ミラノの太陽、シチリアの月 (小学館文庫 う 13-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094062205

感想・レビュー・書評

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  • イタリアの空気感があるのに、日本のどこかの室内…みたいな
    なんて言うんだろうか…

  • 土地と人の懐に入り込む能力?性質?が常人離れしていると思う。観察して伝える力も、これはジャーナリストならではか。
    ホントかいな!とたまに感じるけれどこの際どうでも良いと思える面白さだった。

    『祝宴は田舎で』パワフルなおばさま、会場に着くまでがもう楽しい。次々にたたみかけるパスタの数々の描写も楽しい。

  • これはエッセイではなく短編小説集でしょう。鉄道員はまだ読めましたが、あまりに作り過ぎていてちょっと現実離れ。思い入れも過剰になると嫌味に思えます。

  • どれも、半端なくドラマチックなエッセイ。最高です。

  • イタリア旅行の前後に読んだ本。
    旅行で訪れるイタリアとはまた違った、地に足のついた生活者としてのイタリアが綴られる。よくこんなに溶け込み、そこにいる人を生き生きと描けるものだと感心した。どの短編にも物語があり、ただのエッセイともまた違って良かった。

  • 何より文章と話の構成力と、当地の人と交流する力と、引っ越しする回数に圧倒される。

    「駅舎を一生守ることを、貴君への特別業務として命ずる」
    「音で始まったご縁でしょう。今度は、ぜひ音を出してもらえるような贈り物がいいと思いますわ」

    イタリアに行ったことがないからか、ややイメージがわかなかったのは否めない。

  • どこかもの寂しい気持ちになるけれど、生きる希望も感じさせてくれる話。イタリアの美しい海、田舎の風景、どんよりとした冬の景色などが詳細な描写から伝わってくる。

  • ガイドブックや紀行番組の中にはない、イタリアが、この方のエッセイにはあるなあと思う。
    イタリアいったことないけど(^^;
    数々の名画ではなく、素描といったところか。
    それだけに、飽きずに何度も読み返しそう。

    あと、さきに「イタリアからイタリアへ」を読んだので、「あれ、この登場人物は、あのエッセイでは・・・」というつながりもわかって、興味深くおもしろい。

  • 1章読むごとに、ため息つくというか、ほっとするというか。『ジーノの家』の続きのような良作。

  • 『ジーノの家』で日本エッセイストクラブ賞と講談社エッセイ賞をダブル受賞(2011年)した内田洋子による、同書に次ぐエッセイ集。私は『ジーノの家』で一遍に著者のファンになったが、蔵書の収納スペースの悩みから他の作品の文庫化を首を長くして待っており、本作品集(2012年発表)が今般やっと文庫化され、すぐに手に取った。
    本書のコンセプトは、『ジーノの家』と同様、内田氏が出会った市井に生きる普通のイタリア人が送る人生の一断片である。にもかかわらず、各篇はあまりにもドラマティックで強烈な印象を残す。それはなぜなのだろうか。。。
    いくらイタリアが、ルネサンスの芸術、プッチーニのオペラ、フェラーリの車、アルマーニのファッションを生んだ国であっても、自分の周囲の人々の生活や人生がそうそうドラマティックなものばかりであるはずはない。と考えながら本書を読むと、内田氏がこうした作品を生み出せるのは、類稀なフットワーク、人への興味、誠実さ、感受性、柔軟性、忍耐強さ等々を持っているからなのだと気付く。
    内田氏がイタリアで住んだ家は、本書を見るだけでも、「ミラノで買った箱」の偶々バールで話をした大学教授と共同家主となったミラノの家、「鉄道員オズワルド」のリグリア州の海辺のオズワルド一家が住む駅舎の見える高台の家、「六階の足音」の様々な住人の住む六階建ての共同住宅、「ブルーノが見た夢」のリグリア海を見下すアパート、「鏡の中のナポリ」の大学時代に居候をしたナポリ有数の名家の邸宅。。。である。そうした様々な環境に身を置きつつ、関わる人々と築いた信頼をベースにしてこそ書き得たものが本書なのである。
    かつて、山口瞳が沢木耕太郎を「エッセイを小説のように書く」と言ったが、それは内田氏にも当てはまると言えよう。
    他の作品集も早く文庫化して欲しいものである。
    (2015年10月了)

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著者プロフィール

ジャーナリスト

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内田洋子の作品

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