面白かった。いきいきしていて、明るくて、いさぎよくて、ピチピチした小説だった。最後のページの白布さんのセリフは力強くて励まされる。前へ行こうという気持ちになった。
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なぜこの本を図書館で予約したのか、まったく覚えていない。新聞販売店を舞台にした青春もの。浪人中の青年が主人公のせいか、あまり感情移入することなく読了(といっても読後感が悪かったわけでもない)。あまり印象に残らなかった。
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時代小説作家の北さんの初めての現代小説で書き下ろし。
北さん自身が山形から上京して東京の下町の新聞販売店で住み込みながら受験浪人にした一年、その新聞販売店で出会った個性豊かな人達、忘れることのできない濃厚な青春の一年を下敷きに、まっすぐな青春、まっすぐな恋、、今これを書かなければという北さんの思いがつまった小説でした。