教場

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863551

感想・レビュー・書評

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  • 図書館の本。このあと数人が予約入れてるみたいで、お待たせしては申し訳ないので急いで読みました。

    風間教官の鋭い観察力、追い詰め方も手加減なさ過ぎてコワイかったです。

    警察学校は普通の学校とは違う。みんな一緒に仲良く卒業が目的ではなく、徹底的に鍛えてシゴいて追い込んで、それに耐えられない人や警察官としては不適格者をどんどんふるいにかけていく学校。こんなに陰湿なの?とビックリするほどでした。でもよく考えてみれば、あまり警察官としてふさわしくない人が生半可な気持ちで警察官になっても困るわけだから。

    人間不信になりそう。性格歪んでいきそう。それともわざと人間不信にさせてるのかな?警察官は善人相手ばかりじゃないし人間の汚い部分や悪の部分と向き合っていくお仕事なので、そういう裏の部分を学生のうちに骨の髄まで叩き込んで、相手にスキを与えないようにしっかり仕込まれるっていうことなのかな。

    後半はそれまでの重苦しい陰湿さが嘘のよう。ストレートに教えてないから誤解しちゃうけど理由が分かれば、あぁなるほどと思う。後になってから風間流の変化球な愛情を感じられる。
    それにしても、それらを耐え抜いた警察官って、すごいです。

  • 評判の小説ですね。目の付け所がいい。
    「傍聞き」もそうでしたが、「人のあまりやらないところに目を向けて
    やる感」がある方ですね。

    全編通して登場する教官が味があります。教官として警察学校に
    来る前、どんな刑事だったのか、どんな事件を手がけたのか、
    どう解決したのかなど想像をかき立てられました。

    何かが起こり、その後どうなったか、さりげなく次の章に書かれていたり
    さりげなく登場したものが以外に大きな話にからんでいたり、オビに
    「伏線だらけ」みたいなこと書かれてましたがほんとその通り。
    いぶし銀の仕事ぶりといった感じで、そういうちょっとした翻弄感がたまりません。

    早速乞う、次回作。

  • 警察学校が舞台の短編連作。
    風間先生の頭のキレっぷりと不気味さが、世間から隔絶された警察学校のドロドロ感を更に強めていて、なんだか寒気が……でも、ページをめくる手は止まらない!

    各話の生徒の歪みっぷりも強烈で、
    特に第3話が怖すぎて「やーめーてー!!」と思わず声に出しそうなレベルでした。

    話の作り込みも物凄くて、思わぬところで伏線がしれっと張られているので、こてんぱんにやられました。

    最終話で上手に着地してはいるけれど、なんかまたゾクゾクきます。
    面白かった!

  • 警察学校を舞台にした連作ミステリ。うーむ、警察学校ってこんなところだったのか! と目からウロコ。警察官に漠然とした夢や希望を抱いているだけの人が読んだら、ちょっと尻込みしてしまいそうです。
    学生間で絡み合う感情と、それが引き起こす事件。「篩」である学校の中で挫折して、零れ落ちていく者たちとしがみ付こうとする者たち。教官である風間のやり方は案外と陰湿な部分もあるのだけれど。結果としてはひどく爽快なのが不思議。そして試練を乗り越えた者たちの成長が頼もしくもあります。
    お気に入りは「蟻穴」。一番凄絶な結末。これにはぞっとさせられました。

  • 怖い。
    人の憎悪が、怖い。
    警察学校という、狭い世界での出来事だから
    よりいっそう苦しい。

    でも、そこで己と向き合えたものが
    自分の枠を一つ打ち破ることができたものが
    警察という職を自分のものにできるのですね。

    読み終わったその日の夢にも出てきそうなおぞましい憎悪と
    この一冊を通じて見える彼らの成長と
    それを促す風間教官への畏敬の念と
    それらがあいまって不思議な感動を覚える物語でした。

  • 実技向上の授業だけではなく、現場の厳しさや心構えも大切にすることを教えてくれる。そんな教官の存在は生徒にとって心強いと思いました。口数が少ないながらも個性を見抜き支援する姿に理想の教官像を感じました。

  • 3.5

  • 警察もの?と思いきや、警察学校の厳しい教官の話し。
    連作短編のため、繋がりもあり読みやすい。
    キムタクが演じるのは意外でした。

  • 高1 ◎

  • ドラマではあまり好きではないキムタクが主役だったので、見なかったが、ふと図書館で目に止まったので読んでみたら、面白かった。

    警察学校も警察も大変だと改めて思った。上下は絶対、もう少し風通しのいい組織にならないものかと思った。

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著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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