とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094512489

感想・レビュー・書評

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  • イスラとの休戦交渉の座に就いた空の一族の要求は、風呼びの少女ニナ・ヴィエントの身柄だった。
    イグナシオの取りなしにより機会を得たカルエルは、出立の日、想いの丈を彼女にぶつける。
    「このまま逃げよう、クレア。ふたりで。空の果てまで――」かつての力を取り戻し、愛すべき人を救った風呼びの少女。革命によりすべてを失い、追放劇の果てにかけがえのない生を得た元皇子。
    ふたりの選ぶ道、未来は……!? 

    王道のストーリー展開。
    「歌えない恋の歌もある」という文章とイラストから予想されるとおり(以下略)。

  •  シリーズ最終巻。『追憶』とは異なり5巻に及ぶ長編ということで、シリーズを通じた見どころとしては主人公カルエル・アルバスの成長にあるかと思う。1~5巻(4巻は無いけど)の表紙に描かれた彼の容貌を見るだけでも、その変化はありありと見てとれる。
     クレアが空族の下に去ってからは物語の時間経過に比べてページ数が非常に少なく、その間にカルエルが抱えていた感情は多くは語られていないが、一人で空族に挑もうと飛び出したことがあったと後日談で語られている。それほどまでに熱した感情を常に自分の胸に抱きながら長い年月を送っていたことを考えると、彼を突き動かしたものの巨大さ、それを抱き続けた彼の強さに心を打たれる。
     途中で読むの止めなくて本当に良かった。その後分かりきったような結末をダラダラと続けずにしっかりと完結してくれた点からは、ガガガ文庫の他の小説も読んでみたいと思わせてくれる一冊だったと思う。

  • シリーズ通して名作でした。犬村先生の次回作に期待しております。
    「こういう演出を絵にすると綺麗だろうなぁ」ってのを文章で書くのがうまい作家だと思いました。

    「とある飛空士への追憶」での最終章を思わせる描写の美しさが、キラキラ光る。
    空戦はないです。そういうのは4巻がピーク。本巻はほぼ後日談のようなもの。
    1冊まるごとグッドエンド?

    ただ…、
    「とある飛空士への恋歌」を歌う人間が、幸せを約束されたヒロインとは限らない。
    最初のカラーピンナップ挿絵で、すでにヒロインの顔じゃなくなって、哀しそうなアリエルが印象深い。
    「追憶」はファナ様の話だった。「恋歌」は…、

    クレアは今回、一貫して
    分厚い壁の向こうにいるお姫様として描かれている。
    それだけに一度きりの邂逅シーンがマジで…。

    アリーは整備士の娘で、アリーは身分違いの義妹で、アリーは怪我をして飛空士になれなくなって…

    アリーは本当に強い子。アリーはいいこ。
    アリー…。

  • 一気に読んでしまった。普段はこういう終わり方の話は好きではないけど、この話はこれで良かったと思う。
    シリーズを通じて、読んで良かった。
    これで心置きなくレヴィアタンの恋人の続編を書いて欲しい。

  • 読むのにかなり時間掛かりました。数ページ毎に上向いて耐えたり、鼻かんだりしなきゃならなかったから・・・。追憶を含めても6冊しかないのに、10冊以上あるシリーズが終わったような気分。読んだ当時は疑問だった1,2巻も今なら必要だったんだと解る。少し時間を置いてからもう一度シリーズ最初から読み直そう、また違った気持ちで読めそう。
    後書き無しってのも読後の余韻を壊さず良いと思います。

  • シリーズ最終巻。
    カルエルの成長物語だったように思う。
    クレアとアリエルの二人の対称性に考えるものがある。
    「歌えない恋の歌もある」このセリフが物語っている。

  • 最後にアリエルの想いをもってきたのは反則だろ

  • なんだか、肝心な部分が欠落してしまっている印象。
    キャラクター中心、物語中心、設定中心とも軸が定まってない。
    一応五巻あるのにそれじゃダメでしょう。

    カルの苦渋と、
    クレアのよかった探しと、
    アリエルの小さな幸せ描写がもっとあるなら、
    もっと長くてもよいのに。
    あとこういうタイトルなんだから、もっとメカの描写希望。

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著者プロフィール

1971年生まれ。小説家。代表作に、「とある飛空士」シリーズ、『レヴィアタンの恋人』(ともにガガガ文庫)などがある。

「2014年 『サクラコ・アトミカ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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