懲役病棟 (小学館文庫 か 46-3)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094072600

感想・レビュー・書評

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  • 元暴走族の医師・太田香織と、看護師の松坂マリ江が女子刑務所に派遣され、不思議な聴診器で患者の心を知った二人は規則を無視して受刑者に関わり、問題を解決していく…。
    概説が元厚生労働事務次官の村木厚子さんで、拘置所に164日間拘留された経験(のちに無罪確定)から、この小説には「罪を犯す人のリアル」「刑務所の中の暮らしのリアル」「世間のリアル」があると勧められています。

  • それぞれの受刑者が犯罪を犯した理由と背景が短編として綴られている。

  • シリーズ3冊、どれも面白かったし色々と考えさせられました。

    そうだよね
    加害者じゃなくてむしろ被害者というところ、ホントにそうだよなと…

    出所したあとに自力で生きていけるような支援、もっと考える必要があると強く思いました

  • この物語を読むまでは、犯罪者は単なる法を侵した人と思っていました。その犯罪に正当性は1ミリもないと思っていましたが、末巻の元厚生労働省事務次官、村木さんの解説を読んでそうではないかもと思え、さらに収監者の苦労してきた人生の背景が見えるようでした。読んで良かったです。

  • これまで読んだこの人の作品の中で1番嫌な感じがなく、読後感よかった。
    人が救われる話は良い。

  • 「病棟」シリーズ第3弾。

    今回は聴診器がどのような先生の元へ行くのか
    興味津々で読み始める。 

    元暴走族の香織先生。
    聴診器を片手に女性刑務所の常勤へ。
    P25
    〈女子の場合は無期懲役と刑期一年の受刑者が
    同じ部屋になることもあるんです〉
    女性刑務所が少ないので分けられないという。

    犯した罪もいろいろ。
    小説の中の話ではなく、すぐ近くで起こっていること。
    解説は
    郵便不正事件で逮捕・起訴された(のちに無罪確定)
    村木厚子さん。
    とても分かりやすく書かれていた。
    〈罪を犯してしまった人々や、
    彼らと関わる人々について知ってほしい、
    想像してほしいと心から願っています〉と、結んでいる。
    再犯を防ぐ、その手立てはないのだろうか。
    ニュースで目にする犯罪も
    女性だけが悪いのではないだろう。
    その背後にある生活を想像し、悲しい気持ちになってしまう。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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