小澤征爾さんと、音楽について話をする (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001661

感想・レビュー・書評

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  • 村上さんのクラシック音楽に対する知識の深さにびっくり。クラシックをもっとじっくり聞いてみたくなった。スコアも見たい。特にブラ1。

  • とめどなくとめどなく話す2人の対談。ほぼ話し言葉そのままで進んでいくからか、読んでくうちに、本当にインタビューを聞いているような気分に。さらに読み進めていくうちにテーマになっている楽曲をいけば彼らの感性に近づけるんじゃないか、、、とおおいなる勘違いをしてしまったり。。2人の音楽愛が伝わる素敵な本でした。

  • 内容は興味深かったが、インタビュアーが村上春樹であることの独自性までは感じられなかった。
    (2014.7)

  • 村上春樹さんの著書を読むと、そこに流れる演奏すら演出になるくらい、細かく描写されていることに気づく。この小澤征爾さんとの対談は、村上氏の音楽の聴き方、演奏者がどのように演奏し、それをどう感じたか、ちょっとおタクっぽいところがあるが、音楽を楽しむとはどんなことか、その一つの楽しみ方を披露しているように読める。
    村上氏は結構好き勝手にしゃべっているような気がするが、対する小澤氏は会話を楽しむように応えているので読者としては気楽に読める本である。取り上げられている原曲をよく知っていれば、さらに楽しめるが、知らなくても小澤氏の人柄に接することができる本として楽しめると思う。

  • 音楽には疎い私には、ちんぷんかんぷんの話ばかりだが、この本を読んで、俄かにクラシック音楽を興味を持ち、ツタヤでクラシックのCDを借りてきたのが、私にとっての変化である。
    村上春樹が、小説と音楽を比較して、小説にもリズムが必要で、リズムのない文章を書く作家は大成しないと言っていたのが、興味深かった。
    でも、音楽に興味を持つことによって、人生がより豊かになるのは、確かだ。

  • 単行本が出たときに購入を見送った理由は2つある。1つは、村上春樹の新しい文章を読む楽しみをキープしておきたかったから。2つめは音楽に関するノンフィクションだったからだ。
    ジャズのことが書かれた文章を読んだとき、私にジャズの素養がないため、内容を今一つ味わいきれてない読後感が残った。今回のクラシックに関する本も、私が素人であるがゆえに、ついていけないかもと思ったのだ。

  • 初めのブラームス関連の技術的な話が面白く、マーラーの観念的な話はイマイチで、最後の若い音楽家の教育の話は面白かった。個人的には村上春樹の観念的な音楽論は好きなのに、不思議。それだけ、小澤征爾の「現場の話」が面白かったという事かもしれない。

  • これホント面白いわ。内訳話みたいで。カラヤンとバーンスタインとか世間で語られるとおりなんだなぁとか。グールド記載できないくらい変とか。笑
    カラヤンとバーンスタインのグールドのピアノコンチェルト3番ベートーヴェン聴き比べた。カラヤンはどこまでいってもカラヤンだね。バーンスタインは迷いがある?YouTubeで聞いたけど便利な時代といっていいのだろうか。

  • 小澤征爾訃報を聞き、ああいよいよこの日が来たか…と思った。生で演奏を聞いたことがない(とてつもなく後悔している)し、人柄やキャリアという面でも特に知らないでいたのだけど、ニュースを一連見ている中で興味がわき、調べてみたら本人の著作や対談本などたくさん出ていることを知った。その中でまずは対談本を、ということで村上春樹、武満徹、大江健三郎との本を借りてきたので、源氏の傍ら読むつもりである。

    この本はとにもかくにも面白かった!!に尽きる。二人の会話も面白いし、もちろん小澤征爾の(意味もなくフルネームで呼びたくなる)出てくる逸話にうなり、紹介されている録音を聞きながら読んではああだこうだと感情が湧き上がり面白かった…。もっと早く読めばよかった!
    すごい人だったんだな…松本にも行けばよかった…

    ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第3番
    グールドの録音、初めて聞いたのだけど、これは面白い演奏すぎてわくわくしてしまった。グールドこんなのも(?)あったんだ!っていう新鮮な驚き。それからバーンスタインの言い訳というかイントロも笑笑笑っていう感じで。

    マーラー
    「だからベルリオーズの場合、我々演奏家にとっての自由はうんと多いんです。マーラーの場合は、それに比べると自由は少ないんだけど、でも最後の微妙なところに来ると、今あなたが言ったような、ユニヴァーサルな余地って、たしかにあると思います。日本人、東洋人には、独自の哀しみの感情があります。それはユダヤ人の哀しみとも、ヨーロッパ人の哀しみとも、少し成り立ちの違うものです。そういう心のあり方を深いところできちんと把握し、理解すれば、そしてそういう地点に立ってしっかり選択をおこなっていけば、そこには自ずから道が開けると思います。東洋人が西洋人の書いた音楽を演奏する独自の意味も出てくる、ということです。そういうことを試みるだけの価値はあると、僕は考えています」「…東洋人にしか演奏できない、西洋音楽のあり方っていうのがあるかもしれません。僕はそういう可能性を信じてやっていきたいんです」(p.288、小澤征爾の言葉)

    意識的にも無意識的にも、クラシックはやはり欧州で育った、欧州のオケでなければ聞く価値はないと思っていた(日本はもちろん、アメリカもダメ。聞かずにいると禁断症状が出るので日本にいる間はもちろんN響を聞くのですが笑)自分は明確にいて、それを真正面からそうじゃない可能性を信じてみようじゃないか、と熱く語りかけられた気がした。そこで猛烈に、ああこの人の作る音楽を、この人が夢見ているものの一部を、生で見てみたかったと強く思った。
    R.I.P.小澤征爾さん、この本は間違いなく一生モノの本になり、私のクラシックとの関わり方はこの先の人生変わるでしょう。クラシック音楽を愛する者として、この先も音楽を通じて今更ながらではあるかもしれないけれど、出会えたこと、出会い続けられることに感謝します。

    村上春樹もすごい知識量で改めて敬服。もっともっとこういう本が出ればいいのに!

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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