- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101001203
感想・レビュー・書評
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これがデカダンス文学なのね。
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2019/07/25読了
短編集。どれも、死の間近で輝く生命力がメインだったのかな? 久々に純文学読んだら時間かかった、、、
眠れる美女は妖艶さや、老いへの恐怖が芽生えるまであと少しであろう男が、若い女に添うことで生命力との対比を表現してたのかな。
収録話 眠れる美女、片腕、散りぬるを -
男性としての機能を失った男が、眠らされた女性と一晩添い寝できる会員制の宿。もし川端作品として初めてこれを読んだのなら、もしかしたら気持ち悪いと思ったかもしれない。だが、私はもう「片腕」の、私の言葉では表現しようもない耽美さと艶めかしさを知っていた。眠らされながらも寝言や身じろぎで自己を表現する女性を老人はゆっくりと愛でる。訪れる度にちがう女性を。女性の上半身の描写、特に上唇のかたちの描写が妙に印象的で心に残る。余韻に浸る私のところに突如現れたラストがすべての音と色を消しさっていった。「散りぬるを」は一転して私の中にあるミステリ読みの血を騒がせた。表題作、片腕、と共通するもの言わぬ女性を描いたと思えばまた違った感情を揺さぶられたのかもしれないが、実際に何があったのか、ミステリ読みとしてはそれを気にせずにはいられない。犯人として断罪された男はもういない。紡がれた物語に放り出されたような心もとなさとここで終わるからこその余韻を受け取った。どれも好きだけれど、やっぱり再読の「片腕」が別格で好き。
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こんな文章は絶対に書けない、うますぎる。
解説は三島由紀夫 -
「片腕」の妖しく官能的なのにどこか寂しくて儚い世界観に惹き込まれた。
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2018/09/06-09/12
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廃退的で怠惰な美ってやっぱり究極〜
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表題作のみ。正直キモいわ〜こんな老人がそばて寝てるのキモいわ〜いくら薬か何かで眠ってて全く記憶がないとしても嫌やわ。そして、この時代ゆえか、男が結構浮気してる。はぁ、この老人、傍から見れば好々爺なんだろうね。
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不定期に日本文学に触れたくなり、購入。
3作品からなる短編集。
何故、川端康成?
NHKで、平成 古都 なんてドラマを観たせいだと思う。
しかし、日本の美を表現する川端康成…と思いきや、これは違った。
表題と同名の「眠れる美女」これには、びっくり!
官能小説としての表現はないものの、エロ全開。
解説は三島由紀夫で、超豪華。
川端康成もそうだけど、何故、文学を極めた人って自殺するんだろうね…謎。
'18.08.03読書完了
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「伊豆の踊子」「雪国」とはまるで違う川端康成の作品。江戸川乱歩のようなエロティックでグロテスクで妖美な雰囲気が漂う。性的倒錯が退廃的でもあり前衛的でもあり、日本のデカダンス文学の最高峰と言われるのも頷ける。
表題作「眠れる美女」は性的に死の淵にある老人を主人公とし生命力溢れる美しき少女の生と死の境界を曖昧にすることで、生き物に宿る本質的な美麗とそれに伴う禁忌的行いを描く。また「片腕」では肉片の分離に死を「与えず」異物への結合に生を「与える」ないことでネクロフィリア的陶酔を描く。会話形式で進む「散ちりぬるを」は作品名の妙は然ることながら虚構と現実、どちらとも取れぬ不思議な感覚に襲われる。
私は「伊豆の踊子」よりこちらの「眠れる美女」の作風の川端康成のほうが好みではある。三島由紀夫のあとがきもよい。