オケ老人! (小学館文庫 あ 19-3)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094085686

作品紹介・あらすじ

平均年齢おそらく世界最高齢のアマ・オーケストラ「梅が岡交響楽団」(略称・梅響)に、高校教師・中島は間違えて入団してしまう。彼は、演奏も覚束ない「オケ老人」たちのなかで勿論一番若く、力も備わっていると目され、指揮者になってくれと皆から懇願される。その後、彼が門を叩きたかった同じ町にある人気アマオケ「梅が岡フィルハーモニー」(略称・梅フィル)との確執、梅フィルの怜悧で、完璧主義のコンマス・大沢が熱望するロシアの人気指揮者ゴルゴンスキーの来日騒動などを経て、日本・ロシアの国家機密の情報漏洩にまで話は大きく展開していくが-。

感想・レビュー・書評

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  • スパイいるかなぁ、と思いながら読みましたが、なんかいい感じに沁みて行きました。
    最後、コンサートで、奇跡が起きてパーフェクトに終わるのではなく、あ、ミスった、でもふんばった! いいよ、いいよ、それが味だよ!って…
    涙出ました。
    主人公があぶらげかっさらわれるのも、スパイが息子になっちゃうのも、なんかもう、柔らかくてあったかくて。
    心地好いです。

  • 音楽っていいなぁ。音楽じゃなくとも、一緒になって何かに向かって行ける仲間がいるっていいなぁ。と思えた作品。面白さも感動もあり、熱くもなった。
    小説内に出てくる楽曲を聴きながら、そのシーンを読み直してみたい。

  • 面白い。
    実際老人主体のオーケストラにもたまに参加するので
    よく理解されているなあと感心します。
    ただ野菜を楽器にするあたりまで来るともうマンガチック。
    でもそれぐらいの方が世間一般には受けるのかなあ。

  • とても優しい物語。
    愛があふれてるのだ。

    平均年齢がちょっとばかり高いアマオケ、梅が岡交響楽団のお話。
    ただ一人の若者として引き込まれた主人公の中島先生は、オーケストラの指揮を通じて音楽を楽しめるようになっていく。
    自己嫌悪とか嫉妬から自由になる姿は、人間て何度でも生まれ変われるんだなと思わせてくれる。

    人の輪がどんどん繋がって、いろんな人を巻き込みながら物語は加速していく。
    それがもう、すっごく心地良い!
    今、とっても幸せな気持ちだ。

    • まろんさん
      わあ、うれしい!
      この本、大大大好き♪なのですが、ブクログ仲間さん以外では
      周りで読んでくれる方が誰もいなくて、
      素敵な本なのになぁ、どうし...
      わあ、うれしい!
      この本、大大大好き♪なのですが、ブクログ仲間さん以外では
      周りで読んでくれる方が誰もいなくて、
      素敵な本なのになぁ、どうしてなのかなぁ、と常々思っているのです。
      読書家ですばらしいレビューを書かれるtakanatsuさんが
      この本をこんなふうに評価してくださって、
      私も今、とっても幸せな気持ちです(*'-')フフ♪
      2012/11/24
    • takanatsuさん
      まろんさん、コメントありがとうございます!
      この本はまろんさんのレビュを読んで知りました。
      実は、おじいさん、おばあさんが活躍する小説を...
      まろんさん、コメントありがとうございます!
      この本はまろんさんのレビュを読んで知りました。
      実は、おじいさん、おばあさんが活躍する小説をずっと探しているんです。
      元気がもらえる気がしてすごく好きなんです。
      とっても素敵な本と出会えて嬉しく思っています。ありがとうございます♪
      2012/11/24
  • アマチュア老人オケからロシアの国家問題へ。絶対に繋がらないと思っていた事象がつながり、最後は音楽によって登場人物の人生が幸福に導かれている。特に最終楽章では、ドヴォルザークの第四楽章の物語を鮮明に描きながら、曲が描く怪物と目的の為にコンサートを破滅に導く怪物(アリヨシ)を重ね合わせて描写している場面が印象的だった。この作品は2016年に映画化されているが、主人公の性別の違いからも設定も内容も異なることは容易に予想できる。その違いに驚きを隠せないかもしれないが、違いを見つける楽しみとして映画も見てみたい。

  • おじいちゃん、おばあちゃんがオーケストラで活躍するお話ですが、主人公はおじいちゃんでもおばあちゃんでもありません。ご老人たちと触れる中で成長していく中年教師、チンピラな青年、実業家、そしてスパイ。こう書くと何が何だかわからないお話ですが、読み終わるとさわやかな気持ちになります。音楽っていいですね。

  • 密度の濃いお楽しみ文庫本でした。演奏の場面の描写がすばらしい。

  • 楽しかった。どうせヨボヨボの老人達が下手くそなオーケストラで少しの成長が感動的に描かれているんだろうな、なんて勝手に思って読み始めたのだが。面白かったな。初めは思った通り下手くそな年寄りのオケが出てくるのだが、高校教師・中島の活躍や、思ってもみなかったロシアの情報漏洩問題まで絡んで来て最後まで飽きないで本当に面白かった。

  • タイトルから、お年寄りのオーケストラの物語と思って読んでみたら…
    ロシア?
    スパイ?
    マトリョーシカ?
    ととんでもない悪人がこの物語には絡んでいた。
    けれど、当の本人たち(オーケストラの仲間たち)は、そんな事に巻き込まれているとは露知らず。
    さまざまな壁を乗り越えて成長していくのだ。
    やっぱり年をとっても好きなことをやって生きていくことが大切。

    なんでも今年、実写映画化するとか。
    しかも主人公は杏ちゃん。
    小説での主人公は男性だから、その辺がどう影響してるかも見所かも。

  • 最初は話主が複数あり混乱しましたが、読み進めるとどんどん引き込まれます。出てくるご老人たちは元気でしたたかで個性的。主人公は巻き込まれ型で流されて行きますが、まっすぐ素直なところが良いところ。
    音楽が好きな人たちが集まっていて、読んでると羨ましくなってしまう。
    特に最初ド下手くそなウメキョーのご老人たちの演奏が、終盤になる頃にはホールで演奏してみたいよね、てとこまで上手になるのがスゴい!ラストの盛り上がりはとても素敵なので、ぜひ最後まで読んでほしい一冊です!

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著者プロフィール

1964年、京都府生まれ。東京大学文学部仏文科卒、朝日新聞社に入社。2003年『骨ん中』でデビュー。2010年『ちょんまげぷりん』が錦戸亮主演で映画化され、2016年には『オケ老人!』が杏主演で映画化された。著書に『探検隊の栄光』『けいどろ』『大脱走』『ヘビメタ中年!』『独裁者ですが、なにか?』『早期退職』など。

「2019年 『残業禁止』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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