胡蝶殺し

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著者 : 近藤史恵
  • 小学館 (2014年6月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863803

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胡蝶殺しの感想・レビュー・書評

  • 子供を追い詰める親の愛や悲しさ。最後のシーンは晴れ晴れとした爽やかさが胸に広がりました。歌舞伎の世界はよく分からないけど、その世界に生まれてしまった子供の葛藤は、その時は語られることもなく、後になって本人の口から聞くことになるのですが、大変そうだなと思います。俊介はとてもいい青年に育って、秋司と会話を読めば頭いいなぁ、と感心します。由香里の余りの必死さが招いた諸々。子を愛し案じる余りのやり過ぎの行為は読んでいて決して気分のいいものでは無かったです。それが子供の才能を一時とはいえ潰した…のかもしれませんね。

  • 近藤さんの真骨頂ともいえる梨園×愛憎劇。
    しびれます。良かった!

    萩太郎は踊りを得意とする歌舞伎役者。
    お世話になった先輩役者の忘れ形見である秋司の後見人を引き受ける。
    息子の俊介と同い年であるにも関わらず
    格段に踊りがうまい秋司を見た萩太郎は、その差に苦悩する…。
    そんな中、秋司と俊介が揃って立つ舞台の当日に、秋司がおたふく風邪にかかってしまう。
    それをきっかけに萩太郎は秋司の母と揉めてしまい…
    秋司と俊介に「春鏡鏡獅子」の「胡蝶」を躍らせるという萩太郎の願いは叶うのか。

    『胡蝶殺し』というタイトルから、てっきり子役のどちらかが死ぬと思っていましたが、
    想像していたものとは違いました。
    そして、最後がとてもよかった。良い終わり方でした。

    子を思う親の気持ちがとても丁寧に書かれています。
    子を持ったことのない私でも、抵抗なく受けいれることができました。
    子の才能を見届けられないことも
    子の才能を信じてやれないことも
    子の才能を気負いすぎてつぶしてしまうことも
    どれもとても悲しい。

    親バカに全くならずにいることは難しいと思います。
    でも萩太郎は親バカ心に流されず、客観的に2人を見ていた。非常に素敵だと思いました。
    萩太郎の態度から、秋司は萩太郎が本当に思ってくれていることを感じ取ったのでしょう。
    3人に幸あれと願わずにはおれないラストでした。

  • 中堅歌舞伎役者市川萩太郎が恩のある先輩中村竜胆の遺児秋司の後見人に指名される。
    彼には同じ年の息子、俊介がいるため、引き受けるのをためらう。俊介は優秀な子だがまだ歌舞伎にはあまり興味がなく、一方秋司は大人も舌を巻くほど踊りも達者。
    俊介の初舞台、踊りの達者な秋司に難しい役を割り当て秋司の母由香利にも感謝されるが、初舞台前日に秋司が病に倒れる。
    可愛らしい子供二人に胡蝶の舞をさせたいと願っていた萩太郎の夢は叶わないかと思えたが、俊介が大学生になった頃、秋司との再会を果たす。

    タイトルから想像していたストーリーと全く違うラストにほっとした。
    梨園という特殊な世界で、子どもを思う親の姿は鬼気迫るものがある。
    子役たちも、意外と色々な事がわかっているのかもしれない。

  • それなりに面白いですが、ミステリーというのは少しきついと思います。

  • 歌舞伎の素養がないので面白さがあまり理解出来なかったけど、鏡獅子(正月によくやってるよね)を見たいなという気になった

  • タイトルからしてもっとドロドロの梨園の内部暴露的なストーリーかと思ったらサラリとした爽やかなストーリーだった。
    秋司の大人になってからの消息の判明の仕方が少しわざとらしいのが残念。

  • とても良い形で終わっていて読後感がよい。俊介と秋司は一生涯よい友達でいることだろう。そして萩太郎を加えた3人の関係もうらやましいくらいだ。今まであまり興味がなかった歌舞伎の世界も垣間見ることができた。

  • ☆☆☆☆☆5つ

    著者は、わたしにとっては、いつ迄経っても『サクリファイズ』の近藤史恵である。

    そして、この本は、これまでは全く興味のなかった「歌舞伎」の世界に引きづり込まれて行く自分を感じる。これはサクリファイズの時、同様にほとんど興味のなかった「ロードレース」の世界へ引きづり込まれたのとよく似た状況である。

    作者は説明しないで理解させるのがとても上手いと思う。物語を追っていくと自然とその事柄への理解が進んでいるのだ。なかにはそういう究極の手法を最初から諦めて「注釈」などを使ってあっさり説明してしまう著者も居るのだろうが、それは興ざめというものであろう。物語の本筋を読みながら自然と廻りの知識も頭に入っている、これが読書という趣味行為の一番の醍醐味だとわたしは思う。

    そういう意味ではこの本は☆は10個!!!なのだ。

  • 2016年8月西宮図書館

  • 内容紹介
    歌舞伎子役と親同士の確執を描くミステリー

    「美しい夢ならば、夢の中でも生きる価値がある」
    『サクリファイス』で大藪春彦賞、第5回本屋大賞2位を獲得した、近藤史恵氏が長年温めてきた、歌舞伎の子役を主人公にしたミステリー。
    市川萩太郎は、蘇芳屋を率いる歌舞伎役者。花田屋の中村竜胆の急逝に伴い、その息子、秋司の後見人になる。同学年の自分の息子・俊介よりも秋司に才能を感じた萩太郎は、ふたりの初共演「重の井子別れ」で、三吉役を秋司に、台詞の少ない調姫(しらべひめ)役を俊介にやらせることにする。しかし、初日前日に秋司のおたふく風邪が発覚。急遽、三吉は俊介にやらせる。そこから、秋司とその母親由香利との関係がこじれていく。さらに、秋司を突然の難聴が襲う。ふたりの夢である「春鏡鏡獅子」の「胡蝶」を、ふたりは舞うことが出来るのか…?

  • 表紙からもっとぞわぞわくるかと思ったらそれほど毒はなかったしむしろ救いの話だな、と私は感じた。表紙とタイトルと内容がいまいち不一致なような。『はぶらし』が近いかな、と。

  • 歌舞伎の名俳優が亡くなり、まだ7歳の幼い一人息子・秋司は後ろ盾をなくした。彼の後見人を頼まれた萩太郎は、自分の息子・俊介と共に面倒を見ることになる。
    稽古を始めると秋司は舞踊が上手く、また歌舞伎が大好きだと言うことが伝わる俳優だった。対して同い年の息子の俊介は歌舞伎に興味なし。
    そんな中、俊介の初舞台の機会が持ち上がり悩んだ末に萩太郎は難役を秋司に、やさしい役を俊介に配役。2ヶ月の稽古の末いよいよ初日を迎えようとしていたとき、秋司がおたふくかぜを患い休演する事態に・・・

    歌舞伎を題材にした小説は初めて読んだ。とても面白かった。
    ストーリーとは別に、歌舞伎俳優たちの過密スケジュールや舞台へ懸ける想い・彼らを支える妻たちの役割など、普段は知ることの出来ない部分も色々と見えてそれもまた興味深かった。
    初めて読んだ作家さんだったけど読みやすく、一気読み。

  • 梨園もの。二人の子役の成長物語。
    大団円で、スッキリ。

  • 胡蝶殺し、の意味がちょっと理解できなかったけど、読みやすい本店

  • もう少し何か起こっても良かったかとー。

  • ちょっとネタバレです。
    すごーく面白くてサクサク読んだのだけど、ん?て終わり方でした。何かが起こるのかと、ザワザワしながら読んでたから、あ、ただのいい話だったのかーって感じ。ちょっと残念。装画が素晴らしくて何度も見とれてしまいました。

  • 著者の作品で好きなのは、自分の日常生活から遠い世界が舞台になっている作品である。
    この作品も、歌舞伎の世界のことが書かれており、興味深く読んだ。

  • 歌舞伎役者の世界。
    歌舞伎役者である市川萩太郎が、急逝した先輩役者の中村竜胆の遺児秋司の後見人に指名される。
    本来ならば指名される筋ではないはずであるが、その理由は秋司の母由香利の言動にあった。
    萩太郎は由香利の情緒不安定にふりまわされつつも、秋司の才能に瞠目する。同時に自分の息子である俊介が頼りなく思う。
    しかし、それは二人が子役として出演する舞台の前日に秋司がおたふく風邪で休演したことから変化していく。
    病の後遺症で片耳に難聴がでた秋司は、芝居を続け踊りを止める決断をする。

    青年となった秋司と俊介の再会から大団円。
    秋司の決断と、母の心を守るための嘘。

  • そうだった!
    近藤文恵は、善で収めてくれるんだった(*^▽^*)
    題名から、こわごわ読んだ。
    秋司、俊介、萩太郎、不由美、秋司の母。
    途中から殺しはなく、秋司の母が、俊介に悪さをするとか、秋司を破滅させるとか。。
    かと思ったが、
    秋司は自ら、母を思って、梨園を去ったのだ。
    しか~し、俊介の突っ込みで、復活ヽ(^◇^*)/ ワーイ

    一次、近藤文恵読みまくってたよな!
    復活しましょう私も!

  • 近藤史恵さんの歌舞伎シリーズ。
    近藤さんの本は読みやすくてサラサラ~と一気読み。

  • 近藤史恵の歌舞伎ものは久々です。楽しくあっという間に読めました。

  • 殺伐とした話かと思ったらいい話じゃないか!
    タイトルに反して殺人事件は起きません。笑

    子供ながらにいろいろ感じ、考えて選んだ道で別々の道をしばらく歩んだけれどもまた再会できてよかったなぁ、って思う。

  • ミステリーと謳われておりますがミステリーとして読むなら少々物足りない。歌舞伎の世界はほんの少し覗ける。続きが出るのかもしれない。

  • 平成27年3月13日開始
    平成27年3月15日完了

  • タイトルの意味をわからないまま手に取ったら子供の表紙で驚いた。読んだら納得。御曹司も苦労する。

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胡蝶殺しの作品紹介

歌舞伎子役と親同士の確執を描くミステリー

「美しい夢ならば、夢の中でも生きる価値がある」
『サクリファイス』で大藪春彦賞、第5回本屋大賞2位を獲得した、近藤史恵氏が長年温めてきた、歌舞伎の子役を主人公にしたミステリー。
市川萩太郎は、蘇芳屋を率いる歌舞伎役者。花田屋の中村竜胆の急逝に伴い、その息子、秋司の後見人になる。同学年の自分の息子・俊介よりも秋司に才能を感じた萩太郎は、ふたりの初共演「重の井子別れ」で、三吉役を秋司に、台詞の少ない調姫(しらべひめ)役を俊介にやらせることにする。しかし、初日前日に秋司のおたふく風邪が発覚。急遽、三吉は俊介にやらせる。そこから、秋司とその母親由香利との関係がこじれていく。さらに、秋司を突然の難聴が襲う。ふたりの夢である「春鏡鏡獅子」の「胡蝶」を、ふたりは舞うことが出来るのか…?

【編集担当からのおすすめ情報】
とにかく読んでみてください。
歌舞伎に詳しい方も、そうでない方も、たっぷり楽しめます。
近藤史恵氏の淡々としながら緊張感のある描写に、あっという間にひきこまれると思います。

胡蝶殺しのKindle版

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