- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094072600
感想・レビュー・書評
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犯罪の裏には、その人が抱える様々な事情がある。その背景にある社会問題に目を向け、向き合うことの大切さを教えてもらった。
私は教員をしていますが、生徒にも同じようなことが言えると思った。問題行動の裏にある生徒を取り巻く様々な環境、心の内に抱える感情を観察することの大切さを改めて感じた。表面に捉われず、見えない心を大切にして人と接するべきだなと思う。笑ってるけど心は泣いているということはよくあること。ルールを守らせたり、問題行動を罰することが大切なのではなく、生徒の内面に迫ることを心がけたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
柿谷美雨さんは面白おかしく物語を進めながら、現代社会の問題を明るみに出していく。そうだよね!母子像の批判には私も本当にそうだそうだ!と思いました。出所した人たちを福祉が繋いで社会復帰することが考えられ始めているけど、まだまだだなぁと感じました。
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いつも通りの垣谷さん。よみやすくてスラスラ読める。
たしかに再犯率の高さとか出所後のサポートとか、いろいろ考えさせられるところではあるんだけれど、ワタシは恵まれた人だからなのか、やっぱり、でもなぁ・・・と思ってしまう。
惣菜を万引きしただけというが、常習だし。
女性の服役者はすべて環境や周りの人のせいで仕方なく罪を犯している・・・とは。やっぱり思えない。
あといつも垣谷さん作品に出てくる男性みんな、女性蔑視などワンパターンすぎて、はいはいってなる。まあお決まりなので読んでいて安心感はあるけれど。 -
導入の部分でSFかと思った。SFがあまり得意でない為、「よし、(SF)読むぞ」と身構えないと読めないのだが、あっさり読めてしまった。というのも、導入にSF要素が少々あるだけであとはノンフィクション風味のフィクションだったからである。
女子刑務所、無縁なものとして生きてきたがそんなことはないのだと思わされる物語だった。今日の日本社会にも即しているため、学生(特に中高生)には一読したらきっと印象に残るであろう本だと思う。読んでよかった。 -
女囚は、加害者だけでなく被害者でもある。
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連作短編5篇
半年だけ女子刑務所の勤務医となった金髪の女医香織先生と看護師のマリ江が患者の本心が聴こえる不思議な聴診器で囚人たちの真実を知って彼女たちのために奮闘する物語。刑務所の実情が分かり、再犯が多いのにも納得。
香織先生とマリ江の食事を巡っての攻防が面白かった。 -
不思議な聴診器シリーズ(?)三作目。
今回は、太田香織医師(39)と松坂マリ江看護師(52)が女子刑務所に派遣される。窃盗、覚せい剤、殺人、放火とさまざまな罪状の受刑者を診察し、聴診器の力でその来し方を知ったうえで、出所後の行く末を見据えた対処をする。
やり方は無茶苦茶で強引だし、巻きこまれる周囲は迷惑この上なくはあるのだが、結果的に彼女たちのためになっているのが好ましい。
香織の自然体の振舞いに好感が持てる。 -
香織先生とマリ江さん素敵でした。
病棟シリーズの3作目。後悔病棟、希望病棟の後に読むと楽しさ倍増します。